姿態なりふり)” の例文
沼南夫人のジャラクラした姿態なりふりや極彩色の化粧を一度でも見た人は貞操が足駄あしだ穿いて玉乗たまのりをするよりもあぶなッかしいのを誰でも感ずるだろう。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
首をもたげて聞き澄ましたが、にわかにムックリ起き上った。周囲まわりを見ると女太夫共が、昼のはげしい労働に疲労つかれ姿態なりふり構わぬ有様で、大いびきで睡っていた。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
助け孝順なる事誠にまれなる深切にして自分は一向に姿態なりふりにもかまはずきれば着たなり又門弟中より申うけたる金なども何程あるやら勘定もせず少しも欲心よくしんのなき人なれば門弟ちうの中重立おもだちたる者が夫是それこれ取始末とりしまつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)