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所
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ところ
ふりがな文庫
“
所
(
ところ
)” の例文
手
(
て
)
を
見
(
み
)
ると
竦
(
ぞつ
)
とする。
鱗
(
こけ
)
のある
鉛色
(
なまりいろ
)
の
生物
(
いきもの
)
のやうに、
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
にそれが
動
(
うご
)
いてゐる。
噫
(
あゝ
)
、
切
(
き
)
つて
了
(
しま
)
ひたい。
此手
(
このて
)
の
触
(
さは
)
つた
所
(
ところ
)
も
忌
(
いま
)
はしい。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
居室
(
へや
)
に
歸
(
かへ
)
つて
見
(
み
)
ると、ちやんと
整頓
(
かたづい
)
て
居
(
ゐ
)
る。
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
は
書物
(
しよもつ
)
やら
反古
(
ほご
)
やら
亂雜
(
らんざつ
)
極
(
きは
)
まつて
居
(
ゐ
)
たのが、
物
(
もの
)
各々
(
おの/\
)
所
(
ところ
)
を
得
(
え
)
て
靜
(
しづ
)
かに
僕
(
ぼく
)
を
待
(
まつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
しかし、
所
(
ところ
)
を得れば、洗いは今でもやる。この鮎の洗いからヒントを得て、私はその後、いわなを洗いにして食うことを思いついた。
鮎の食い方
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
が、もしこれが
他
(
た
)
の
所
(
ところ
)
においてはどうであろうか、
公衆
(
こうしゅう
)
と、
新聞紙
(
しんぶんし
)
とは
必
(
かなら
)
ずかくの
如
(
ごと
)
き
監獄
(
バステリヤ
)
は、とうに
寸断
(
すんだん
)
にしてしまったであろう。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「おや、
此所
(
こゝ
)
に
入
(
い
)
らつしやるの」と云つたが、「
一寸
(
ちよいと
)
其所
(
そこい
)
らに
私
(
わたくし
)
の
櫛
(
くし
)
が落ちて
居
(
ゐ
)
なくつて」と聞いた。
櫛
(
くし
)
は
長椅子
(
ソーフア
)
の
足
(
あし
)
の
所
(
ところ
)
にあつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
『
時間
(
じかん
)
がなかつたんだもの』と
云
(
い
)
つてグリフォンは、『でも、
私
(
わたし
)
は
古典學
(
こてんがく
)
の
先生
(
せんせい
)
の
所
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
きました。
先生
(
せんせい
)
は
年老
(
としと
)
つた
蟹
(
かに
)
でした、
全
(
まつた
)
く』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ぞ
刎
(
はね
)
たりけり
斯
(
かゝ
)
りし程に
所
(
ところ
)
の
村役人
(
むらやくにん
)
等は二ヶ所にての
騷動
(
さうどう
)
を聞傳て追々に馳集り先友次郎等を
取圍
(
とりかこ
)
み事の樣子を聞けるに友次郎は
容
(
かたち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
活玉依姫
(
いくたまよりひめ
)
の
所
(
ところ
)
へ、ふとしたことから、
毎晩
(
まいばん
)
のように、
大
(
たい
)
そう
気高
(
けだか
)
いりっぱな
若者
(
わかもの
)
が、いつどこから
来
(
く
)
るともなくたずねて
来
(
き
)
ました。
三輪の麻糸
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
するとだんだん
気
(
き
)
がふさいで、
病気
(
びょうき
)
になりました。それから八
月
(
つき
)
経
(
た
)
った
時
(
とき
)
に、
女
(
おんな
)
は
夫
(
おっと
)
の
所
(
ところ
)
へ
行
(
い
)
って、
泣
(
な
)
きながら、こう
言
(
い
)
いました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「
重
(
おも
)
いのでしょう。
私
(
わたし
)
、あんたといっしょにお
家
(
うち
)
へいってあげるわ。そして、ご
主人
(
しゅじん
)
によく
話
(
はな
)
してあげますから、お
所
(
ところ
)
をおっしゃい。」
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
