下部した)” の例文
それは森の大入道の尨毛の頭に生えた髪の毛だ。その首の下部したには頤鬚あごひげが水に洗はれてをり、頤鬚あごひげの下も、頭髪かみのけの上も高い青空だ。
またその甲板かんぱん下部したには數門すもん大砲等たいほうなど搭載つみこまれるのではあるまいか、その船脚ふなあし尋常じんじやうならずふかしづんでえる。
もっともそれは極くたまのことらしく、顎から両方の頬の下部したが、まるで厩で馬を清掃するとき使う針金製の馬節ブラッシそっくりだ。
左舷さげん當番たうばん水夫すゐふおにじやか、つてらぬかほそのこゝろわからぬが、いま瞬間しゆんかん躊躇ちうちよすべき塲合ばあいでないとかんがへたので、わたくし一散いつさんはしつて、船橋せんけう下部したなる船長室せんちやうしつドーアたゝいた。
それには山麓といふものがなく、下部したも、上部うへと同じく嶮峻な峰であり、その上方にも下方にも高く空が展がつてゐる。丘の上にある森も、森ではない。