“だき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ダキ
語句割合
唾棄42.3%
惰気17.5%
15.5%
舵器6.2%
舵機6.2%
3.1%
2.1%
柁機2.1%
2.1%
堕気1.0%
(他:2)1.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
シェクスピアがヴェニスの不良ユダヤ人シャイロックになればまた唾棄だきすべき梟雄きょうゆうジョン・ケイドにもなりえたという点であろう
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
でも、不思議に飽きません。強烈にわれわれを魅するということはないが、倦厭けんえんして、唾棄だきし去るという風景でもありません。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかしここに体得せられた真理が、堂塔の建立に腐心することを唾棄だきし、一切の財欲を排斥した道元の真理と同一であるはずはない。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
血のさした武蔵の栗色の皮膚には、黒い汗がりんりと流れ出した。この日頃からの惰気だき倦怠けんたい、孤愁などはみな汗となって流れるかのようだ。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵は今、ひたと、身を寄せてかがみこんでいたが、その一瞬に、彼のこの日頃の惰気だきも迷いも、毛穴からサッと吹き消されていた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「僕にいて来たまえ。京都は今、旋風の中心だ、江戸のような惰気だきや、自暴やけはない。もりあがる力が大地にも感じるぞ。君の考え方もきっと変わる」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正太しようたはあつともはず立止たちどまりしまゝいつもごとくはだききつきもせで打守うちまもるに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
とのさばりかかり、手もなくだきすくめてつかみ行く。仕丁しちょう手伝い、牛の背にあおむけざまに置く。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
垣を越える、町を突切つッきる、川を走る、やがて、山の腹へだきついて、のそのそと這上はいあがるのを、追縋おいすがりさまに、尻を下から白刃しらはで縫上げる。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて、船は目的の個所に近づき、ガラガラという、舵器だきくさりの音がして、方向を換え始め、同時に速度も鈍くなって来ました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「閣下、本艦は日本潜水艦に、舵器だきを半数破壊されました。したがって速力が半分に減じまするから、至急、隣に居りますソルトレーキへ御移りを願います」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのとき、やはり胴体から水平翼すいへいよく舵器だきが引き出されて、ふつうの飛行機とどうように地上を滑走した。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
自動車の運転手がそのハンドルを絶えず、回しているように、汽船の舵機だきも、前のコンパスとにらめっくらをしながら、絶えず、回され調節されていた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
そして、静かに顔をめぐらして、岩城いわしろの明かりを、もの欲しげに見やるのだったが、その時、軍船の舵機だきが物のみごとに破壊された。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「ハールポール」と船長は、舵機だきをあやつっている小倉の前へ来て、飛び上がりざま叫んだ。その声は絶望的にブリッジに響きわたった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「別段面白いとは思はないね。いゝお酒を飮ませてくれて、他人が邪魔さへしなければ、關東だきで結構なんだ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
仰ぐと細い細い路地の上に、ウスボンヤリ暈をかぶった月が出ていた。雨気あまけをもった夜風が、向こうの関東だき屋の低い小さな屋根の上のペンペン草を、あるかなきかに揺っていた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
例の、夜店の関東だき屋の品であるが、これも、すっかり無くなった。
死までを語る (新字新仮名) / 直木三十五(著)
ああ醉心地ゑひごゝちだきしめに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
ああ醉心地、だきしめに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
技手は手袋を嵌めた両手を、自動車の柁機だきに掛けて、真つ直ぐに馭者台に坐つて、発車の用意をして待つてゐる。
薔薇 (新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)
しかるに安済丸は海にうかんで間もなく、柁機だきを損じて進退の自由を失った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
山牢のある瘤山こぶやますそは、のぞだき深潭しんたんから穴吹あなふきの渓谷へ落ちてゆく流れと、十数丁にあまるさくが、そこの地域を囲っている。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
気が着けば、あの、かくれだきの音は遠くだう/\と鳴つて、風の如くに響くが、かすれるほどの糸のも乱れず、唇をあわすばかりの唄もさえぎられず、嵐の下の虫の声。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
心によこしまがあれば邪が——心に堕気だきがあれば堕気が——匠気しょうきがあればまた匠気のあとがおおい隠しようもなく遺る。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
退屈はやがて、気懶けだるいものを誘ってくる。懶気だきは禁物といましめている武蔵にとって、そう気がつくと、わずかな間も、こんな所にいられない気がしてくる。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこはかとなく心に染むそらだきもの。
秋の七草に添へて (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)