“おんなおや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
女親66.7%
母親33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
牝牛めうしちちのようにあま女親おんなおやなみだのなかに、邪気じゃきも、よくも、なにもなく、身をひたりこんだ蛾次郎がじろうのすがたを見ていると、だれもかれに少しのにくしみも持てなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よその母親が手をかれてゆくのを、うしろからバッサリ斬るくらいな無情さは平気で持ちあわす男であって、自分の女親おんなおやのこととなるとから意気地のない特殊な愛情の持主だ。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、蛾次郎のからだをきしめて、あまやかな女親おんなおやなみだをとめどなく流すのだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若い霊魂は愛されているたった一人の母親おんなおやの感情の犠牲になることさえできないのだ。新しく生きようとする心の要求は、こんな犠牲をさえ払っている。
帰途 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)