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穢
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ぎたな
ふりがな文庫
“
穢
(
ぎたな
)” の例文
武士のもつ紙入れとはちがって、うす
穢
(
ぎたな
)
い
財布
(
さいふ
)
だった。窓から、庄次郎の手に、ぽんと、落としてくれたのである。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
立秋とは名ばかり
燬
(
や
)
くように
烈
(
はげ
)
しい八月末の日は今崖の上の黒い
白樫
(
めがし
)
の森に落ちて、
葎
(
むぐら
)
の葉ごしにもれて来る光が青白く、うす
穢
(
ぎたな
)
い私の制服の上に、小さい
紋波
(
もんぱ
)
を描くのである。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
四方の壁には昔から
此処
(
ここ
)
で飲んだ幾多の漫画家の奇怪千
万
(
ばん
)
な席
描
(
がき
)
が縦横に貼られ、傷だらけの薄
穢
(
ぎたな
)
い
荒木
(
あらき
)
の卓の幾つと粗末な麦藁の台の椅子の二十
許
(
ばか
)
りとが土間に散らばつて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
見るからすがすがしいような新しい蚊帳は
萌黄
(
もえぎ
)
の波を打たせて、うす
穢
(
ぎたな
)
いこの部屋に不釣合いなのもかえって寂しかった。その蚊帳越しのあかりに照らされた二人の顔も蒼く見えた。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と見るうちに、そこの
藁
(
わら
)
むしろの上に敷いてあるうす
穢
(
ぎたな
)
い
蒲団
(
ふとん
)
の中へ、彼女はふるえつくように身を入れた。
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
石造家屋のうす
穢
(
ぎたな
)
い炊事場と炊事場がくッついていた。井戸のまわりで、四、五人の清国人が、豚の腸を分配している。今の犬が、バケツに首を突ッこんでいた。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
穢
漢検1級
部首:⽲
18画
“穢”を含む語句
汚穢
醜穢
穢物
薄穢
触穢
穢多
穢濁
垢穢
罪穢
穢土
口穢
濁穢
小穢
穢汚
穢虫
穢悪
汚穢屋
穢辱
浄穢
穢苦
...