(五二)
寛
(
くわん
)
なれば
則
(
すなは
)
ち
名譽
(
めいよ
)
の
人
(
ひと
)
を
寵
(
ちよう
)
し、
急
(
きふ
)
なれば
則
(
すなは
)
ち
介冑
(
かいちう
)
の
士
(
し
)
を
用
(
もち
)
ふ。
今
(
いま
)
は
養
(
やしな
)
ふ
所
(
ところ
)
は
用
(
もち
)
ふる
所
(
ところ
)
に
非
(
あら
)
ず、
用
(
もち
)
ふる
所
(
ところ
)
は
養
(
やしな
)
ふ
所
(
ところ
)
に
非
(
あら
)
ずと。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
螢
(
ほたる
)
、
淺野川
(
あさのがは
)
の
上流
(
じやうりう
)
を、
小立野
(
こだつの
)
に
上
(
のぼ
)
る、
鶴間谷
(
つるまだに
)
と
言
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
、
今
(
いま
)
は
知
(
し
)
らず、
凄
(
すご
)
いほど
多
(
おほ
)
く、
暗夜
(
あんや
)
には
螢
(
ほたる
)
の
中
(
なか
)
に
人
(
ひと
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
るばかりなりき。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
貝塚の中よりは用に堪えざる土噐の破片出で、又折れ碎けたる石噐出づ。
獸類
(
じうるい
)
の
遺骨
(
いこつ
)
四肢
(
しし
)
所
(
ところ
)
を
異
(
こと
)
にし二枚貝は百中の九十九迄
離
(
はな
)
れたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
角「
私
(
わし
)
らも馬喰町から焼出され、小網町から高橋の方へ逃𢌞って泊る
所
(
ところ
)
もないが、何しろ此処は往来だから、マア一緒にお出でなせえ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから
寝
(
ね
)
る
所
(
ところ
)
とな——ほかにもいろいろやってもらいたいことはあるが、とりあえずそれだけを、おまえの力でぜひなんとかしてくれ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
何
(
なに
)
、
馬
(
うま
)
はゐなかつたか? あそこは一
體
(
たい
)
馬
(
うま
)
なぞには、はひれない
所
(
ところ
)
でございます。
何
(
なに
)
しろ
馬
(
うま
)
の
通
(
かよ
)
ふ
路
(
みち
)
とは、
藪
(
やぶ
)
一
(
ひと
)
つ
隔
(
へだ
)
たつて
居
(
を
)
りますから。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ジョバンニはすぐ入口から三番目の高い
卓子
(
テーブル
)
にすわった人の
所
(
ところ
)
へ行っておじぎをしました。その人はしばらく
棚
(
たな
)
をさがしてから
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
やがてはフランスの
中部
(
ちゆうぶ
)
ドルドーンヌのフオン・ド・ゴームといふ
所
(
ところ
)
の
洞穴
(
ほらあな
)
などにまた、
同
(
おな
)
じような
繪
(
え
)
のあることが
發見
(
はつけん
)
せられたのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
下品
(
げひん
)
の縮の事は
姑舎
(
しばらくおい
)
て
論
(
ろん
)
ぜず。
中品
(
ちゆうひん
)
以上に用ふるを
績
(
うむ
)
にはうむ
所
(
ところ
)
の
座
(
ざ
)
をさだめおき、
体
(
たい
)
を正しくなし
呼吸
(
こきふ
)
につれて
手
(
て
)
を
動
(
はたらか
)
せて
為作
(
わざ
)
をなす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こちらの
世界
(
せかい
)
には
竜宮界
(
りゅうぐうかい
)
のようなきれいな
所
(
ところ
)
がありまして、
三浦半島
(
みうらはんとう
)
の
景色
(
けしき
)
がいかに
良
(
よ
)
いと
申
(
もう
)
しても、とてもくらべものにはなりませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
先
(
ま
)
づ
検疫船
(
けんえきせん
)
が
来
(
き
)
て
検疫医
(
けんえきい
)
が
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
む。一
等
(
とう
)
船客
(
せんかく
)
一
同
(
どう
)
大食堂
(
だいしよくだう
)
に
呼
(
よ
)
び
集
(
あつ
)
められて、
事務長
(
じむちやう
)
が
変
(
へん
)
な
