“嚢物”の読み方と例文
読み方割合
ふくろもの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日本橋本町ほんちょう三丁目一番地嚢物ふくろもの商鈴木米次郎方のじょちゅうおきんと云うのが、某夜あるよ九時すぎ裏手にある便所へ入ろうとして扉をあけると、急に全身に水を浴びせられたようにぞっとして
簪につけた短冊 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と胸へ、しなやかに手を当てたは、次第に依っては、すぐにも帯の間へすべって、懐紙ふところがみの間から華奢きゃしゃな(嚢物ふくろもの)の動作こなしである。道子はしばしば妹の口から風説うわさされて、その暮向くらしむきを知っていた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)