工事しごと)” の例文
ひとの怖いことは一厘無いが強いばかりが男児をとこでは無いなあ、ハヽヽ、じつと堪忍がまんして無理に弱くなるのも男児だ、嗚呼立派な男児だ、五重塔は名誉の工事しごと
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ひとこわいことは一厘ないが強いばかりが男児おとこではないなあ、ハハハ、じっと堪忍がまんして無理に弱くなるのも男児だ、ああ立派な男児だ、五重塔は名誉の工事しごと
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
然し汝に感服したればとて今直に五重の塔の工事しごとを汝に任するはと、軽忽かるはずみなことを老衲の独断ひとりぎめで云ふ訳にもならねば、これだけは明瞭はつきりとことわつて置きまする
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
我図らずも十兵衛が胸にいだける無価の宝珠の微光を認めしこそ縁なれ、こたびの工事しごとを彼にいいつけ、せめては少しの報酬むくいをば彼が誠実まことの心に得させんと思われけるが
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
十兵衞いよ/\五重塔の工事しごとするに定まつてより寐ても起きても其事それ三昧ざんまい、朝の飯喫ふにも心の中では塔をみ、夜の夢結ぶにも魂魄たましひは九輪の頂を繞るほどなれば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
十兵衛いよいよ五重塔の工事しごとするに定まってより寝ても起きてもそれ三昧ざんまい、朝の飯うにも心の中では塔をみ、夜の夢結ぶにも魂魄たましいは九輪の頂をめぐるほどなれば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)