新年はる)” の例文
引つゞいて商ひもなる道理、あゝ今半月の今歳が過れば新年はるは好き事も來たるべし、何事も辛棒/\、三之助も辛棒して呉れ、お峰も辛棒して呉れとて涙を納めぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
年が返って新年はるになった。天保十一年一月十日、その晴れた日の早朝あさまだきに、一式小一郎は屋敷を出た。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
引つづいて商ひもなる道理、ああ今半月の今歳ことしが過れば新年はるき事も来たるべし、何事も辛棒々々、三之助も辛棒してくれ、お峯も辛棒してくれとて涙を納めぬ。
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこでご相談に上りましたが、今年もいよいよ歳暮くれに逼り新年はるの仕度を致さねばならず、ついては洵に申し兼ねますが、お上のお達しに逆らわない範囲で草双紙をお書き下さるまいか。
戯作者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
石之助いしのすけ其夜そのよはをとなしく、新年はる明日あすよりの三ヶにちなりとも、いへにていはふべきはづながら御存ごぞんじのしまりなし、かたくるしきはかまづれに挨拶あいさつ面倒めんどう意見いけんじつきゝあきたり
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
新年はると云っても逼って居りやす。四編はどうでも書かずばなるまい。とてもわっちの手には合わず、さりとて今更断りもならず、四苦八苦の態たらくでげす。——いかがでげしょう滝沢さん、代作を
戯作者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
石之助そのはをとなしく、新年はる明日あすよりの三ヶ日なりとも、我が家にて祝ふべき筈ながら御存じの締りなし、堅くるしきはかまづれに挨拶あいさつも面倒、意見も実は聞あきたり
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
年が改たまって新年はるとなった。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しゆう大事だいじつとめてれ、病氣やまひながくはるまじ、すこしよくば張弓はりゆみひきつゞいてあきなひもなる道理だうり、あゝ今半月いまはんつき今歳ことしすぎれば新年はることたるべし、何事なにごと辛棒しんぼう/\
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
新年はるは明日よりの三ヶ日なりとも、我が家にて祝ふべき筈ながら御存じの締りなし、堅くるしき袴づれに挨拶も面倒、意見も實は聞あきたり、親類の顏に美くしきも無ければ見たしと思ふ念もなく
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)