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摩
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な
ふりがな文庫
“
摩
(
な
)” の例文
拾って見れば、
白絹
(
しらぎぬ
)
のハンケチで、縁を紫で縫ったものだ。お光は何思ったかそっと頬を
摩
(
な
)
でて見て、懐にしまった。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
縄を解き、
懐中
(
ふところ
)
より
櫛
(
くし
)
取り
出
(
いだ
)
して乱れ髪
梳
(
す
)
けと渡しながら冷え
凍
(
こお
)
りたる
肢体
(
からだ
)
を痛ましく、思わず
緊接
(
しっかり
)
抱
(
いだ
)
き寄せて、
嘸
(
さぞ
)
や柱に脊中がと片手に
摩
(
な
)
で
擦
(
さ
)
するを、女あきれて
兎角
(
とかく
)
の
詞
(
ことば
)
はなく
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
石橋を渡りて動物園の前へ
出
(
い
)
で、車夫には「先へ往ッて観音堂の
下辺
(
したあたり
)
に待ッていろ」ト命じて其処から車に離れ、
真直
(
まっすぐ
)
に行ッて、
矗立千尺
(
ちくりゅうせんせき
)
、
空
(
くう
)
を
摩
(
な
)
でそうな杉の樹立の間を通抜けて
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
唯
(
ただ
)
一叢
(
ひとむら
)
の黄なる
菜花
(
なのはな
)
に、白い蝶が面白そうに飛んで居る。南の方を見ると、中っ原、
廻沢
(
めぐりさわ
)
のあたり、桃の
紅
(
くれない
)
は淡く、李は白く、北を見ると仁左衛門の
大欅
(
おおけやき
)
が春の空を
摩
(
な
)
でつゝ
褐色
(
かっしょく
)
に
煙
(
けぶ
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
殿
復
(
ふたた
)
びお出ましの時には、小刀を取って、
危気
(
あぶなげ
)
無きところを
摩
(
な
)
ずるように削り、
小々
(
しょうしょう
)
の
刀屑
(
かたなくず
)
を出し、やがて成就の
由
(
よし
)
を申し、近々ご覧に入るるのだ。何の思わぬあやまちなどが出来よう。ハハハ。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
仁左衛門さん
宅
(
とこ
)
の
大欅
(
おおけやき
)
が春の空を
摩
(
な
)
でて
淡褐色
(
たんかっしょく
)
に煙りそめる。雑木林の
楢
(
なら
)
が逸早く、
櫟
(
くぬぎ
)
はやゝ晩れて、芽を
吐
(
ふ
)
きそめる。
貯蔵
(
かこい
)
の
里芋
(
さといも
)
も芽を吐くので、里芋を植えねばならぬ。月の終は、
若葉
(
わかば
)
の
盛季
(
さかり
)
だ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
摩
常用漢字
中学
部首:⼿
15画
“摩”を含む語句
摩擦
筑摩
摩西
薩摩芋
大薩摩
薩摩
揣摩
達摩
維摩経
筑摩川
摩尼
薩摩琵琶
相摩
摩睺羅伽
脚摩乳
摩周
摩天楼
手摩乳
紫摩黄金
安摩
...