取做とりなし)” の例文
全く姉さんのお取做とりなしが宜いからで、乙なものでなんでも太鼓の叩き次第だからねえ、早速お村に申しましょう、お村や/\一寸降りてなよ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
無成算な、その日その日の無駄な働きに、一夏を過して来たお島は、習慣でそうして来た隠居の機嫌取や、親子の間の争闘の取做とりなしにも疲れていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
莞爾々々にこ/\わらひながら、縮緬雑魚ちりめんざこと、かれい干物ひものと、とろろ昆布こぶ味噌汁みそしるとでぜんした、もの言振いひぶり取做とりなしなんど、如何いかにも、上人しやうにんとは別懇べつこんあひだえて、つれわたし居心ゐごゝろさとつたらない。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
殊に其の方を世話いたした渡邊を殺害せつがい致したり、もと何処どこの者か訳も分らん者を渡邊が格別取做とりなしを申したから、お抱えになったのじゃ、かみへつらこびを献じて、とうとう寺島主水を説伏せ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)