トップ
>
菜
>
な
ふりがな文庫
“
菜
(
な
)” の例文
はて、
何
(
なん
)
の
菜
(
な
)
だ、と
思
(
おも
)
ひながら、
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けようとして、
一
(
ひと
)
つ
咳
(
しはぶき
)
をすると、
此
(
これ
)
は
始
(
はじ
)
めて
心着
(
こゝろづ
)
いたらしく、
菜
(
な
)
を
洗
(
あら
)
ふ
其
(
そ
)
の
婦
(
をんな
)
が
顏
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「さあ、どこの
家
(
いえ
)
でしょうね。どこでも、このお
天気
(
てんき
)
のうちに、
菜
(
な
)
をつけるんですよ。きっと、このあとは、
雪
(
ゆき
)
がふりますからね。」
水七景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
菜
(
な
)
が
洗
(
あら
)
ひ
畢
(
をは
)
つた
時
(
とき
)
枯葉
(
かれは
)
の
多
(
おほ
)
いやうなのは
皆
(
みな
)
釜
(
かま
)
で
茹
(
ゆ
)
でゝ
後
(
うしろ
)
の
林
(
はやし
)
の
楢
(
なら
)
の
幹
(
みき
)
へ
繩
(
なは
)
を
渡
(
わた
)
して
干菜
(
ほしな
)
に
掛
(
か
)
けた。
自分等
(
じぶんら
)
の
晝餐
(
ひる
)
の
菜
(
さい
)
にも
一釜
(
ひとかま
)
茹
(
ゆ
)
でた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
譬えば新体詩なんぞに
汝
(
なんじ
)
と書いてナと読ませてナの
俤
(
おもかげ
)
とかナの姿とか読ませる。文字を見ずにただ聞くと
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
が幽霊になったようだ。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「冬ごもりの間は、
乾物
(
かんぶつ
)
ばかり召しあがっておいでだから、こんな青々した木の芽や
菜
(
な
)
をさし上げたら、きっとおよろこびになるだろう」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
冬木
(
とうぼく
)
が縁の日向に坐って、懐手でぼんやりしているところへ、俳友の
冬亭
(
とうてい
)
がビールと葱をさげてきて、今日はツル
菜
(
な
)
鍋をやりますといった。
西林図
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
会場の楽屋で、
菜
(
な
)
ッ
葉
(
ぱ
)
服の胸をはだけ、両手を椅子の背中へたらしたかっこうにこしかけている長野は、
一
(
ひ
)
とめみてたち
上
(
あが
)
りもしなかった。
白い道
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
ズット
背後
(
うしろ
)
の方の薄暗い処の
扉
(
ドア
)
が
開
(
あ
)
いて、青い
菜
(
な
)
ッ
葉服
(
ぱふく
)
を着た顔中髯だらけの大男が一人トロッコをノロノロと押しながら出て来たんです。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
汚
(
よご
)
れた
菜
(
な
)
っ
葉
(
ぱ
)
服
(
ふく
)
、まぶかく冠ったもみくちゃの
鳥打帽
(
とりうちぼう
)
、そのひさしの下から、機械の油で真黒になった顔がのぞいている。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
菜
(
な
)
っ
葉
(
ぱ
)
でたくさんです。
困苦欠乏
(
こんくけつぼう
)
にたえる精神がなによりも大切です。それはそうとして、ご自習をお始めください」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
平次は叔母さんが
淹
(
い
)
れてくれた、去年貰つた新茶の、火が戻つてすつかり
菜
(
な
)
つ
葉
(
ぱ
)
臭くなつたのを、それでも有難さうに
啜
(
すゝ
)
つて、八の報告を促します。
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
十二、三ばかりの、女の子が前かがみに何か線の細かな
菜
(
な
)
の
葉
(
は
)
をすすいでいる、
芹
(
せり
)
かときいてみるとかすかに顔を赤らめながら、
人参
(
にんじん
)
の葉だという。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
浪「いつもの
婆
(
ばゞあ
)
がまいりました、あの大きな
