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かたち
ふりがな文庫
“
形状
(
かたち
)” の例文
稍
(
やゝ
)
老いた顔の肉は
太
(
いた
)
く落ちて、鋭い眼の光の中に無限の悲しい影を宿しながら、じつと今打ちに
蒐
(
かゝ
)
らうとした若者の顔を
睨
(
にら
)
んだ
形状
(
かたち
)
は
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
自然石
(
じねんせき
)
の
形状
(
かたち
)
乱れたるを幅一間に行儀よく並べて、
錯落
(
さくらく
)
と平らかに敷き詰めたる
径
(
こみち
)
に落つる足音は、
甲野
(
こうの
)
さんと
宗近
(
むねちか
)
君の足音だけである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なだれは
敢
(
あへ
)
て山にもかぎらず、
形状
(
かたち
)
峯
(
みね
)
をなしたる処は時としてなだるゝ事あり。文化のはじめ
思川村
(
おもひがはむら
)
天昌寺
(
てんしやうじ
)
の
住職
(
じゆうしよく
)
執中和尚
(
しつちゆうをせう
)
は
牧之
(
ぼくし
)
が
伯父
(
をぢ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ところが、その歩行線を見ると、
形状
(
かたち
)
の大きさに比べると、非常に歩幅が狭く、しかも全体が、
電光形
(
ジグザグ
)
に運ばれているのだ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
見よ/\我が足下の此磧は一〻蓮華の
形状
(
かたち
)
をなし居る世に珍しき磧なり、我が眼の前の此砂は一〻五金の光を有てる
比類
(
たぐひ
)
稀なる砂なるぞと説き示せば
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
屠殺
(
とさつ
)
に用いるのだそうだ。肉屋の亭主は
沈着
(
おちつ
)
いた調子で、以前には太い
釘
(
くぎ
)
の
形状
(
かたち
)
したのを用いたが、この管状の方が丈夫で、打撃に力が入ることなどを私に
説明
(
ときあか
)
した。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
占
(
うらな
)
ふに此艸を盌水に投じ葉開けば其人無事也
凋
(
しぼ
)
めば人
亡
(
な
)
しといふとぞ又日光山の万年艸は一名万年杉また苔杉などいひ漢名玉柏一名玉遂また千年柏といひて
形状
(
かたち
)
と異なり混ずべからず
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
双眼鏡をとってかなたを望めば、敵の中央を堅めし定遠鎮遠はまっ先にぬきんでて、横陣やや鈍角をなし、距離ようやく縮まりて二艦の
形状
(
かたち
)
は遠目にも次第にあざやかになり来たりぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
茄子型
(
なすがた
)
をしたすばらしい大真珠であったが、その辺の宝石商などは滅多に持合せていない逸品で、
光沢
(
つや
)
といい
形状
(
かたち
)
と云い、一目見たら忘れられない様な宝石であったから、朱凌谿はこれを見て
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
酷烈
酸鼻
(
さんび
)
をきわめた流血の歴史よりかも、すでにそれ以前行われていて、しかも
眼
(
ま
)
のあたり、遺骸の
形状
(
かたち
)
にもそれと
頷
(
うなず
)
かれる恐怖悲劇の方が
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
見よ見よわが
足下
(
あしもと
)
のこの
磧
(
こいし
)
は一々
蓮華
(
れんげ
)
の
形状
(
かたち
)
をなし居る世に珍しき磧なり、わが眼の前のこの砂は一々五金の光をもてる
比類
(
たぐい
)
まれなる砂なるぞと説き示せば
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
百樹
(
もゝき
)
曰、
件
(
くだん
)
の
図
(
づ
)
を
視
(
み
)
るに常にある亀とは
形状
(
かたち
)
少しく
異
(
こと
)
なるやうなり。依て
案
(
あんず
)
るに、
本草
(
ほんざう
)
に
所謂
(
いはゆる
)
秦亀
(
しんき
)
一名
筮亀
(
ぜいき
)
あるひは山亀といひ、俗に
石亀
(
いしがめ
)
といふ物にやあらん。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
腹
(
はら
)
のなかに
小
(
ちい
)
さな
皺
(
しわ
)
が無数に
出来
(
でき
)
て、
其皺
(
そのしわ
)
が絶えず、
相互
(
さうご
)
の位地と、
形状
(
かたち
)
とを
変
(
か
)
へて、一面に
揺
(
うご
)
いてゐる様な気持がする。代助は
時々
(
とき/″\
)
斯う云ふ情調の支配を受ける事がある。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
丸葉と、いくらか
尖
(
とが
)
った葉とあって、二株の花の
形状
(
かたち
)
も色合もやや異っていたが、それが咲き盛る頃には驚くばかり美しかった。狭い町の中で岸本の書斎を飾ったのもその萩であった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
百樹
(
もゝき
)
曰、
件
(
くだん
)
の
図
(
づ
)
を
視
(
み
)
るに常にある亀とは
形状
(
かたち
)
少しく
異
(
こと
)
なるやうなり。依て
案
(
あんず
)
るに、
本草
(
ほんざう
)
に
所謂
(
いはゆる
)
秦亀
(
しんき
)
一名
筮亀
(
ぜいき
)
あるひは山亀といひ、俗に
石亀
(
いしがめ
)
といふ物にやあらん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
形状
(
かたち
)
の
外
(
ほか
)
におのずから
賎
(
いや
)
しからぬ様
露
(
あらわ
)
れて、
其
(
その
)
親切なる言葉、そもや
女子
(
おなご
)
の
嬉
(
うれ
)
しからぬ事か。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
腹のなかに小さな
皺
(
しわ
)
が無数に出来て、その皺が絶えず、相互の位地と、
形状
(
かたち
)
とを変えて、一面に
揺
(
うご
)
いている様な気持がする。代助は時々こう云う情調の支配を受ける事がある。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
した無残な
烙印
(
やきいん
)
には、たしか索溝の
形状
(
かたち
)
と、
背馳
(
はいち
)
するものがあるように思われるんだが
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
浅間は大きな爆発の為に崩されたような山で、今いう
牙歯山
(
ぎっぱやま
)
が
往時
(
むかし
)
の噴火口の跡であったろうとは、誰しも思うことだ。何か山の
形状
(
かたち
)
に一定した面白味でもあるかと思って来る旅人は、大概失望する。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
されど
毒草
(
どくさう
)
なるよし見えたり。又
山韭
(
やまにら
)
といふも
同書
(
どうしよ
)
に見ゆ、これも
麻
(
あさ
)
のかはりにもすべきもの也。にらをいらといふにや。草の
形状
(
かたち
)
を
聞
(
きか
)
ざりしゆゑさだめがたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それにいちいち
点頭
(
うなず
)
きながら、法水は屍体の不自然な
形状
(
かたち
)
を凝然と見下している。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
与次郎の言うことだから、三四郎はむろんあてにはしない。しかしこのさいだから気をつけて煙の
形状
(
かたち
)
をながめていた。すると与次郎の言ったような判然たる煙はちっとも出て来ない。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もしくは詩的感興がある。尤も恐るべきは
孔
(
あな
)
の
先
(
さき
)
の
渦
(
うづ
)
である。
渦
(
うづ
)
が
出
(
で
)
ると、大変に
叱
(
しか
)
られる。与次郎の云ふ事だから、三四郎は無論
当
(
あて
)
にはしない。然し此際だから気を
付
(
つ
)
けて
烟
(
けむ
)
りの
形状
(
かたち
)
を眺めてゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
状
常用漢字
小5
部首:⽝
7画
“形状”で始まる語句
形状等
形状言