けがらは)” の例文
憎き女の文なんど見るもけがらはしと、さきには皆焚棄やきすてたりし貫一の、如何いかにしてこたびばかりはつひ打拆うちひらきけん、彼はその手にせし始に、又は読去りし後に、自らそのゆゑめて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私が今ういふことを告白うちあけましたら、定めし皆さんはけがらはしいといふ感想かんじを起すでせう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
けよ! このむねよ! 破産はさんした不幸みじめこゝろよ、一思ひとおもひにけてしまうてくれい! 此上このうへらうはひれ、もう自由じいうるな! けがらはしい塵芥ちりあくため、もと土塊つちくれかへりをれ、きてはたらくにはおよばぬわい
『しかし、驚いたねえ。狡猾かうくわつな人間もあればあるものだ。今日いままで隠蔽かくして居たものさ。其様そんけがらはしいものを君等の学校で教員にして置くなんて——第一怪しからんぢやないか。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
女は聞くもけがらはしと、さすが謂ふには謂れぬ尻目遣しりめづかひして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)