“とりなし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
執成46.2%
取做15.4%
取成7.7%
挙止7.7%
接待7.7%
執做3.8%
姿態3.8%
態度3.8%
擧止3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とて御利生ごりしやうのないところを、御新姐樣ごしんぞさまのお執成とりなしで、ちつまとまつた草鞋錢わらぢせん頂戴ちやうだいする、とあし新地入しんちばひりでござります。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
無成算な、その日その日の無駄な働きに、一夏を過して来たお島は、習慣でそうして来た隠居の機嫌取や、親子の間の争闘の取做とりなしにも疲れていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
にこにこ笑いながら、縮緬雑魚ちりめんざこと、かれい干物ひものと、とろろ昆布こんぶ味噌汁みそしるとでぜんを出した、物の言振いいぶり取成とりなしなんど、いかにも、上人しょうにんとは別懇べっこんの間と見えて、つれの私の居心いごころのいいといったらない。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その物言いもはきはきしていて、その挙止とりなしも愛らしかった。
清吉酔ふては撿束しまりなくなり、砕けた源太が談話はなしぶりさばけたお吉が接待とりなしぶりに何時しか遠慮も打忘れ、されていなまず受けては突と干し酒盞さかづきの数重ぬるまゝに、平常つねから可愛らしき紅ら顔を一層沢〻みづ/\
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「いえ、それならばまだしも、実は度々当家からのご催促に、仙石家でもお執做とりなし下されたのでござるが、不意に今朝姿を隠してしまった由でござります」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朱色の上に桜の色の汗袗かざみを着せ、下には薄色の厚織のあこめ、浮き模様のある表袴おもてばかまはだにはつちの打ち目のきれいなのをつけさせ、身の姿態とりなしも優美なのが選ばれたわけであった。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
ぷんと匂う香料の香や「乳母ばあや」と呼んで振り返ったその態度とりなし優艶やさしさには言葉に尽くせない品がある。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
加之それに擧止とりなしがおツとりしてゐたのと、割合わりあいに氣さくであツたのと、顔が綺麗だツたのとで、書生さんたちは來る度に、喰はずとも交々かはる/\幾らかづゝ菓子を購ツて遺ツた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)