トップ
>
抱
>
だき
ふりがな文庫
“
抱
(
だき
)” の例文
垣を越える、町を
突切
(
つッき
)
る、川を走る、やがて、山の腹へ
抱
(
だき
)
ついて、のそのそと
這上
(
はいあが
)
るのを、
追縋
(
おいすが
)
りさまに、尻を下から
白刃
(
しらは
)
で縫上げる。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お辰かと珠運も
抱
(
だき
)
しめて
額
(
ひたい
)
に唇。彫像が動いたのやら、女が来たのやら、
問
(
とわ
)
ば
拙
(
つたな
)
く語らば遅し。
玄
(
げん
)
の
又
(
また
)
玄
(
げん
)
摩訶不思議
(
まかふしぎ
)
。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「どうせ冬まで
寝
(
ねか
)
しておくものだ」お島は心の奥底に
淀
(
よど
)
んでいるような不安と恐怖を圧しつけるようにして言った。そしてこの頃
昵
(
なじ
)
みになった家へ、それを
抱
(
だき
)
こんで行った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
抱
(
だき
)
上げ
胡鷺々々
(
うろ/\
)
聲コリヤ白妙
何
(
どう
)
いふ事で此有樣何者の所業ぞや何國に
影
(
かげ
)
を隱すとも此
讐
(
あだ
)
を討ずに置べきやと血眼になりて
怒
(
いか
)
れども歎くに甲斐なき此場の
時宜
(
しぎ
)
實
(
げ
)
に
哀
(
あは
)
れを
止
(
とゞ
)
めける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
正太
(
しようた
)
はあつとも
言
(
い
)
はず
立止
(
たちど
)
まりしまゝ
例
(
いつも
)
の
如
(
ごと
)
くは
抱
(
だき
)
きつきもせで
打守
(
うちまも
)
るに、
彼方
(
こなた
)
は
正太
(
しようた
)
さんかとて
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
り、お
妻
(
つま
)
どんお
前
(
まへ
)
買
(
か
)
ひ
物
(
もの
)
が
有
(
あ
)
らば
最
(
も
)
う
此處
(
こゝ
)
でお
別
(
わか
)
れにしましよ、
私
(
わたし
)
は
此人
(
このひと
)
と一
處
(
しよ
)
に
歸
(
かへ
)
ります
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
行く春やおもたき
琵琶
(
びわ
)
の
抱
(
だき
)
ごころ
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
恋人をしめ殺したく
抱
(
だき
)
すくめ
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
炭竈
(
すみがま
)
や
両膝
(
もろひざ
)
抱
(
だき
)
て髭男 散木
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
渠
(
かれ
)
は床几を立つ。人々お沢を
抱
(
だき
)
すくめて床几に
載
(
の
)
す。黒髪高く乱れつつ、
一本
(
ひともと
)
の杉の
梢
(
こずえ
)
に火を
捌
(
さば
)
き、
艶媚
(
えんび
)
にして
嫋娜
(
しなやか
)
なる一個の
鬼女
(
きじょ
)
、すっくと立つ——
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
行く春や重たき
琵琶
(
びわ
)
の
抱
(
だき
)
ごころ
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
おっかさん、たとい欣さんには見棄てられても、貴女にばかりは
抱
(
だき
)
ついて甘えてみとうござんした。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とのさばり
掛
(
かか
)
り、手もなく
抱
(
だき
)
すくめて
掴
(
つか
)
み行く。
仕丁
(
しちょう
)
手伝い、牛の背に
仰
(
あおむ
)
けざまに置く。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここで
桐
(
きり
)
の箱も
可懐
(
なつか
)
しそうに
抱
(
だき
)
しめるように持って出て、
指蓋
(
さしぶた
)
を、すっと引くと、
吉野紙
(
よしのがみ
)
の
霞
(
かすみ
)
の中に、お雛様とお雛様が、
紅梅白梅
(
こうばいはくばい
)
の面影に、ほんのりと出て、
口許
(
くちもと
)
に
莞爾
(
にっこ
)
とし
給
(
たま
)
う。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私も思わず莞爾して、引ッたくるように膝へのせて、しっかり
抱
(
だき
)
しめて頬をおッつけると、嬉しそうに笑ッちゃあ、(
父様
(
おとっちゃん
)
が居ないと可い)と、それまたお株を言うじゃあないかえ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
裸体
(
はだか
)
の立姿は腰から消えたようになって、
抱
(
だき
)
ついたものがある。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
裸体
(
はだか
)
の
立姿
(
たちすがた
)
は
腰
(
こし
)
から
消
(
き
)
えたやうになつて、
抱
(
だき
)
ついたものがある。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と涙ながら、そのまま、じっと
抱
(
だき
)
しめて
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と胸を
抱
(
だき
)
しめて身を
顫
(
ふる
)
わした。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
抱
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
“抱”を含む語句
抱擁
引抱
抱合
介抱
一抱
召抱
抱込
辛抱
抱妓
二抱
掻抱
抱上
三抱
相抱
五抱
抱緊
抱占
懐抱
御抱
抱付
...