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しよ
ふりがな文庫
“
所
(
しよ
)” の例文
末男
(
すゑを
)
は
子供
(
こども
)
を
抱
(
だ
)
きながら、まち
子
(
こ
)
と一
所
(
しよ
)
に
銀座
(
ぎんざ
)
の
明
(
あか
)
るい
飾窓
(
かざりまど
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つて、
星
(
ほし
)
の
見
(
み
)
える
蒼空
(
あをそら
)
に、すき
透
(
とほ
)
るやうに
見
(
み
)
える
柳
(
やなぎ
)
の
葉
(
は
)
を
見
(
み
)
つめた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
私
(
わし
)
が
今
(
いま
)
話
(
はなし
)
の
序開
(
じよびらき
)
をした
其
(
そ
)
の
飛騨
(
ひだ
)
の
山越
(
やまごえ
)
を
遣
(
や
)
つた
時
(
とき
)
の、
麓
(
ふもと
)
の
茶屋
(
ちやゝ
)
で一
所
(
しよ
)
になつた
富山
(
とやま
)
の
売薬
(
ばいやく
)
といふ
奴
(
やつ
)
あ、けたいの
悪
(
わる
)
い、ねぢ/\した
厭
(
いや
)
な
壮佼
(
わかいもの
)
で。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それは
裝置
(
そうち
)
が新しく
便利
(
べんり
)
だといふ以
外
(
ぐわい
)
には、
所
(
しよ
)
持のプレモと大して
變
(
かは
)
りもないものだつたが、大正十一年の
支那
(
しな
)
旅
(
りよ
)
行の時には、それを
肩
(
かた
)
にして行つた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
今の
所
(
しよ
)
で女の組の組長してゐる藤堂君枝ちやんです……こんだけが代表でお見舞ひに来ることに決つたんですの。
浮標
(新字旧仮名)
/
三好十郎
(著)
女中がいそいそ持ち出して来た膳部を見ると鯛の塩焼だの、
鱸
(
すゞき
)
の洗ひだのがごたごた一
所
(
しよ
)
に並べてあつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
此一詩をもつても
無実
(
むじつ
)
の
流罪
(
るざい
)
に
所
(
しよ
)
して露ばかりも帝を
恨
(
うら
)
み玉はざりしを知るべし。
朝廷
(
てうてい
)
を
怨
(
うら
)
み給ひて
魔道
(
まだう
)
に入り、
雷公
(
かみなり
)
になり玉ひたりといふ
妄説
(
まうせつ
)
は次に
弁
(
べん
)
ずべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
只
(
たゞ
)
彼等
(
かれら
)
の
凡
(
すべ
)
ては
藁
(
わら
)
を
打
(
う
)
つて
繩
(
なは
)
を
綯
(
な
)
ふべき
夜
(
よる
)
の
務
(
つと
)
めを
捨
(
すて
)
て
公然
(
こうぜん
)
一
所
(
しよ
)
に
集合
(
しふがふ
)
する
機會
(
きくわい
)
を
見出
(
みいだ
)
すことを
求
(
もと
)
めて
居
(
ゐ
)
る。
集合
(
しふがふ
)
することが
直
(
たゞち
)
に
彼等
(
かれら
)
に
娯樂
(
ごらく
)
を
與
(
あた
)
へるからである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「まあ、大きな犬ですこと。こなひだから、
所
(
しよ
)
つ
中
(
ちゆう
)
あそこから出入りいたしますのでございますよ。」
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