所
(
ところ
)
にアクセントをつけて
船客
(
せんかく
)
の
名
(
な
)
を
読
(
よ
)
み
上
(
あ
)
げる。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
赤い
襷
(
たすき
)
を十文字に掛けて、
上
(
あが
)
り
口
(
くち
)
の板縁に
雑巾
(
ぞうきん
)
を掛けている十五六の女中が雑巾の手を留めて、「どなたの
所
(
ところ
)
へいらっしゃるの」と問うた。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ゆゑにその
屍
(
しかばね
)
をいるゝ
所
(
ところ
)
の
棺槨
(
くわんくわく
)
には
恒久的材料
(
こうきうてきざいれう
)
なる
石材
(
せきざい
)
を
用
(
もち
)
ひた。もつとも
棺槨
(
くわんくわく
)
も
最初
(
さいしよ
)
は
木材
(
もくざい
)
で
作
(
つく
)
つたが、
發達
(
はつたつ
)
して
石材
(
せきざい
)
となつたのである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
「もう
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
です」と
猿
(
さる
)
はいいました。「人形は
盗賊
(
とうぞく
)
どもの
所
(
ところ
)
にあるに
違
(
ちが
)
いありません。私が行って取りもどしてきましょう」
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
部屋の一
処
(
ところ
)
に人間がいる。尾張中納言宗春である。じっと一
所
(
ところ
)
を見詰めている。その膝の辺に巻物があり、
硯箱
(
すずりばこ
)
が置いてある。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
所
(
ところ
)
で旅行中の費用は
都
(
すべ
)
て官費であるから、政府から
請取
(
うけとっ
)
た金は皆手元に残る
故
(
ゆえ
)
、その金を
以
(
もっ
)
て今度こそは有らん限りの原書を
買
(
かっ
)
て来ました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
所
(
ところ
)
で西洋の文学上で近代的な女というのはどんなだい。それ何とかいう
西班牙
(
スペイン
)
の無政府主義者の女ね。あれなんかどうだい。
新時代女性問答
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
其故
(
それゆゑ
)
私
(
わたくし
)
の
塾
(
じゆく
)
ではこの
規則
(
きそく
)
の
精神
(
せいしん
)
、
規則
(
きそく
)
の
根本
(
こんぽん
)
へ
立
(
た
)
ち
歸
(
かへ
)
つて、
各個人
(
かくこじん
)
の
都合
(
つがふ
)
といふ
所
(
ところ
)
を十
分
(
ぶん
)
に
了解
(
れうかい
)
せしむるといふ
方針
(
はうしん
)
を
取
(
とつ
)
て
居
(
ゐ
)
るのであります。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
『
俺
(
おれ
)
も、あの
市來知
(
いちぎしり
)
にある、
野菊
(
のぎく
)
の
咲
(
さ
)
いてる
母親
(
マザー
)
の
墓
(
はか
)
にだけは
行
(
ゆ
)
きたいと
思
(
おも
)
つてゐる。
本當
(
ほんたう
)
に
市來知
(
いちぎしり
)
はいゝ
所
(
ところ
)
だからなあ。』
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
ハワイの
火山
(
かざん
)
のように
海底
(
かいてい
)
から
盛
(
も
)
り
上
(
あが
)
つて
出來
(
でき
)
たものは、
鎔融状態
(
ようゆうじようたい
)
に
於
(
おい
)
て
比較的
(
ひかくてき
)
に
流動
(
りゆうどう
)
し
易
(
やす
)
い
性質
(
せいしつ
)
を
持
(
も
)
つてゐることは、
前
(
まへ
)
にも
述
(
の
)
べた
所
(
ところ
)
であるが
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
どれほど思っているか、それは今さらいうまでもない。松のよい
所
(
ところ
)
、水のよい所、そちの好きな所へ寮を建ててやろう、どんな
栄華
(
えいが
)
もさせてやろう
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何処
(
どこ
)
を
何
(
なに
)
して歩いたものか、それともじっと
一
(
ひ
)
と
所
(
ところ
)
に
立止
(
たちどま
)
っていたものか、道にしたら
僅
(
わず
)
かに三四
町
(
ちょう
)
のところだが、そこを
徘徊
(
はいかい
)
していたものらしい。
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
