風采なりふり)” の例文
丑松は文平の瀟洒こざつぱりとした風采なりふりを見て、別に其を羨む気にもならなかつた。たゞ気懸りなのは、あの新教員が自分と同じ地方から来たといふことである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかし、愛嬌あいけうのある、明白てきぱきした物の言振いひぶりは、何処かに人をひきつけるところが無いでもない。隆とした其風采なりふりを眺めたばかりでも、いかに斯の新進の政事家が虚栄心の為に燃えて居るかを想起おもひおこさせる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)