新年
(
ねん
)
の
頭
(
あたま
)
を
拵
(
こし
)
らえやうといふ
氣
(
き
)
になつて、
宗助
(
そうすけ
)
は
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶり
)
に
髮結床
(
かみゆひどこ
)
の
敷居
(
しきゐ
)
を
跨
(
また
)
いだ。
暮
(
くれ
)
の
所爲
(
せゐ
)
か
客
(
きやく
)
が
大分
(
だいぶ
)
立
(
た
)
て
込
(
こ
)
んでゐるので、
鋏
(
はさみ
)
の
音
(
おと
)
が二三ヶ
所
(
しよ
)
で、
同時
(
どうじ
)
にちよき/\
鳴
(
な
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
現在
(
げんざい
)
に
於
(
おい
)
ては、九
州
(
しう
)
、四
國
(
こく
)
から、
陸前
(
りくぜん
)
、
陸奧
(
りくおく
)
、
出羽
(
でば
)
の
方
(
はう
)
まで
掛
(
か
)
けて三十五ヶ
國
(
こく
)
に
亘
(
わた
)
り
發見
(
はつけん
)
されて
居
(
ゐ
)
るので、
加之
(
しかも
)
横穴
(
よこあな
)
は一ヶ
所
(
しよ
)
に
群在
(
ぐんざい
)
する
例
(
れい
)
が
多
(
おほ
)
いのだから、
穴
(
あな
)
の
數
(
すう
)
を
算
(
さん
)
したら
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
寛政の末の武鑑に目見医師の部に載せて、「日比谷御門内今大路一
所
(
しよ
)
」と註してある。浅田
栗園
(
りつゑん
)
の皇朝医史には此人のために伝が立ててあるさうであるが、今其書が手元に無い。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
わたしは
是
(
これ
)
等の衣裳を眺めると、わたしの若い時、またモリエエルの若い時、
其
(
その
)
モリエエルの傑作を幾百
度
(
ど
)
と無くモリエエルと一
所
(
しよ
)
に舞台の上で演じた楽しい日が憶ひ出される。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
無實
(
むじつ
)
に殺させん事
不便
(
ふびん
)
なりとて我と
名乘
(
なのり
)
て
奉行所
(
ぶぎやうしよ
)
へ
出
(
いで
)
火付
(
ひつけ
)
十三ヶ
所
(
しよ
)
人殺
(
ひとごろし
)
七
人
(
にん
)
夜盜
數
(
かず
)
知
(
し
)
れず
其中
(
そのうち
)
麻布
(
あさぶ
)
原町
(
はらまち
)
質屋
(
しちや
)
へ
這入
(
はい
)
り
金子
(
きんす
)
八十
兩
(
りやう
)
代物
(
しろもの
)
二十五
品
(
しな
)
盜
(
ぬすみ
)
候
由
(
よし
)
白状
(
はくじやう
)
に及びしかば
大岡殿
(
おほをかどの
)
喜
(
き
)
八を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
唯
(
たゞ
)
に
醫者
(
いしや
)
として、
邊鄙
(
へんぴ
)
なる、
蒙昧
(
もうまい
)
なる
片田舍
(
かたゐなか
)
に一
生
(
しやう
)
、
壜
(
びん
)
や、
蛭
(
ひる
)
や、
芥子粉
(
からしこ
)
だのを
弄
(
いぢ
)
つてゐるより
外
(
ほか
)
に、
何
(
なん
)
の
爲
(
な
)
す
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
いのでせうか、
詐欺
(
さぎ
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
、
卑劣漢
(
ひれつかん
)
、と一
所
(
しよ
)
になつて、いやもう!
