“唏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すす50.0%
50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もはや、渡舟さえも見えなくなり、男は歯をくいしばってうつ向き、人に顔を見られぬようにすすり泣きをした。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
橘はやっと二人のむくろのある土手のうえに辿たどりつくと、そのまま、草の上に膝をついて潜々さめざめすすり泣いた。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ああ、橋がなくなり見えないと、わたくしは呼び聲をあげていた。水音はするけれど、人も動物もあるいてゐなかつた。
末野女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
往く所があつたら何處にでも失せろと言ひ、先きに立つて足早に歩いていつたが、あん子は、わあ、と聲を擧げてき出してミツのあとに尾いていつた。
神のない子 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)