仕度した)” の例文
さて宗觀は敵の行方が知れた処から、還俗げんぞくして花車を頼み、敵討が仕度したいと和尚に無理頼みをして観音寺を出立するという、是から敵討に成ります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
好きは好きだったが、しかし友人の誰彼たれかれのように、今直ぐ其真似は仕度したくない。も少し先の事にしたい。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と云ってカマをかけてくようなえごいことは仕度したく無い女だ。小田島は思い切って聞いた。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
せぬ者なかりしかば如何にも殘念なり此意趣晴を仕度したけれ共彼奴は勿々なか/\一通りの奴にあらず怖しい手利てきゝゆゑ五人や十人ではとてかなひ難し仲間の者を大勢談合かたらひ早々追駈三里の松原にて待伏まちぶせなし彼奴を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかる上は生きてるうちが花と定めて、できることなら仕度した三昧ざんまいを続けて暮そうという考えは、だんだんあやしくなって来た。何一つ自分の思うこととてできたものはない。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
新「少々お願いがございますが、私共わたくしどもは旅のもので此の通りの雨で難渋致しますが、どうか少々の間雨止あまやみ仕度したいと存じますが、お邪魔でも此の軒下を拝借願いいものでございまする」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お前と二人で悪い事を仕度したくもないが、喰い方に困るものだから一緒にしたが、昨日きのう私がんな怪我をして、恐ろしい顔になったもんだから、ほかの女と乗り替える了簡で、旨くごまかして
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)