なだ)” の例文
はやるガラッ八をなだめて、平次が書いた一本の手紙。それを中坂の藤井重之進の家へ届けた晩、加島屋のお桃は無事で家へ戻りました。
しかるになんぞはからん、開会の始めにあたり上院にその人ありと聞こえたルート氏が座長ざちょうえらばれた。この人の手腕しゅわんでも出席者の昂奮こうふんなだめ得ないであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
自らなだめ、日を、夜を、めて、たった一人小むすめを相手に、せめてもの慰みは、新版芝居錦絵、中村座当り狂言の雪之丞の姿絵、三枚つづきの「滝夜叉」に
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
母親は外祖母をなだめて、「わたしども魯鎮は、小さな村の割合に芝居を多く見ているのですよ。一遍ぐらいどうだっていいじゃありませんか」と押止おしとどめた、だが、わたしは泣きだしそうになった。
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
はやるガラツ八をなだめて、平次が書いた一本の手紙。それを中坂の藤井重之進の家へ屆けた晩、加島屋のお桃は無事で家へ戻りました。
開会中ルート氏が座長ざちょうとなって人波ひとなみなだめた手腕はすさまじいもので、当時の記事を読んで僕がつくづく感服かんぷくしたのは、かねがね聞いているアングロサクソン人種の秩序ちつじょ的なる一点である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
それから一と揉みの後、八五郎のとぼけた調子が、どうにか母親をなだめて、お園の死骸のある隣の部屋まで、お組は誘い入れられました。
平次はお秀をなだめながら、ようやく散って行く往来の人や、茶代を置いて、つまらなそうに出て行く店の客人を眺めやります。
それから一と揉みの後、八五郎のとぼけた調子が、どうにか母親をなだめて、お園の死骸のある隣りの部屋まで、お組は誘ひ入れられました。
平次は孫三郎をなだめて、家中の者を全部奧の一間に集めました。隣りの部屋では傷ついたお優が、外科の手當でうつら/\と眠つて居る樣子。
平次はお秀をなだめ乍ら、やうやく散つて行く往來の人や、茶代を置いて、つまらなさうに出て行く店の客人を眺めやります。
金次はいきり立ちましたが、市五郎になだめられて、澁々引取りました。相手が惡いとか何んとか注意されたのでせう。
平次は泳ぐやうな手付きで、八五郎をなだめるので、この男の一本調子は、知り過ぎるほど知り拔いて居ります。
平次は久良山三五郎をなだめて、これから怪我をした女達と、殺された板倉屋の娘を見て廻ることにしました。
平次は一應なだめて置いて、まだ訊きたいことがあつたのです。が、お組はなか/\引つ込んではゐません。
もう一度家の中へ取つて返すと、後取の徳太郎といふ五つになるのが、家の中の騷ぎに眼をさまして起き出したのを、叔母のお里が一生懸命なだめて居る最中でした。
平次は一応なだめて置いて、まだ訊き度いことがあったのです。が、お組もなか/\引込んでは居ません。
もう一度家の中へとって返すと、跡取りの徳太郎とくたろうという五つになるのが、家の中の騒ぎに眼を覚して起き出したのを、叔母のお里が一生懸命なだめている最中でした。
四つになる若樣はなか/\なだめ切れない、現にその前の日は、日頃仲好しの荒物屋の伜をつれ出して當分若樣のお相手をさせる氣になつた——これは少しやり過ぎでした
「あの殿樣の評判は滅茶々々ですよ。領地で何遍百姓一が起きたか勘定しきれない程で、あの養子の直之進が下總しもうさへ行つて來たのも、それをなだめるためだつたさうですよ」
平次はお崎をなだめながら、近所の百姓家を起して、この娘のために一と晩の宿を頼みました。
なだめたり、すかしたり、脅かしたり、半刻あまりの努力で、ようやく法印から聴き出したのは
お秀のいきり立ったのをなだめて、ガラッ八の間の悪い立場を救うためだったのでしょう。
お秀のいきり立つたのをなだめて、ガラツ八の間の惡い立場を救ふためだつたのでせう。
平次は其處に時松を留め置いて、相模屋さがみやに引つ返し、娘のお峯を呼出して、耻かしがるのを、いろ/\なだめすかし乍ら訊き出すと、この話も、符節ふせつを合せたやうに、時松の話と一致します。
そつと家を脱出したお茂世さんが、敬太郎の姿が見えないので吃驚したことだらうが、金兵衞はそれをなだめすかして切通しの望月丹後の屋敷につれ込み、妾奉公するやうに責めたことだらう。
平次は八五郎をなだめながら、次第に川岸っぷちを遡上さかのぼって行きます。
其處で暫らく待つてゐるうちに、お勢はどう父親をなだめたものか
平次は八五郎をなだめ乍ら、次第に川岸つぷちを遡上さかのぼつて行きます。
平次がお臺所町の富崎佐太郎浪宅を訪ね、——親の敵——といきり立つ佐太郎をなだめて訊くと、金森家へ三千兩の小判を返し、佐太郎の父親の罪をつぐなつたのは、全く佐太郎の知らぬことと判りました。
平次はおびえきつてゐるらしい彦太郎を、なだめるやうに迎へました。
頑固ぐわんこに口をつぐむお玉を、なだめるやうな調子で平次は續けました。
八五郎のカンカンになるのを、平次は辛くもなだめてをります。
平次は、女房をなだめて靜かに訊くのです。