“嚢中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のうちゅう88.9%
なうちう3.7%
なうちゆう3.7%
のうちう3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今日は幸い時間もある、嚢中のうちゅうには四五枚の堵物とぶつもある。連れて行けば行かれる。細君も行きたいだろう、僕も連れて行ってやりたい。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
りながら外面おもて窮乏きうばふよそほひ、嚢中なうちうかへつあたゝかなる連中れんぢうには、あたまからこの一藝いちげいえんじて、其家そこ女房にようばう娘等むすめらいろへんずるにあらざれば、けつしてむることなし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして、井桁樓ゐげたろうと敷島とを思ひ浮べて嚢中なうちゆうの無一文を苦しみ、入院中のお鳥を思ひ出してはその不自由な病氣を呪つた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
ことに、既に長き旅路につかれたる我をして、嚢中のうちう甚だ旅費の乏しきにも拘らず、ふるつてこの山中にらしめたる理由猶一つあり。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)