したご)” の例文
旧字:
それがために紅い丸は気にしたごうて喉に入り、かくかくという響をさした。そして暫くすると孔生は生きかえったが、一族の者が前に集まっているのを見て夢のめたような気になった。
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
南の島に行くにしたごうて、隠れ岩にはしだいに花やかな彩色を加えるようだが、鷲崎の湊のあたりには冷たい潮が通うためか、藻の緑はことに深く、かつ葉の広い北海の種類が多かった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)