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
の
話
(
はな
)
す
處
(
ところ
)
によると、
此
(
この
)
日
(
ひ
)
から
丁度
(
ちやうど
)
八日
(
やうか
)
前
(
まへ
)
の
晩
(
ばん
)
(
即
(
すなは
)
ち
吾等
(
われら
)
が
犬
(
いぬ
)
の
使者
(
ししや
)
を
送
(
おく
)
つた
其日
(
そのひ
)
の
夜
(
よる
)
である。)
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
が
數
(
すう
)
ヶ
所
(
しよ
)
の
傷
(
きづ
)
を
負
(
お
)
ひ、
血
(
ち
)
に
染
(
し
)
みて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
たので、
初
(
はじ
)
めて
吾等
(
われら
)
の
大難
(
だいなん
)
が
分
(
わか
)
り
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
先年
名佐
(
なさ
)
技師
(
ぎし
)
が
地質調査
(
ちしつてうさ
)
の為め
探検
(
たんけん
)
して之より
帰
(
かへ
)
られし処とす、衆
露宿
(
ろしゆく
)
を此に
取
(
と
)
る、人夫十数人
拮据勉励
(
きつきよべんれい
)
、大石を
除
(
のぞ
)
きて磧中を
堀
(
ほ
)
り温泉塲二ヶ
所
(
しよ
)
を
作
(
つく
)
る、泉石幾年の
苔
(
こけ
)
を
帯
(
お
)
び
汚穢
(
をくわい
)
甚しきを以て
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
が
着任
(
ちやくにん
)
して
間
(
ま
)
もなく、
或
(
あ
)
るところで
變死人
(
へんしにん
)
があつた
時
(
とき
)
、
其
(
そ
)
の
土地
(
とち
)
の
關係
(
くわんけい
)
で、
但馬守
(
たじまのかみ
)
の
配下
(
はいか
)
の
與力
(
よりき
)
と、
近衞關白家
(
このゑくわんぱくけ
)
の
役人
(
やくにん
)
ともう一ヶ
所
(
しよ
)
何處
(
どこ
)
かの
代官
(
だいくわん
)
の
何
(
なに
)
かの
組下
(
くみした
)
と、かう三
人
(
にん
)
揃
(
そろ
)
はなければ
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ぐるりと
一廻
(
ひとまは
)
りして、
一
(
いつ
)
ヶ
所
(
しよ
)
、
巌
(
いはほ
)
を
抉
(
えぐ
)
つたやうな
扉
(
とびら
)
へ
真黒
(
まつくろ
)
に
成
(
な
)
つて
入
(
はい
)
つたと
思
(
おも
)
ふと、
一
(
ひと
)
つよぢれた
向
(
むか
)
ふ
状
(
ざま
)
なる
階子
(
はしご
)
の
中
(
なか
)
ほどを、
灰色
(
はいいろ
)
の
背
(
せ
)
を
畝
(
うね
)
つて
上
(
のぼ
)
る、
牛
(
うし
)
は
斑
(
まだら
)
で。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此一詩をもつても
無実
(
むじつ
)
の
流罪
(
るざい
)
に
所
(
しよ
)
して露ばかりも帝を
恨
(
うら
)
み玉はざりしを知るべし。
朝廷
(
てうてい
)
を
怨
(
うら
)
み給ひて
魔道
(
まだう
)
に入り、
雷公
(
かみなり
)
になり玉ひたりといふ
妄説
(
まうせつ
)
は次に
弁
(
べん
)
ずべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それでも
去
(
きよ
)
年一昨年あたりはまた
少
(
せう
)
々
興味
(
けうみ
)
が
戻
(
もど
)
つて來て、一
週間
(
しうかん
)
に一
度
(
ど
)
ぐらゐの
程度
(
ていど
)
で和田英作
畫伯
(
ぐわはく
)
や小宮豐隆先生と時々手
合
(
あは
)
せの出來る近
所
(
しよ
)
の
球突塲
(
たまつきば
)
へ通つてゐたが
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
何でも構はない
方
(
かた
)
だから、たゞ御飯を拵へて上げて、小さい人のお守をして上げればそれでいゝんだもの。——昼の内は坊ちやんをつれて
