職務しごと)” の例文
女が自分の職務しごとにも興味をもっていてくれるらしいので、同僚の姓名なまえを教えたり、やがて給料のあがる話などもした。ときどき新聞を読んでくれることもあった。
フェリシテ (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
小説の材料たねにするから……ふうん。折角せっかくだが面白い話なんかないよ。ヒネクレた事件のアトをコツコツと探りまわるんだからろくな事はないんだ。何でも職務しごととなるとねえ。
近眼芸妓と迷宮事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
自分の境遇を輕蔑して見る樣になつて間もなくの事——其麽そんな氣がし乍らも職務しごとには眞面目なもので、毎日十一時頃に出て四時過ぎまでに、大抵は三百行位も書きこなすのだから
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
途々みちみち、男は自分の生活について少しばかり——それも重大な方面ではなく——職務しごとのことだとか、役所の時間だとか、毎晩食事をする小さなレストオランのことなどを話してくれた。
フェリシテ (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
其麽そんな気がし乍らも職務しごとには真面目なもので、毎日十一時頃に出て四時過ぎまでに、大抵は三百行位も書きこなすのだから、手を休める暇と云つては殆んど無いのだが、——時として
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)