B
所
(
ところ
)
が、
此
(
こ
)
のごろチラと
聞
(
き
)
いた
話
(
はなし
)
だが、
右
(
みぎ
)
のハガキ
運動
(
うんどう
)
を
選擧權擴張
(
せんきよけんくわくちやう
)
の
要求
(
えうきう
)
に
應用
(
おうよう
)
しかけてゐる
者
(
もの
)
があるさうだ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
兎角
(
とかく
)
する
程
(
ほど
)
に
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
はます/\
接近
(
せつきん
)
し
來
(
きた
)
つて、
白
(
しろ
)
、
紅
(
あか
)
、
緑
(
みどり
)
の
燈光
(
とうくわう
)
は
闇夜
(
やみ
)
に
閃
(
きら
)
めく
魔神
(
まじん
)
の
巨眼
(
まなこ
)
のごとく、
本船
(
ほんせん
)
の
左舷
(
さげん
)
後方
(
こうほう
)
約
(
やく
)
四五百
米突
(
メートル
)
の
所
(
ところ
)
に
輝
(
かゞや
)
いて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
勘弁
(
かんべん
)
はいいが、——
丁度
(
ちょうど
)
いい
所
(
ところ
)
でおめえに
遭
(
あ
)
った。ちっとばかり
訊
(
き
)
きてえことがあるから、つきあってくんねえ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
この
篇
(
へん
)
『
飾馬考
(
かざりうまかんがへ
)
』『
驊騮全書
(
くわりうぜんしよ
)
』『
武器考證
(
ぶきかうしよう
)
』『
馬術全書
(
ばじゆつぜんしよ
)
』『
鞍鐙之辯
(
くらあぶみのべん
)
』『
春日神馬繪圖及解
(
かすがしんばゑづおよびげ
)
』『
太平記
(
たいへいき
)
』
及
(
およ
)
び
巣林子
(
さうりんし
)
の
諸作
(
しよさく
)
に
憑
(
よ
)
る
所
(
ところ
)
多
(
おほ
)
し
敢
(
あへ
)
て
出所
(
しゆつしよ
)
を
明
(
あきらか
)
にす
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
流轉
(
るてん
)
の
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れ
合
(
あ
)
はせては、
姫
(
ひめ
)
と
呼
(
よ
)
ばれしことも
無
(
な
)
けれど、
面影
(
おもかげ
)
みゆる
長襦袢
(
ながじゆばん
)
の
縫
(
ぬひ
)
もよう、
母
(
はゝ
)
が
形見
(
かたみ
)
か
地赤
(
ぢあか
)
の
色
(
いろ
)
の、
褪色
(
あせ
)
て
殘
(
のこ
)
るも
哀
(
あはれ
)
いたまし、
住
(
す
)
む
所
(
ところ
)
は
何方
(
いづく
)
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
月
(
つき
)
の
照
(
て
)
つてゐる
所
(
ところ
)
に
咲
(
さ
)
いてゐる、
町
(
まち
)
のとほりに
植
(
う
)
ゑてある
木
(
き
)
に、
當
(
あた
)
るところの
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
の
高
(
たか
)
さに、なるほどひどい
風
(
かぜ
)
だと
思
(
おも
)
つて
空
(
そら
)
を
見
(
み
)
ると、
吹
(
ふ
)
き
上
(
あ
)
げられた
塵
(
ちり
)
も
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
あの橋の
所
(
ところ
)
から阪急の線まで出る路がまたえらい淋しいて、片ッぽ側が大きな松のたあんと
生
(
は
)
えてる土手ですよって、あんな
所
(
とこ
)
女三人で歩けるはずあれしません。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
所
(
ところ
)
が
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
にア
身躰
(
からだ
)
が
惡
(
わる
)
く、
肺病
(
はいびよう
)
と
來
(
き
)
てゐるから
僕
(
ぼく
)
も
殆
(
ほと
)
んど
當惑
(
とうわく
)
する
僕
(
ぼく
)
だつて
心配
(
しんぱい
)
でならんから
其
(
その
)
心配
(
しんぱい
)
を
忘
(
わす
)
れやうと
思
(
おも
)
つて、つい
飮
(
の
)
む、
飮
(
の
)
めば
飮
(
の
)
むほど
心配
(
しんぱい
)
する。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
其結果
(
そのけつくわ
)
我國
(
わがくに
)
の
金利
(
きんり
)
が
高
(
たか
)
くなり、
株劵
(
かぶけん
)
が
下