所
(
しよ
)
つ
中
(
ちゆう
)
こゝへ来てたつていゝしね。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
その折婦人
溜
(
たま
)
り
所
(
しよ
)
には、父親や財産のおかげで、結構な亭主を持つ事の出来た多くの婦人達が、
紙雛
(
かみひな
)
のやうにきちんと、そしてまた紙雛のやうに何一つ考へないで立つてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
イヤサ何も彼も己に
任
(
まか
)
せて一
所
(
しよ
)
に來い
細工
(
さいく
)
は
流々
(
りう/\
)
仕上
(
しあげ
)
を見やれサア/\早く支度してと云にお節も一
生懸命
(
しやうけんめい
)
村役人へ
預
(
あづけ
)
の身なれど跡は野となれ山坂を足に任せて走り行相良の城下を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
所
(
ところ
)
が、
丁度
(
ちやうど
)
私
(
わたし
)
も
此
(
こ
)
の
節
(
せつ
)
、
暇
(
ひま
)
を
貰
(
もら
)
つて、
異
(
かは
)
つた
空氣
(
くうき
)
を
吸
(
す
)
ひに
出掛
(
でか
)
けやうと
思
(
おも
)
つてゐる
矢先
(
やさき
)
、
如何
(
どう
)
でせう、一
所
(
しよ
)
に
付合
(
つきあ
)
つては
下
(
くだ
)
さらんか、
而
(
さう
)
して
舊事
(
ふるいこと
)
を
皆
(
みんな
)
忘
(
わす
)
れて
了
(
しま
)
ひませうぢや
有
(
あ
)
りませんか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
唯
(
た
)
だ
行
(
ゆ
)
き合ふ船がある場合に信号
所
(
しよ
)
の命ずる
儘
(
まゝ
)
に
何
(
いづ
)
れかが一方の岸へ繋留させられ
其
(
その
)
度に四五十分を費す。運の
好
(
い
)
い時には
他
(
た
)
の船ばかりを避けさせてずんずん通過する事が出来る
相
(
さう
)
である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
『うん、あの
話
(
はなし
)
か。あれは
幾度
(
いくど
)
聽
(
き
)
いても
面白
(
おもしろ
)
いな。』と、
言
(
い
)
ひかけた
但馬守
(
たじまのかみ
)
は、
不圖
(
ふと
)
玄竹
(
げんちく
)
の
剃
(
そ
)
り
立
(
たて
)
の
頭
(
あたま
)
に、
剃刀創
(
かみそりきず
)
が二ヶ
所
(
しよ
)
ばかりあるのを
發見
(
はつけん
)
して、『
玄竹
(
げんちく
)
、だいぶ
頭
(
あたま
)
をやられたな。どうした。』
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それは
錦
(
にしき
)
の
袋
(
ふくろ
)
に
這入
(
はい
)
つた一
尺
(
しやく
)
ばかりの
刀
(
かたな
)
であつた。
鞘
(
さや
)
は
何
(
なに
)
とも
知
(
し
)
れぬ
緑色
(
みどりいろ
)
の
雲母
(
きらゝ
)
の
樣
(
やう
)
なもので
出來
(
でき
)
てゐて、
其
(
その
)
所々
(
ところ/″\
)
が三ヶ
所
(
しよ
)
程
(
ほど
)
銀
(
ぎん
)
で
卷
(
ま
)
いてあつた。
中身
(
なかみ
)
は六
寸
(
すん
)
位
(
ぐらゐ
)
しかなかつた。
從
(
した
)
がつて
刄
(
は
)
も
薄
(
うす
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
併
(
しか
)
し
水
(
みづ
)
が
平靜
(
へいせい
)
の
度
(
ど
)
を
保
(
たも
)
つ
時
(
とき
)
油
(
あぶら
)
は
更
(
さら
)
に
怖
(
おそ
)
れたやうに一
所
(
しよ
)
に
凝集
(
ぎようしふ
)
する。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あなたも、一
所
(
しよ
)
に
行
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
