形骸かたち)” の例文
しかもその歴史の根本を忘れて、単に差別のはなはだしかった時代の形骸かたちのみに囚われているのであります。
形骸かたちしや冷土の中にうづもれても、魂は定かに六尺の上に聞こしめされん。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
縊死くびくくりが楽だというけれどというので、いやですわ、はなを出すのがあるといいますもの、水へはいるのが形骸かたちを残さないで一番好いと思うと言いますと、そうかしら、薬をむのは苦しいそうだね。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)