御坊おんぼう)” の例文
食人肉人種の子孫 さてその死骸をおおうて行ったところの片布きれその他の物は御坊おんぼうが貰います。その御坊おんぼうは俗人であってその仕事を僧侶が手伝うのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
これ或いは山住の御坊おんぼう、すなわち俗に所謂隠亡おんぼうの徒ではなかろうかとも考えてみたのであったが、一方にそれを明らかに「山牛蒡」と書いてあってみれば、疑いもなくこれは山の護法で
その前に昨日きのうの花環が少ししぼみかけて、台の上に静かに横たわっていた。それが昨夜ゆうべ宵子の肉を焼いた熱気ねっき記念かたみのように思われるので、千代子は急に息苦しくなった。御坊おんぼうが三人出て来た。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その御坊おんぼうなり手伝いたる僧侶なりが手を洗いもせず、ただバチバチと手を拍って払ったきりで茶をむです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
すなわち彼らはいわゆる「御坊おんぼう」であったのである。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)