すつて。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
和田英作
畫伯
(
ぐわはく
)
とは
一昨年
(
おとゝし
)
の
春頃
(
はるころ
)
近
所
(
しよ
)
の
球突塲
(
たまつきば
)
で
初
(
はじ
)
めて
御面識
(
ごめんしき
)
を
得
(
え
)
た。そして、一時はやつぱり近
所
(
しよ
)
に
住
(
す
)
んでをられた小宮先生を
交
(
まじ
)
へて、三
巴
(
ともゑ
)
の
合戰
(
がつせん
)
を
交
(
まじ
)
へたものだつた。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
娘
(
むすめ
)
の
情
(
なさけ
)
で
内
(
うち
)
と一
所
(
しよ
)
に
膳
(
ぜん
)
を
並
(
なら
)
べて
食事
(
しよくじ
)
をさせると、
沢庵
(
たくわん
)
の
切
(
きれ
)
をくわへて
隅
(
すみ
)
の
方
(
はう
)
へ
引込
(
ひきこ
)
むいぢらしさ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「へ、ゝ。」といふだけで、あとは
所
(
しよ
)
つ
中
(
ちう
)
默
(
だま
)
り込んでばかりゐる。どんな女だかまだ見もしないが、どうせこのあたりの汚い
家
(
うち
)
の子で、行儀も何も知らない、
下司
(
げす
)
な子らしかつた。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
創
(
きず
)
は
大小
(
だいせう
)
三ヶ
所
(
しよ
)
だ。‥‥
大名
(
だいみやう
)
といふものは、
子供
(
こども
)
のやうなものだなう。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
病院
(
びやうゐん
)
の
小使
(
こづかひ
)
、
看護婦
(
かんごふ
)
、
其
(
そ
)
の
子供等抔
(
こどもらなど
)
は
皆
(
みな
)
患者
(
くわんじや
)
の
病室
(
びやうしつ
)
に一
所
(
しよ
)
に
起臥
(
きぐわ
)
して、
外科室
(
げくわしつ
)
には
丹毒
(
たんどく
)
が
絶
(
た
)
えたことは
無
(
な
)
い。
患者等
(
くわんじやら
)
は
油蟲
(
あぶらむし
)
、
南京蟲
(
なんきんむし
)
、
鼠
(
ねずみ
)
の
族
(
やから
)
に
責
(
せ
)
め
立
(
た
)
てられて、
住
(
す
)
んでゐることも
出來
(
でき
)
ぬと
苦情
(
くじやう
)
を
云
(
い
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
出
(
いで
)
しや又當人は親類中より參りし者かと申さるゝに五郎藏
否
(
いや
)
親類から參つたのでは御ざりませんが一
所
(
しよ
)
に
寢
(
ね
)
るのが
嫌
(
きら
)
ひで
御出
(
おいで
)
やりました
貰
(
もら
)
つたから親類で有りましたが出て行けば他人でござりますどうぞ御奉行樣私しの
内儀
(
おかみさん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
丁度
(
ちやうど
)
私
(
わし
)
が
修行
(
しゆぎやう
)
に
出
(
で
)
るのを
止
(
よ
)
して
孤家
(
ひとつや
)
に
引返
(
ひきかへ
)
して、
婦人
(
をんな
)
と一
所
(
しよ
)
に
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
らうと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
た
処
(
ところ
)
で。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
朧
氣
(
け
)
な
記憶
(
きおく
)
を
辿
(
たど
)
れば、久保田さんのは
私
(
わたし
)
も二三
度
(
ど
)
一緒に行つた事のある、
淺
(
あさ
)
草の十二
階
(
かい
)
近
所
(
しよ
)
の球
突塲
(
つきば
)
を
背景
(
はいけい
)
にしたもので、そこに久保田さん
獨特
(
どくとく
)
の
義理
(
ぎり
)
人
情
(
ぜう
)
の
世界
(
せかい
)
を扱つてあつたやうに
思
(
おも
)
