はる)” の例文
右手の窓の外に、高いもみの木が半分見えて後ろははるかの空の国に入る。左手のみどりの窓掛けをれて、澄み切った秋の日がななめに白い壁を明らかに照らす。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この無限に遠く、無限にはるかに、無限に静かな空を会釈えしゃくもなく裂いて、化銀杏が黄金こがねの雲をらしている。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかも心のいて行く事の出來ぬ、はるかなる國へ拔け出して行く樣に思はれた。
京に着ける夕 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
はるかなる国へ抜け出して行くように思われた。
京に着ける夕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)