“小止:おや” の例文
“小止:おや”を含む作品の著者(上位)作品数
堀辰雄5
神西清2
徳冨蘆花1
林芙美子1
永井荷風1
“小止:おや”を含む作品のジャンル比率
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 戯曲25.0%
芸術・美術 > 芸術・美術 > 芸術史 美術史20.0%
芸術・美術 > 絵画 > 日本画1.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
いつか世の中は長雨ながさめにはいり出していた。十日たっても、二十日たっても、それは小止おやみもなしに降りつづいていた。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
運命のむちが、小止おやみもなしに私の身にふりかかって、時にはもう、ほとほと我慢のならぬほど、つらい時もあります。
どんよりとした重い水が、或は渦を巻き或は淀み或は瀬をなして、小止おやみもない力で流れてゆく、そういう日々が続いた。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そういうほどにまで雨が小止おやみもなしに降りつづいたあげく、或る日、それにはげしい風さえ加わり出した。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
そして、よるも、ひるも、小止おやみなくすなをまき、みずをまいていました。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
この句は五月雨が小止おやみもなく降り続くので、ある日琵琶湖びわこに行ってみると、あの周囲七十余里といわれておる海に等しい琵琶湖でさえ水嵩みずかさが増しておるというのであります。
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
だが、或る朝から急に雪が降りだした。そして一日じゅう小止おやみなく降っていた。もう四月下旬だというのに何と云うことであろう。そしてそれはその翌日になっても、翌翌日になっても止まなかった。
恢復期 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
舵手だしゅに令する航海長の声のほかには、ただ煙突のけぶりのふつふつとして白く月にみなぎり、螺旋スクルーの波をかき、大いなる心臓のうつがごとく小止おやみなき機関の響きの艦内に満てるのみ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
雪は相変らず小止おやみなく降っていた。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
胸のとどろ小止おやみめぐる血
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
十時を過ぎた頃、一呼吸ひといきかせて、もの音は静まったが、裾を捲いて、雷神はたたがみを乗せながら、赤黒あかぐろに黄を交えた雲が虚空そらへ、舞い舞いあがって、昇る気勢けはいに、雨が、さあと小止おやみになる。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ようようにその夜も無事にすぎて、あくる二十七日には、朝の間のどうやらときの声も小止おやみになったらしいすきを見計らい、東の御方は鶴姫さまと御一緒に中御門なかみかどへ、若君姫君は九条へと、青侍あおさぶらいの御警固で早々にお落し申上げました。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
やうやうにその夜も無事にすぎて、あくる二十七日には、朝の間のどうやらときの声も小止おやみになつたらしいすきを見計らひ、東の御方は鶴姫さまと御一緒に中御門なかみかどへ、若君姫君は九条へと、青侍あおさぶらいの御警固で早々にお落し申上げました。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
小止おやみもなく紛々として降来ふりくる雪に山はそのふもとなる海辺うみべの漁村と共にうずも天地寂然てんちせきぜんたる処、日蓮上人にちれんしょうにんと呼べる聖僧の吹雪ふぶきに身をかがめ苦し山路やまじのぼり行く図の如きは即ち然り。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そんな雨がちょっと小止おやみになり、峠の方が薄明るくなって、そのまま晴れ上るかと思うと、峠の向側からやっとい上って来たように見える濃霧のうむが、峠の上方一面にかぶさり、やがてその霧がさあと一気に駈け下りて来て、たちまち村全帯の上にひろがるのであった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
或夜など、雨のためにひさしく音信おとずれのなかった頭の君から突然道綱のもとに「雨が小止おやみになったら、ちょっと入らしって下さい、是非お会いしたい事がありますから。どうぞお母あ様には、自分の宿世すくせが思い知られました故何も申し上げませぬ、とお言付ください」などと、何を思ったのか、書いて寄こされた。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)