“おんぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
隠亡40.0%
隠坊24.0%
御坊16.0%
縕袍8.0%
熅坊4.0%
熅房4.0%
褞袍4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
軒は傾き、壁はくずれて、さながらに隠亡おんぼう小屋のような気味のわるい小屋でした。もちろん、ただの小屋ではない。
やがて積みかさねたまきの上へ米の死骸が置かれた。それと見て人びとは念仏を唱えた。同時に隠坊おんぼうが薪に火を点けた。
妖蛸 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
これ或いは山住の御坊おんぼう、すなわち俗に所謂隠亡おんぼうの徒ではなかろうかとも考えてみたのであったが、一方にそれを明らかに「山牛蒡」と書いてあってみれば、疑いもなくこれは山の護法で
破れたる縕袍おんぼう狐貉こかくを衣る者と、ともに立って恥じざる
御萩と七種粥 (新字新仮名) / 河上肇(著)
明治四十年頃のことと記憶しているが、大阪の火葬場の熅坊おんぼうがこの種の犯罪を重ね、大騒動になったことがある。
屍体と民俗 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
近畿地方では、俗にいわゆる番太或いは熅房おんぼうをハチと呼ぶところがあった。山陰地方に鉢屋はちやと呼ばれたものもやはりハチで、土師はじの義であると解せられる。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
それに引変えやぶれ褞袍おんぼう着て藁草履わらぞうりはき腰に利鎌とがまさしたるを農夫は拝み、阿波縮あわちぢみ浴衣ゆかた綿八反めんはったんの帯、洋銀のかんざしぐらいの御姿を見しは小商人こあきんどにて、風寒き北海道にては、にしんうろこ怪しく光るどんざ布子ぬのこ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)