した)” の例文
非道ひどい奴になると玉蜀黍とうもろこしの喰い殻に油をしたした奴を、柳行李一パイ百円ぐらいで掴まされた事があるそうです。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
双手もろてにわらんべをかい抱いて、日頃の如く肩へのせると、例の太杖をてうとついて、岸べの青蘆を押し分けながら、嵐に狂ふ夜河の中へ、胆太くもざんぶと身をしたいた。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
遺骨ゐこつは三四たい合葬がつそうした形跡けいせきがある。其所そこにも此所こゝにも人骨じんこつよこたはつてるが、多年たねん泥水どろみづしたされてたので、れると宛然まるでどろごどく、かたちまつた取上とりあげること出來できぬ。
恋と涙と喜悦よろこびと楽しみとが、一つになつてかの女のかよわい全身をしたすやうにした。
百合子 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
日本の墨壺すみつぼと云うのは、磨た墨汁すみ綿わた毛氈もうせん切布きれしたして使うのであるが、私などが原書の写本に用うるのは、ただ墨を磨たまゝ墨壺の中に入れて今日のインキのようにして貯えて置きます。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)