)” の例文
ああ、橋がなくなり見えないと、わたくしは呼び聲をあげていた。水音はするけれど、人も動物もあるいてゐなかつた。
末野女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
往く所があつたら何處にでも失せろと言ひ、先きに立つて足早に歩いていつたが、あん子は、わあ、と聲を擧げてき出してミツのあとに尾いていつた。
神のない子 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
笛吹く人は哀れにきいる生絹のために、笛を唇から放した。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
母親はあちらむきになって、きながらいた。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)