子舎へや)” の例文
なかばまで言切らぬ内、文三は血相を変てツと身を起し、ツカツカと座舗ざしきを立出でて我子舎へやへ戻り、机の前にブッ座ッて歯を噛切くいしばッての悔涙くやしなみだ、ハラハラと膝へこぼした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
こう腹をめて見ると、サアモウ一刻も居るのが厭になる、借住居かとおもえば子舎へやが気に喰わなくなる、我物でないかと思えばふちの欠けた火入まで気色きしょくに障わる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
また始まッたと云ッたような面相かおつきをして、お勢は返答をもせずそのまま子舎へや這入はいッてしまッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)