ふ。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「そんな事は
所
(
しよ
)
つ
中
(
ちゆう
)
だ。」
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
其
(
そ
)
の
病気
(
びやうき
)
のために、
衣絵
(
きぬゑ
)
さんが、
若手
(
わかて
)
、
売出
(
うりだ
)
しの
洋画家
(
やうぐわか
)
であつた、
婿君
(
むこぎみ
)
と一
所
(
しよ
)
に、
鎌倉
(
かまくら
)
へ
出養生
(
でやうじゆう
)
をして
居
(
ゐ
)
たのは……あとで
思
(
おも
)
へば、それも
寂
(
さび
)
しい……
行
(
ゆ
)
く
春
(
はる
)
の
頃
(
ころ
)
から
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
糸崎行
(
いとざきゆき
)
——お
恥
(
はづ
)
かしいが、
私
(
わたし
)
に
其
(
そ
)
の
方角
(
はうがく
)
が
分
(
わか
)
らない。
棚
(
たな
)
の
埃
(
ほこり
)
を
拂
(
はら
)
ひながら、
地名辭典
(
ちめいじてん
)
の
索引
(
さくいん
)
を
繰
(
く
)
ると、
糸崎
(
いとざき
)
と
言
(
い
)
ふのが
越前國
(
ゑちぜんのくに
)
と
備前國
(
びぜんのくに
)
とに
二
(
に
)
ヶ
所
(
しよ
)
ある。
私
(
わたし
)
は
東西
(
とうざい
)
、いや
西北
(
せいほく
)
に
迷
(
まよ
)
つた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
銀座
(
ぎんざ
)
、
日本橋
(
にほんばし
)
をはじめ、
深川
(
ふかがは
)
、
本所
(
ほんじよ
)
、
淺草
(
あさくさ
)
などの、
一時
(
いちじ
)
に
八
(
はつ
)
ヶ
所
(
しよ
)
、
九
(
きう
)
ヶ
所
(
しよ
)
、
十幾
(
じふいく
)
ヶ
所
(
しよ
)
から
火
(
ひ
)
の
手
(
て
)
の
上
(
あが
)
つたのに
較
(
くら
)
べれば、
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
は
扨
(
さ
)
て
何
(
なん
)
でもないもののやうである、が、それは
後
(
のち
)
に
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
で
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
次手
(
ついで
)
に、
御挨拶
(
ごあいさつ
)
を
申
(
まを
)
したい。
此
(
こ
)
の三
本木
(
ぼんぎ
)
の
有志
(
いうし
)
の
方々
(
かた/″\
)
から、こゝで一
泊
(
ぱく
)
して
晩餐
(
ばん
)
と一
所
(
しよ
)
に、一
席
(
せき
)
の
講話
(
かうわ
)
を、とあつたのを、
平
(
ひら
)
におわびをしたのは、……かるがゆゑに
袴
(
はかま
)
がなかつた
為
(
ため
)
ではない。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
松
(
まつ
)
杉
(
すぎ
)
、
田芹
(
たぜり
)
、すつと
伸
(
の
)
びた
酸模草
(
すかんぽ
)
の
穂
(
ほ
)
の、そよとも
動
(
うご
)
かないのに、
溝川
(
みぞがは
)
を
蔽
(
おほ
)
ふ、たんぽゝの
花
(
はな
)
、
豆
(
まめ
)
のつるの、
忽
(
たちま
)
ち一
所
(
しよ
)
に、さら/\と
動
(
うご
)
くのは、
鮒
(
ふな
)
、
鰌
(
どぜう
)
には
揺過
(
ゆれす
)
ぎる、——
昼
(
ひる
)
の
水鶏
(
くひな
)
が
通
(
とほ
)
るのであらう。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“所”の解説
所(ところ)とは、特定の場所を指して称する呼び方。
(出典:Wikipedia)
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“所”を含む語句
所為
何所
所有
所以
便所
所謂
此所
所業
所々
所爲
場所
所詮
他所
所作
御所
所天
所縁
一所
近所
台所
...