新春はる)” の例文
新春はるのこととてどうやら不評ながらにお客のきていたところへ、この目新しい看板は道行く人の目を魅き、足を停めさせた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
その秀吉を、中国へ見送ってから、安土で年を迎えた信長には、新春はると共に、年暮くれの混雑へさらに輪をかけたような多忙がめぐって来た。いや、多忙を作っていたというほうが適切である。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分はこの新春はるから故グレエ子爵の『二十五年回想記』と『フアロドン雑講』を読んでゐるが、この大戦中の英名外相がその政治的活躍の背景として様々な楽しみ乃至趣味を有つてゐたのに驚く。
趣味としての読書 (新字旧仮名) / 平田禿木(著)
初席とは元日からの新春はるの寄席。相変らずの侠気な革羽織を着てどこかへでかけようとしていた文楽師匠は、めっきり大人びてきた圓朝の細おもての顔を見てニッコリいった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
下席とはいえ、新春はるのことでギッチリといっぱいに詰めかけている。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
我が家にもう新春はるがおとずれて来ていることを感じた。
随筆 寄席風俗 (新字新仮名) / 正岡容(著)