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唏
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すす
ふりがな文庫
“
唏
(
すす
)” の例文
もはや、渡舟さえも見えなくなり、男は歯をくいしばってうつ向き、人に顔を見られぬように
唏
(
すす
)
り泣きをした。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
橘はやっと二人のむくろのある土手のうえに
辿
(
たど
)
りつくと、そのまま、草の上に膝をついて
潜々
(
さめざめ
)
と
唏
(
すす
)
り泣いた。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
小さな
叫
(
さけ
)
びごえや
唏
(
すす
)
りなきの声でなければ、妙に息苦しいものが
喘
(
あえ
)
ぎながら見えていた。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
彼女はさめざめと持彦にもたれて
唏
(
すす
)
り泣いた。それは愛情が極まったくやしさもあれば、もう
何処
(
どこ
)
にも行かない、あなた様のお
傍
(
そば
)
よりほかに行くところがないという
証
(
あかし
)
でもあった。
花桐
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
ときには
唏
(
すす
)
り泣きの声を聞くまで理由のないことで責めたりする、それは愛情が
痒
(
かゆ
)
いところに手のとどかないような気のするときとか、愛情の過剰がそういう現われに変ったりするのである。
花桐
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
唏
漢検1級
部首:⼝
10画
“唏”を含む語句
嘘唏
唏泣
歔唏