技倆わざ)” の例文
せめて腕の半分も吾夫うちのひとの気心が働いて呉れたならば斯も貧乏は為まいに、技倆わざはあつても宝の持ち腐れの俗諺たとへの通り、何日いつ手腕うでの顕れて万人の眼に止まると云ふことの目的あてもない
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これ一同よく承まわれ一人いちにんならず三四人を一時いちじに殺すというは剣法の極意ごくいを心得て居らんければ出来ぬことじゃぞ、技倆わざばかりではなく、工夫もせねばならぬ、まして夏の開放あけはな
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
せめて腕の半分も吾夫の気心が働いてくれたならばこうも貧乏はしまいに、技倆わざはあっても宝の持ち腐れの俗諺たとえの通り、いつその手腕うであらわれて万人の眼に止まるということの目的あてもない
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)