しよ)” の例文
末男すゑを子供こどもきながら、まちと一しよ銀座ぎんざあかるい飾窓かざりまどまへつて、ほしえる蒼空あをそらに、すきとほるやうにえるやなぎつめた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
わしいまはなし序開じよびらきをした飛騨ひだ山越やまごえつたときの、ふもと茶屋ちやゝで一しよになつた富山とやま売薬ばいやくといふやつあ、けたいのわるい、ねぢ/\したいや壮佼わかいもので。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは裝置そうちが新しく便利べんりだといふ以ぐわいには、しよ持のプレモと大してかはりもないものだつたが、大正十一年の支那しなりよ行の時には、それをかたにして行つた。
今のしよで女の組の組長してゐる藤堂君枝ちやんです……こんだけが代表でお見舞ひに来ることに決つたんですの。
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
女中がいそいそ持ち出して来た膳部を見ると鯛の塩焼だの、すゞきの洗ひだのがごたごた一しよに並べてあつた。
此一詩をもつても無実むじつ流罪るざいしよして露ばかりも帝をうらみ玉はざりしを知るべし。朝廷てうていうらみ給ひて魔道まだうに入り、雷公かみなりになり玉ひたりといふ妄説まうせつは次にべんずべし。
たゞ彼等かれらすべてはわらつてなはふべきよるつとめをすて公然こうぜんしよ集合しふがふする機會きくわい見出みいだすことをもとめてる。集合しふがふすることがたゞち彼等かれら娯樂ごらくあたへるからである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「まあ、大きな犬ですこと。こなひだから、しよちゆうあそこから出入りいたしますのでございますよ。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
新年ねんあたまこしらえやうといふになつて、宗助そうすけひさぶり髮結床かみゆひどこ敷居しきゐまたいだ。くれ所爲せゐきやく大分だいぶんでゐるので、はさみおとが二三ヶしよで、同時どうじにちよき/\つた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
現在げんざいおいては、九しう、四こくから、陸前りくぜん陸奧りくおく出羽でばはうまでけて三十五ヶこくわた發見はつけんされてるので、加之しかも横穴よこあなは一ヶしよ群在ぐんざいするれいおほいのだから、あなすうさんしたら
寛政の末の武鑑に目見医師の部に載せて、「日比谷御門内今大路一しよ」と註してある。浅田栗園りつゑんの皇朝医史には此人のために伝が立ててあるさうであるが、今其書が手元に無い。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたしはこれ等の衣裳を眺めると、わたしの若い時、またモリエエルの若い時、そのモリエエルの傑作を幾百と無くモリエエルと一しよに舞台の上で演じた楽しい日が憶ひ出される。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
無實むじつに殺させん事不便ふびんなりとて我と名乘なのり奉行所ぶぎやうしよいで火付ひつけ十三ヶしよ人殺ひとごろしにん夜盜かずれず其中そのうち麻布あさぶ原町はらまち質屋しちや這入はい金子きんす八十りやう代物しろもの二十五しなぬすみよし白状はくじやうに及びしかば大岡殿おほをかどの八を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たゞ醫者いしやとして、邊鄙へんぴなる、蒙昧もうまいなる片田舍かたゐなかに一しやうびんや、ひるや、芥子粉からしこだのをいぢつてゐるよりほかに、なんこといのでせうか、詐欺さぎ愚鈍ぐどん卑劣漢ひれつかん、と一しよになつて、いやもう!
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
櫻木大佐さくらぎたいさはなところによると、このから丁度ちやうど八日やうかまへばんすなは吾等われらいぬ使者ししやおくつた其日そのひよるである。)猛犬稻妻まうけんいなづますうしよきづひ、みてかへつてたので、はじめて吾等われら大難だいなんわか
先年名佐なさ技師ぎし地質調査ちしつてうさの為め探検たんけんして之よりかへられし処とす、衆露宿ろしゆくを此にる、人夫十数人拮据勉励きつきよべんれい、大石をのぞきて磧中をり温泉塲二ヶしよつくる、泉石幾年のこけ汚穢をくわい甚しきを以て
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
但馬守たじまのかみ着任ちやくにんしてもなく、るところで變死人へんしにんがあつたとき土地とち關係くわんけいで、但馬守たじまのかみ配下はいか與力よりきと、近衞關白家このゑくわんぱくけ役人やくにんともう一ヶしよ何處どこかの代官だいくわんなにかの組下くみしたと、かう三にんそろはなければ
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ぐるりと一廻ひとまはりして、いつしよいはほえぐつたやうなとびら真黒まつくろつてはいつたとおもふと、ひとつよぢれたむかざまなる階子はしごなかほどを、灰色はいいろうねつてのぼる、うしまだらで。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此一詩をもつても無実むじつ流罪るざいしよして露ばかりも帝をうらみ玉はざりしを知るべし。朝廷てうていうらみ給ひて魔道まだうに入り、雷公かみなりになり玉ひたりといふ妄説まうせつは次にべんずべし。
それでもきよ年一昨年あたりはまたせう興味けうみもどつて來て、一週間しうかんに一ぐらゐの程度ていどで和田英作畫伯ぐわはくや小宮豐隆先生と時々手あはせの出來る近しよ球突塲たまつきばへ通つてゐたが
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
何でも構はないかただから、たゞ御飯を拵へて上げて、小さい人のお守をして上げればそれでいゝんだもの。——昼の内は坊ちやんをつれてしよちゆうこゝへ来てたつていゝしね。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
その折婦人たましよには、父親や財産のおかげで、結構な亭主を持つ事の出来た多くの婦人達が、紙雛かみひなのやうにきちんと、そしてまた紙雛のやうに何一つ考へないで立つてゐた。