籠
(
かご
)
を
脊負
(
しょ
)
ってお芋だの大根だの、
菜
(
な
)
や何かを売りに来る婆でございます」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
、
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
ののどかな村むらを、
粟毛
(
くりげ
)
に
額白
(
ぬかじろ
)
の馬をのりまわした糟谷は、
当時
(
とうじ
)
若
(
わか
)
い男女の
注視
(
ちゅうし
)
の
焦点
(
しょうてん
)
であった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ごちそうは、これも恒例で、赤飯に、小さいながらも、おかしら付きの
焼鯛
(
やきだい
)
、それに
菜
(
な
)
っ
葉
(
ぱ
)
汁
(
じる
)
と大根なますだった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
北野
(
きたの
)
を
出
(
で
)
はづれると、
麥畑
(
むぎばたけ
)
の
青
(
あを
)
い
中
(
なか
)
に、
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
の
黄色
(
きいろ
)
いのと、
蓮華草
(
れんげさう
)
の
花
(
はな
)
の
紅
(
あか
)
いのとが、
野面
(
のづら
)
を
三色
(
みいろ
)
の
染
(
そ
)
め
分
(
わ
)
けにして
其
(
そ
)
の
美
(
うつく
)
しさは
得
(
え
)
も
言
(
い
)
はれなかつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
おかみさんはあんな
青々
(
あおあお
)
した、
新
(
あたら
)
しい
菜
(
な
)
を
食
(
た
)
べたら、どんなに
旨
(
うま
)
いだろうと
思
(
おも
)
うと、もうそれが
食
(
た
)
べたくって、
食
(
た
)
べたくって、たまらない
程
(
ほど
)
になりました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
巌角
(
いわかど
)
を鋭どく廻って、
按摩
(
あんま
)
なら
真逆様
(
まっさかさま
)
に落つるところを、
際
(
きわ
)
どく右へ切れて、横に
見下
(
みおろ
)
すと、
菜
(
な
)
の花が一面に見える。雲雀はあすこへ落ちるのかと思った。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、やがて、
菜
(
な
)
もゆだったので、湯から揚げて水に
浸
(
ひた
)
した。それから、鍋を持ちあげて
井戸端
(
いどばた
)
の
溝
(
どぶ
)
のところまでもって行き、溝に煮え湯をこぼそうとした。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
私共夫妻が最初千歳村に来て、ある小川の流れに
菜
(
な
)
を洗う女の人に道問うた其れはH夫人であったそうです。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「また地球で、わしをからかうんだね。地球のことはもう
棚
(
たな
)
にあげときましょう。さて今夜の料理にはね、
牡牛
(
おうし
)
の舌の塩づけに、サラダ
菜
(
な
)
をそえて、その上に……」
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それが
火口
(
かこう
)
から
盛
(
も
)
り
上
(
あが
)
つて
出
(
で
)
る
形状
(
けいじよう
)
は、
西洋料理
(
せいようりようり
)
に
使
(
つか
)
はれる
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
に
似
(
に
)
てゐるから
菜花状
(
さいかじよう
)
の
雲
(
くも
)
と
呼
(
よ
)
ばれる。これには
鎔岩
(
ようがん
)
の
粉末
(
ふんまつ
)
が
加
(
くは
)
はつてゐるから
多少
(
たしよう
)
暗黒色
(
あんこくしよく
)
に
見
(
み
)
える。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
すると其処の電燈の下には、あの優しい花宝玉が、でっぷり肥った
阿姨
(
アイ
)
と一しょに、晩餐の食卓を囲んでいた。食卓には皿が二枚しかない。その又一つは
菜
(
な
)
ばかりである。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
春
(
はる
)
の
野路
(
のぢ
)
をガタ
馬車
(
ばしや
)
が
走
(
はし
)
る、
野
(
の
)
は