(
さが
)
り、
公債
(
こうさい
)
も
社債
(
しやさい
)
も
下
(
さが
)
つて、
我國
(
わがくに
)
の
經濟界
(
けいざいかい
)
に
非常
(
ひじやう
)
な
打撃
(
だげき
)
を
與
(
あた
)
へるであらうと
云
(
い
)
ふことが、
世人
(
せじん
)
一
般
(
ぱん
)
の
心配
(
しんぱい
)
になつた
所
(
ところ
)
であるが
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
これを返したまわらんという時、振り返りたる女の顔を見れば、二三年前に身まかりたる我が主人の娘なり。斧は返すべければ我がこの
所
(
ところ
)
にあることを人にいうな。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
さゝ、
速
(
はや
)
う
去
(
い
)
なしゃれ。
生存
(
いきながら
)
へて、
後日
(
ごじつ
)
、
自分
(
じぶん
)
は、
狂人
(
きちがひ
)
の
仁情
(
なさけ
)
で、
危
(
あやふ
)
い
所
(
ところ
)
を
助
(
たす
)
かったとお
言
(
い
)
ひなされ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何
(
なん
)
のためだと
思
(
おも
)
ふと、
氣
(
き
)
を
靜
(
しづ
)
める
妙法
(
めうはふ
)
で——
露骨
(
ろこつ
)
に、これを
説明
(
せつめい
)
すると、やきもち
靜
(
しづ
)
め——その
澁
(
しぶ
)
さ、
床
(
ゆか
)
しさ、
到底
(
たうてい
)
女人
藝術
(
げいじゆつ
)
同人
(
どうじん
)
などの、
考
(
かんが
)
へつく
所
(
ところ
)
のものではない。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
「
然
(
しか
)
し、お
互
(
たがひ
)
に
日干
(
ひぼ
)
しにもならない
所
(
ところ
)
を
見
(
み
)
ると、たしかにどうにかなつて
行
(
ゆ
)
きつつあるぢやないか」
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
利根山奥の
低
(
ひく
)
き
所
(
ところ
)
は山毛欅帯に
属
(
ぞく
)
し、
高
(
たか
)
きは白檜帯に属す、最高なる所は偃松帯に
属
(
ぞく
)
すれども甚だ
狭
(
せま
)
しとす、之を以て山奥の入口は山の頂上に深緑色の五葉松
繁茂
(
はんも
)
し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
俺
(
お
)
らえゝ
所
(
ところ
)
なもんぢやねえ、やつとのことで
逃
(
に
)
げるやうにして
來
(
き
)
たんだ、あんな
所
(
ところ
)
へなんざあ
決
(
けつ
)
して
行
(
い
)
くもんぢやねえ、とつても
駄目
(
だめ
)
なこつた、
俺
(
おら
)
も
懲
(
こ
)
りつちやつたよ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
父
(
とう
)
さんが
遊
(
あそ
)
び
廻
(
まは
)
つた
谷間
(
たにま
)
と、
谷間
(
たにま
)
の
向
(
むか
)
ふの
林
(
はやし
)
も、その
邊
(
へん
)
からよく
見
(
み
)
えました。
山
(
やま
)
と
山
(
やま
)
の
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
つた
向
(
むか
)
ふの
方
(
はう
)
には、
祖父
(
おぢい
)
さんの
好
(
す
)
きな
惠那山
(
ゑなざん
)
が一
番
(
ばん
)
高
(
たか
)
い
所
(
ところ
)
に
見
(
み
)
えました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
前には邦家の
急
(
きふ
)
に當りながら、
後
(
うしろ
)
には人心の赴く
所
(
ところ
)
一ならず、何れ變らぬ亡國の
末路
(
まつろ
)
なりけり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
消極的に出ることは自己以外の威力に強制されて
為
(
す
)
るので、独立自由の人格の好まない
所
(
ところ
)
、甘んじない
所
(
ところ
)
、止むを得ざること、
謂
(
い
)
わば恐迫され
強
(
しい
)
られて
為
(
す
)
る如きものである。
デモクラシーの要素
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
“所”の解説
所(ところ)とは、特定の場所を指して称する呼び方。
(出典:Wikipedia)
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“所”を含む語句
所為
何所
所有
所以
便所
所謂
此所
所業
所々
所爲
場所
所詮
他所
所作
御所
所天
所縁
一所
近所
台所
...