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顫
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ふるは
ふりがな文庫
“
顫
(
ふるは
)” の例文
夜の箱根の緑の
暗
(
やみ
)
を、明るい
頭光
(
ヘッドライト
)
を照しながら、電車は静かな山腹の空気を
顫
(
ふるは
)
して、轟々と走りつゞけたかと思ふと直ぐ終点の強羅に着いてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
路傍
(
みちばた
)
に待つてゐる多數の男女は夜の寒さに身を
顫
(
ふるは
)
しながら、動いて來る車の灯を見る事もやと眞直な往來のかなたを伸び上るやうにして眺めてゐる。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
少年の群は
轅
(
ながえ
)
にすがりて馬を
脱
(
はづ
)
したり。こは自ら車を
輓
(
ひ
)
かんとてなりき。アヌンチヤタは聲を
顫
(
ふるは
)
せてこれを制せんとしつれど、その聲は萬人のその名を呼べるに打ち消されぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼は
危
(
あやふ
)
きを
拯
(
すく
)
はんとする如く
犇
(
ひし
)
と宮に取着きて
匂滴
(
にほひこぼ
)
るる
頸元
(
えりもと
)
に
沸
(
に
)
ゆる涙を
濺
(
そそ
)
ぎつつ、
蘆
(
あし
)
の枯葉の風に
揉
(
もま
)
るるやうに身を
顫
(
ふるは
)
せり。宮も離れじと
抱緊
(
いだきし
)
めて
諸共
(
もろとも
)
に顫ひつつ、貫一が
臂
(
ひぢ
)
を
咬
(
か
)
みて
咽泣
(
むせびなき
)
に泣けり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「あなた。そんなにわたしの事思つてゐて下さるの。嬉しいわ。」と常子は感情の激動に身を
顫
(
ふるは
)
せ、白井の胸に額を押しつけ、肩で息をしながら涙を啜りはじめた。
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
女は身を
顫
(
ふるは
)
せて
詈
(
ののし
)
るとともに、
念入
(
おもひい
)
りて
呪
(
のろ
)
ふが如き血相を
作
(
な
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
女は身を
顫
(
ふるは
)
して泣沈めるなるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
顫
漢検1級
部首:⾴
22画
“顫”を含む語句
顫音
身顫
胴顫
顫声
顫律
顫動
微顫
顫上
武者顫
打顫
血顫
震顫
顫慄
顫震音
顫着
顫出
顫聲
顫震
顫音符
顫戦
...