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
き
亂
(
みだ
)
れて
居
(
ゐ
)
る、フワリ/\と
生温
(
なまぬる
)
い
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
ゐて
花
(
はな
)
の
香
(
かほり
)
が
狹
(
せま
)
い
窓
(
まど
)
から
人
(
ひと
)
の
面
(
おもて
)
を
掠
(
かす
)
める、
此時
(
このとき
)
御者
(
ぎよしや
)
が
陽氣
(
やうき
)
な
調子
(
てうし
)
で
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
きたてる。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
さては谷川の岸に
菜
(
な
)
を洗いつつ、
路
(
みち
)
行く貴人に
艶
(
えん
)
なる
詞
(
ことば
)
を送り、見いだされてその家に
仕
(
つか
)
え、故郷の親兄弟を
悦
(
よろこ
)
ばせたりしたのかも知れぬが、
世
(
よ
)
降
(
くだ
)
ってはそれもことごとく
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
富太郎金三郎深田の
葦刈
(
よしかり
)
。女中三人は午前
菜
(
な
)
つけ。午後
裏畑
(
うらはた
)
草取
(
くさとり
)
。伝太郎を
頼
(
たのん
)
で十一俵買。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
げんげやたんぽぽや
菜
(
な
)
の花の上を渡って来る風で野天のようにカラリとしている。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
野には、
日当
(
ひあ
)
たりのいい所には草がすでにもえて、なず
菜
(
な
)
など青々としている。関さんはところどころで、足をとめて、そろそろ芽を出し始めた草をとった。そしてそれを清三に見せた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「海老の天ぷら、
菜
(
な
)
のひたしもの、
蠣
(
かき
)
鍋、
奴
(
やっこ
)
豆腐、えびと
鞘豌豆
(
さやえんどう
)
の茶碗もり——こういう料理をテーブルの上にならべられた時には、僕もまったく故郷へ帰ったような心持がしましたよ。」
マレー俳優の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それは去年の秋の頃、綿のような
黄金色
(
こがねいろ
)
なす羽に包まれ、ピヨピヨ鳴いていたのをば、私は毎日学校の
行帰
(
ゆきかえ
)
り、
餌
(
え
)
を投げ
菜
(
な
)
をやりして可愛がったが、今では立派に
肥
(
ふと
)
った
母鶏
(
ははどり
)
になったのを。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
野原は
菜
(
な
)
の花のさいているじぶんにしろ、稲の苗のうわったじぶんにしろ、月が出れば、明るくて美しいものです。しかし月が出ても出なくても、もう和太郎さんには、どうでもいいことです。
和太郎さんと牛
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
菜
(
な
)
の
花畠
(
はなばたけ
)
、
麦
(
むぎ
)
の畠、そらまめの花、
田境
(
たざかい
)
の
榛
(
はん
)
の木を
籠
(
こ
)
める
遠霞
(
とおがすみ
)
、村の
児
(
こ
)
の
小鮒
(
こぶな
)
を
逐廻
(
おいまわ
)
している
溝川
(
みぞかわ
)
、
竹籬
(
たけがき
)
、
薮椿
(
やぶつばき
)
の落ちはららいでいる、
小禽
(
ことり
)
のちらつく、何ということも無い田舎路ではあるが
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
良吉は
訝
(
いぶか
)
しさうに膳の上を見入つたが、其處には
故郷
(
くに
)
から來たらしい食物は一つもなかつた。甘つたるい
菜
(
な
)
つ
葉
(
ぱ
)
の
浸物
(
したし
)
に
鹽鱒
(
しほます
)
の燒いたのと、澤庵と
辣薤
(
らつきよう
)
とが珍しくもなく並んでゐるばかりだつた。
母と子
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
紅梅
(
こうばい
)
と
菜
(
な
)
の花を
生
(
い
)
けた
壺
(
つぼ
)
。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
前妻
(
こなみ
)
一二
が
菜
(
な
)
乞はさば
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
