“だき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ダキ
語句割合
唾棄40.4%
惰気18.1%
16.0%
舵器6.4%
舵機6.4%
3.2%
2.1%
柁機2.1%
2.1%
堕気1.1%
(他:2)2.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十九世紀の、巴里パリの文人たちの間に、愚鈍の作家を「天候居士てんこうこじ」と呼んで唾棄だきする習慣が在ったという。
乞食学生 (新字新仮名) / 太宰治(著)
それは、お高も、一方では唾棄だきしながら、他方では理窟りくつなしに、多分にひかれているひとりであるために相違ない。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
さしもの広い部屋も、この中の惰気だきも、また自我も争気も、しばらくは一掃されて、彼ひとりの声しかそこには聞えなかった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この頃から伊丹城中には、惰気だきようやく満ち、士気またみだれ始めたかと見らるる徴候ちょうこうがあらわれ出して来た。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正太しようたはあつともはず立止たちどまりしまゝいつもごとくはだききつきもせで打守うちまもるに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
とのさばりかかり、手もなくだきすくめてつかみ行く。仕丁しちょう手伝い、牛の背にあおむけざまに置く。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのとき、やはり胴体から水平翼すいへいよく舵器だきが引き出されて、ふつうの飛行機とどうように地上を滑走した。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
やがて、船は目的の個所に近づき、ガラガラという、舵器だきくさりの音がして、方向を換え始め、同時に速度も鈍くなって来ました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ハールポール」と船長は、舵機だきをあやつっている小倉の前へ来て、飛び上がりざま叫んだ。その声は絶望的にブリッジに響きわたった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
そして、静かに顔をめぐらして、岩城いわしろの明かりを、もの欲しげに見やるのだったが、その時、軍船の舵機だきが物のみごとに破壊された。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「別段面白いとは思はないね。いゝお酒を飮ませてくれて、他人が邪魔さへしなければ、關東だきで結構なんだ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
例の、夜店の関東だき屋の品であるが、これも、すっかり無くなった。
死までを語る (新字新仮名) / 直木三十五(著)
ああ醉心地ゑひごゝちだきしめに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
ああ醉心地、だきしめに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
技手は手袋を嵌めた両手を、自動車の柁機だきに掛けて、真つ直ぐに馭者台に坐つて、発車の用意をして待つてゐる。
薔薇 (新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)
しかるに安済丸は海にうかんで間もなく、柁機だきを損じて進退の自由を失った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
山牢のある瘤山こぶやますそは、のぞだき深潭しんたんから穴吹あなふきの渓谷へ落ちてゆく流れと、十数丁にあまるさくが、そこの地域を囲っている。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
気が着けば、あの、かくれだきの音は遠くだう/\と鳴つて、風の如くに響くが、かすれるほどの糸のも乱れず、唇をあわすばかりの唄もさえぎられず、嵐の下の虫の声。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
心によこしまがあれば邪が——心に堕気だきがあれば堕気が——匠気しょうきがあればまた匠気のあとがおおい隠しようもなく遺る。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
退屈はやがて、気懶けだるいものを誘ってくる。懶気だきは禁物といましめている武蔵にとって、そう気がつくと、わずかな間も、こんな所にいられない気がしてくる。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこはかとなく心に染むそらだきもの。
秋の七草に添へて (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)