“しごと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シゴト
語句割合
仕事50.2%
為事20.7%
裁縫7.4%
職業4.4%
事業3.7%
爲事3.7%
職務1.0%
労働0.7%
工事0.5%
縫物0.5%
仕業0.5%
任務0.5%
0.5%
職責0.5%
運動0.2%
事件0.2%
作品0.2%
作業0.2%
医業0.2%
工作0.2%
従業0.2%
所業0.2%
技術0.2%
採炭0.2%
探偵事件0.2%
教務0.2%
機関室0.2%
火事0.2%
紙芝居0.2%
耕作0.2%
苦役0.2%
裁縫物0.2%
課業0.2%
農事0.2%
金儲0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
らねえでどうするもんか。しげさん、おめえのあかしの仕事しごとは、ぜにのたまるかせぎじゃなくッて、色気いろけのたまるたのしみじゃねえか」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「さようですね。僕は少し遣って見ようかと思っている為事しごとがありますから、どうなりますか分りません。もう大変遅くなりました」
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
清三は夕暮れ近くまで、母親の裁縫しごとするかたわらの暗い窓の下で、熊谷くまがやにいる同窓の友に手紙を書いたり、新聞を読んだりしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「だから僕も田舎をめて来たような訳さ。それに、まあ差当りこれという職業しごとも無いが、その内にはどうかなるだろうと思って——」
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
すべてカアネエギイのやうに自分の腕一本で事業しごとに成功した男は、得て自分の腕を自慢する余り、自分の鑑定めがねをも信じたがるものなのだ。
それに毎日の自分の爲事しごとの上から云つてもおちついて机に向ふ事が出來るし、我等の爲事に附きものである郵便の都合もたいへんによかつた。
樹木とその葉:04 木槿の花 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
小説の材料たねにするから……ふうん。折角せっかくだが面白い話なんかないよ。ヒネクレた事件のアトをコツコツと探りまわるんだからろくな事はないんだ。何でも職務しごととなるとねえ。
近眼芸妓と迷宮事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「さうよ、土がまだ妙に冷たいもんな。」と、それと並んで同じ労働しごとをしてゐる同じ年格好の、もう一人の男が云つた。そして、どこか不平をらすやうな調子でたづねた。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
ひとこわいことは一厘ないが強いばかりが男児おとこではないなあ、ハハハ、じっと堪忍がまんして無理に弱くなるのも男児だ、ああ立派な男児だ、五重塔は名誉の工事しごと
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
湯呑へ入れて店の若衆わかいしに隠して食べて居るから、お母さんお呉れって云ったら、らないと云ってね、広がって居るから縫物しごとを踏んだら突飛して此処こゝを打って、あごへ疵が出来たの
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
とり玄關げんくわん敷臺しきだい掃出はきだしながら如何に相手が青年にさいでも日がない故とぼけるにも餘程ほねをれたはへしかし五十兩の仕業しごとだからアノ位なる狂言きやうげんはせにや成舞なるまひと長庵はひとり微笑みつゝ居たりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さて産土うぶすな神様かみさまのお任務しごとなかで、なにより大切たいせつなのは、矢張やは人間にんげん生死せいし問題もんだいでございます。
一日いちにち四方八方しほうはつぽうはしあるいたためひどつかれてかへつてて、わたくしひざもたれたまゝ二人ふたりそら景色けしきながめてころ櫻木大佐さくらぎたいさ武村兵曹たけむらへいそうほか一隊いつたい水兵すいへい今日けふしごとをはつて
『私は、自分の職責しごと忠實まじめにやつてる積りです。毎日出來るだけ忠實まじめにやつてる積りです。毎晩町を歩いて、材料があるかあるかと、それ許り心懸けて居ります。そして昨晩ゆうべも遲くまで、』
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
此処ここでやってる運動しごとのこと? まさか、そんなことじゃァないわ。だったとしたら、どんな方法で……」
罠を跳び越える女 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
でも、私が出ちゃったら却って外部そとでの運動しごとが自由でやりいいわ。こうなるのが本望だったわね、あのゴリラの奴ったら、私を罠へかけるつもりで、その実、奴自身が罠に引っかかってるのよ。