イヤサ何も彼も己にまかせて一しよに來い細工さいく流々りう/\仕上しあげを見やれサア/\早く支度してと云にお節も一生懸命しやうけんめい村役人へあづけの身なれど跡は野となれ山坂を足に任せて走り行相良の城下を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ところが、丁度ちやうどわたしせつひまもらつて、かはつた空氣くうきひに出掛でかけやうとおもつてゐる矢先やさき如何どうでせう、一しよ付合つきあつてはくださらんか、さうして舊事ふるいことみんなわすれてしまひませうぢやりませんか。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
き合ふ船がある場合に信号しよの命ずるまゝいづれかが一方の岸へ繋留させられその度に四五十分を費す。運のい時にはの船ばかりを避けさせてずんずん通過する事が出来るさうである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
『うん、あのはなしか。あれは幾度いくどいても面白おもしろいな。』と、ひかけた但馬守たじまのかみは、不圖ふと玄竹げんちくたてあたまに、剃刀創かみそりきずが二ヶしよばかりあるのを發見はつけんして、『玄竹げんちく、だいぶあたまをやられたな。どうした。』
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
それはにしきふくろ這入はいつた一しやくばかりのかたなであつた。さやなにともれぬ緑色みどりいろ雲母きらゝやうなもので出來できてゐて、その所々ところ/″\が三ヶしよほどぎんいてあつた。中身なかみは六すんぐらゐしかなかつた。したがつてうすかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかみづ平靜へいせいたもときあぶらさらおそれたやうに一しよ凝集ぎようしふする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あなたも、一しよつてくだすつて。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
和田英作畫伯ぐわはくとは一昨年おとゝし春頃はるころしよ球突塲たまつきばはじめて御面識ごめんしきた。そして、一時はやつぱり近しよんでをられた小宮先生をまじへて、三ともゑ合戰がつせんまじへたものだつた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
むすめなさけうちと一しよぜんならべて食事しよくじをさせると、沢庵たくわんきれをくわへてすみはう引込ひきこむいぢらしさ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「へ、ゝ。」といふだけで、あとはしよちうだまり込んでばかりゐる。どんな女だかまだ見もしないが、どうせこのあたりの汚いうちの子で、行儀も何も知らない、下司げすな子らしかつた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
きず大小だいせう三ヶしよだ。‥‥大名だいみやうといふものは、子供こどものやうなものだなう。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
病院びやうゐん小使こづかひ看護婦かんごふ子供等抔こどもらなどみな患者くわんじや病室びやうしつに一しよ起臥きぐわして、外科室げくわしつには丹毒たんどくえたことはい。患者等くわんじやら油蟲あぶらむし南京蟲なんきんむしねずみやからてられて、んでゐることも出來できぬと苦情くじやうふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いでしや又當人は親類中より參りし者かと申さるゝに五郎藏いや親類から參つたのでは御ざりませんが一しよるのがきらひで御出おいでやりましたもらつたから親類で有りましたが出て行けば他人でござりますどうぞ御奉行樣私しの内儀おかみさん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
丁度ちやうどわし修行しゆぎやうるのをして孤家ひとつや引返ひきかへして、婦人をんなと一しよ生涯しやうがいおくらうとおもつてところで。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
記憶きおく辿たどれば、久保田さんのはわたしも二三一緒に行つた事のある、あさ草の十二かいしよの球突塲つきば背景はいけいにしたもので、そこに久保田さん獨特どくとく義理ぎりぜう世界せかいを扱つてあつたやうにおもふ。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「そんな事はしよちゆうだ。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
病気びやうきのために、衣絵きぬゑさんが、若手わかて売出うりだしの洋画家やうぐわかであつた、婿君むこぎみと一しよに、鎌倉かまくら出養生でやうじゆうをしてたのは……あとでおもへば、それもさびしい……はるころからつてた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
糸崎行いとざきゆき——おはづかしいが、わたし方角はうがくわからない。たなほこりはらひながら、地名辭典ちめいじてん索引さくいんると、糸崎いとざきふのが越前國ゑちぜんのくに備前國びぜんのくにとにしよある。わたし東西とうざい、いや西北せいほくまよつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
銀座ぎんざ日本橋にほんばしをはじめ、深川ふかがは本所ほんじよ淺草あさくさなどの、一時いちじはつしよきうしよ十幾じふいくしよからあがつたのにくらべれば、やまなんでもないもののやうである、が、それはのちこと
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
次手ついでに、御挨拶ごあいさつまをしたい。の三本木ぼんぎ有志いうし方々かた/″\から、こゝで一ぱくして晩餐ばんと一しよに、一せき講話かうわを、とあつたのを、ひらにおわびをしたのは、……かるがゆゑにはかまがなかつたためではない。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まつすぎ田芹たぜり、すつとびた酸模草すかんぽの、そよともうごかないのに、溝川みぞがはおほふ、たんぽゝのはなまめのつるの、たちまち一しよに、さら/\とうごくのは、ふなどぜうには揺過ゆれすぎる、——ひる水鶏くひなとほるのであらう。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)