“したご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
33.3%
33.3%
下子16.7%
16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
界隈かいわいの景色がそんなに沈鬱ちんうつで、湿々じめじめとして居るにしたごうて、住む者もまた高声たかごえではものをいわない。歩行あるくにも内端うちわで、俯向うつむがちで、豆腐屋も、八百屋やおやも黙って通る。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南の島に行くにしたごうて、隠れ岩にはしだいに花やかな彩色を加えるようだが、鷲崎の湊のあたりには冷たい潮が通うためか、藻の緑はことに深く、かつ葉の広い北海の種類が多かった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
下子したご二人の世話になるとはと、回らぬ舌で思い深げにいう父親を見ると、同じ血のつながるきょうだいでも、親子の縁の薄いものと、そうでないものがあるのを、実枝ははじめてのように覚った。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
二三箇月すると両方の家が一つに連なって、彊界きょうかいが解らなくなった。しかし、黄英は馬の教えにしたごうて、門を閉じてまたと菊を商売にしないようになった。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)