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ふう
ふりがな文庫
“
容
(
ふう
)” の例文
王は確かに夢ではないと思ったが、眼を開けて
吃驚
(
びっくり
)
さしてはいけないと思ったので、そのまま眠った
容
(
ふう
)
をしてじっとしていた。
蘇生
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
同時に彼は物を落して驚いたような
容
(
ふう
)
をして、その
四辺
(
あたり
)
をきょろきょろと
見廻
(
みまわ
)
し、やっとそれを敷石の上に見つけたようにして急いで拾った。
指環
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「今日も来宮様は佳い気もちになって、歩いてらっしゃるが、此の寒いのに、あんな
容
(
ふう
)
をして、寒いことはないだろうか」
火傷した神様
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
武士は籠舁どもがどんな処をどんな
容
(
ふう
)
にしてやっているだろうと思って、見たくもあれば不思議にも思ったが、約束があるので眼は開けなかった。
山寺の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その人びとは
酒宴
(
さかもり
)
でもしているような
容
(
ふう
)
であった。大異はその人びとの側に一刻も早く往きたかった。大異は足よりも心の方がさきになって往った。
太虚司法伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
長手
(
ながて
)
な重みのある、そしてどこか
艶
(
なまめ
)
かしいところのある顔を見せて、洋服の男の
背後
(
うしろ
)
の方から出ようとする
容
(
ふう
)
で、長い青っぽい
襟巻
(
えりまき
)
の襟を
掻
(
か
)
き合せていた。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこは小さな
鍛冶屋
(
かじや
)
の工場で、
韛
(
ふいご
)
の火がかんかんおこっている傍に、銀のような裏白な髪をした老婆がいた。それは鉄の焼けるのを待っているような
容
(
ふう
)
であった。
馬の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
洋服の男は
盃
(
さかずき
)
を口のふちに持って往ったままで、とろりとした眼をしてなにか考えている
容
(
ふう
)
であった。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
猴は養済院のほうへ往って、その門前に集まっている乞児の間を往来して何者か探す
容
(
ふう
)
であったが、やがて其処を離れて往くので、隷官もまたその後からついて往った。
義猴記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
女房は
己
(
じぶん
)
に秘密を知られたので狸寝入りをしていはしないかと思って、冷笑を浮べてその顔を見ていたが、益之助は何事も知らない
容
(
ふう
)
で何時までも穏かな鼻息をしていた。
宝蔵の短刀
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
女は憲一の気もちを
硬
(
こわ
)
ばらさないようにと勤めている
容
(
ふう
)
であった。憲一もいくらか気もちがほぐれて来た。憲一は思いきってそれを飲んだ。すると少女がすぐ
後
(
あと
)
を
満
(
みた
)
した。
藤の瓔珞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
新吉は女から一
間
(
けん
)
ばかり離れて
夕飯後
(
ゆうめしご
)
の腹こなしに公園を
一廻
(
ひとまわ
)
りしている人のような
容
(
ふう
)
をして歩いた。七八人の人の群がむこうから来たので女の姿はちょとその陰になった。
女の首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「臙脂が点いておりますか」と、女房は大きな声をするのが恐ろしいと云う
容
(
ふう
)
に聞いた。
蠅供養
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
章一はぐったりとしているような
容
(
ふう
)
をしていて何も云わなかった。夫人は起きて往った。
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして、
彼
(
か
)
の女が追って出て来やしないかと思いながら注意したがそんな
容
(
ふう
)
はなかった。
蟇の血
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その倒れた石碑の上に茶色の毛をした犬のような細長い獣が人間の
腹這
(
はらんば
)
いになったように寝ていたが、それが小さな帳面を前へ置いて、一心になって見ているような
容
(
ふう
)
をしていた。
狐の手帳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
光長は盗人の用心のことを忘れてしまって、不思議な少年の
容
(
さま
)
を見はじめた。円く肥った少年と痩せた少年は、いっしょになったり離れたりして、相手を突き倒そうとする
容
(
ふう
)
であった。
庭の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
李幕事の家の一室では、白娘子が何か云って
罵
(
ののし
)
っていた。許宣はしおしおとした
容
(
ふう
)
をしてその室へ往った。白娘子は許宣を見るとしとやかな女になって、許宣に何か云いかけようとした。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ちゃぶ台の向いには髪を
櫛巻
(
くしまき
)
にした、主翁よりも一まわりも年下に見える目の下に影のあるお
媽
(
かみ
)
さんが酒の
対手
(
あいて
)
になっていたが、お媽さんは新吉のおりて来るのを待ちかねていたという
容
(
ふう
)
であった。
女の首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
大師は長者の家へ往った時と少しも変らないような
容
(
ふう
)
をしていた。
長者
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それは
僕
(
げなん
)
のような
容
(
ふう
)
をした男でその手には何かものがあった。
狐の手帳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
源はわざと
仰山
(
ぎょうさん
)
に言って考えるような
容
(
ふう
)
をして見せた。
緑衣人伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お滝は坐って何か考えているような
容
(
ふう
)
をしていた。
狐の手帳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
老人は飛びかかってきそうな
容
(
ふう
)
をして言った。
愛卿伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“容”の意味
《名詞》
(ヨウ) かたち。すがた。
(出典:Wiktionary)
容
常用漢字
小5
部首:⼧
10画
“容”を含む語句
容貌
容易
形容
容姿
容色
顔容
容子
寛容
容體
容態
容器
顏容
姿容
内容
容儀
面容
容体
許容
容顏
貌容
...