御遣おや)” の例文
それから又羅甸ラテンよみにしてもクオンチチイを付けて發音しないで、のべつに羅馬ローマ字綴りの讀み方たやうにつたのがあるなら、それついでことわつて置いて御遣おやんなさい。
『伝説の時代』序 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「馬鹿を仰ゃい。子供がわたくしそばへばかり寄り付くのは、貴夫あなたが構い付けて御遣おやりなさらないからです」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「じゃ、代さん、皮切かわきりに何か御遣おやり」と今度は代助に云った。代助は人に聞かせる程の上手でないのを自覚していた。けれども、そんな弁解をすると、問答が理窟りくつ臭く、しつこくなるばかりだから
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あなた方も大学を御遣おやりになって、そうしてますますインデペンデントに御遣りになって、新しい方の、本当の新しい人にならなければ不可いけない。蒸返むしかえしの新しいものではない。そういうものではいけない。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)