罠を跳び越える女 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
こんな變つた事件しごとも珍らしいから、俺も御用聞冥利みやうりと、徳力屋の主人が氣の毒さに引受けたが、今度といふ今度は、今までのやうには裁き切れない、——思ひ切つて變つたことを
彼は自嘲の習慣を持つてゐたので、自分の作品しごとへの偽つた解釈をちよいちよいやつてゐる。或る時彼は書いてゐる
だから他の者がその仕事場キリハ作業しごとをしに行くと、その魂が腹を立てて邪魔ワザをする事がある。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
後の医業しごとは彼の父の友人で、せがれに跡目を譲って隠居している隣村の頓野老人が来て、引受けてくれていたので、彼はただ一生懸命に勉強して大学を卒業するばかりであった。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこの工作しごと場だった。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
横鼻緒のと前鼻緒のとあって、横鼻緒の従業しごとの方が多く、私もそれだったが、だめだった。不器用なためであったが、努力も怠っていた。私はその人の心に応えることをしなかった。
その人 (新字新仮名) / 小山清(著)
私の母親弓子が発狂した時に口走った事実を綜合すると、そうした伯父の非道な所業しごとは全部事実と思われるばかりでない。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
虹野さんはそんな風に技術しごとが良かった上に、小野鵞堂がどうさんの字をお手本よりもズッと綺麗に書きましたので、私の弟子の刺繍に使う字をよく書いてもらいました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
採炭場キリハへ帰れ! 採炭しごとを始めるんだ!」
坑鬼 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
しかも罪人は一ときも早よう引っ捕えいと言う注文じゃから先ず、これ位、困難むずかしい探偵事件しごとはなかろうわい。
やがて、埃に染みた、黒の詰襟の洋服を着た校長の安藤が出て来て、健と代つて新入生を取扱かつた。健は自分のつくゑに行つて、その受持の教務しごとにかゝつた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
実は早く君の様子を見に来ようと思ったけれども、水先案内パイロの野郎が乗っているうちは、機関室しごとの方が、忙しいのでね。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その時分には、私は未だやつと駆け出しの二つ目から中入前にもうやがてならうかと言ふ位のもので、火事しごと師だつたら先づ纏持ちと言ふ様な一番辛い処です。
燕枝芸談 (新字旧仮名) / 談洲楼燕枝 二代(著)
紙芝居しごとをすませて帰ってきますと、今里の青年会館の前に禁酒宣伝の演説会の立看板が立っていたので、どんなことを喋るのか、喋り方を見てやろうと思いながら、はいって聴きました。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
邸境やしきざかひになつてゐる杉林に沿つたところを犂返へしてゐる一人の中年の男が、それに答へるやうに、何かでひど咽喉のどられてゐる皺嗄声しわがれごゑで、「何だつてまだ耕作しごとには時節が早過ぎるわ。」とうそぶいた。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
苦役しごとから解放された、その間らくにしていられる日をすこし送るのだ。その束の間の愉楽たのしみが前から待たれるのだったのだ。
その人 (新字新仮名) / 小山清(著)
母親は今夜中に仕立ててしまわねばならぬ裁縫物しごとがあるので、遅くまでせっせと針を動かしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
昔は夜道でも車を引いて歩いたことがあったが、この四五年は車を人に貸しているばかりで毎日軒の柱に掛けた小鳥のさえずるのを見て日を暮している。庭へ出て蜘蛛を捕って来てやるのが課業しごとである。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
吾等こちとらいやしい生涯くちすぎでは、農事しごと多忙いそがしくなると朝も暗いうちに起きて、燈火あかりけて朝食あさめしを済ます。東の空が白々となれば田野のらへ出て、一日働くと女の身体は綿のようです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
世界中のインテリはみんな一種のコスモポリタン式エゴイストですからね。そうですそうです……貴女と握手すれば随分大きな金儲しごとが出来ます。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)