蝶
(
てふ
)
が
菜
(
な
)
のはをなぶるよに
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
菜
(
な
)
摘
(
つ
)
ます
児
(
こ
)
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そのころ、
白
(
しろ
)
い
雲
(
くも
)
のあわただしく
走
(
はし
)
る、
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
で、
子
(
こ
)
ねこは、
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
にとまろうとする、
白
(
しろ
)
い
胡蝶
(
こちょう
)
を
葉蔭
(
はかげ
)
にかくれて、ねらっていました。
どこかに生きながら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さて、つまみ
菜
(
な
)
、ちがへ
菜
(
な
)
、そろへ
菜
(
な
)
、たばね
菜
(
な
)
と、
大根
(
だいこ
)
のうろ
拔
(
ぬ
)
きの
葉
(
は
)
、
露
(
つゆ
)
も
次第
(
しだい
)
に
繁
(
しげ
)
きにつけて、
朝寒
(
あさざむ
)
、
夕寒
(
ゆふざむ
)
、やゝ
寒
(
さむ
)
、
肌寒
(
はだざむ
)
、
夜寒
(
よさむ
)
となる。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
煙草色
(
たばこいろ
)
の制服のなかで、機械工だけが許されている
菜
(
な
)
ッ
葉
(
ぱ
)
色制服のちがいで、女工たちのあいだに人気があった。
白い道
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
熟
(
う
)
れる
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
を見、飛ぶ蝶に
眠気
(
ねむけ
)
を誘われ、のどかな町の音響や、
城普請
(
しろぶしん
)
の
鑿
(
のみ
)
の音など聞いていると、将士は
無為
(
むい
)
に飽いて、ふとそんな錯覚すら抱くのだった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あるいは
雲雀
(
ひばり
)
に化して、
菜
(
な
)
の花の
黄
(
き
)
を鳴き尽したる
後
(
のち
)
、夕暮深き紫のたなびくほとりへ行ったかも知れぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お八重は叱るものが居なくなったせいか、
昨夜
(
ゆうべ
)
の残りの
冷飯
(
ひやめし
)
の全部と、
糠味噌
(
ぬかみそ
)
の中の大根や
菜
(
な
)
っ
葉
(
ぱ
)
を、
糠
(
ぬか
)
だらけのまま残らず平らげたために、烈しい下痢を起して
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
モウ二三
人
(
にん
)
来
(
く
)
るまで待つては
居
(
を
)
られぬ、
腹
(
はら
)
が
空
(
へつ
)
て
耐
(
たま
)
らぬのぢや——
是
(
これ
)
は
菜
(
な
)
めしと
間違
(
まちがへ
)
たと
云
(
い
)
ふ話です、
其頃
(
そのころ
)
は
商売
(
しやうばい
)
ではなかつたから、
其位
(
そのくらゐ
)
のものでござりましたらう。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それからは、
毎日
(
まいにち
)
毎日
(
まいにち
)
、
菜
(
な
)
の
事
(
こと
)
ばかり
考
(
かんが
)
えていたが、いくら
欲
(
ほ
)
しがっても、
迚
(
とて
)
も
食
(
た
)
べられないと
思
(
おも
)
うと、それが
元
(
もと
)
で、
病気
(
びょうき
)
になって、
日増
(
ひまし
)
に
痩
(
や
)
せて、
青
(
あお
)
くなって
行
(
ゆ
)
きます。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
第二十八 サラダサンドイッチ はチサ
菜
(
な
)
の若葉を塩水で洗ってよく水気を切っておきます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
春
(
はる
)
の
野
(
の
)
を
飾
(
かざ
)
つて
黄色
(
きいろ
)
な
布
(
ぬの
)
を
掩
(
おほ
)
うたやうな
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
も、
春
(
はる
)
らしい
雨
(
あめ
)
がちら/\と
降
(
ふ
)
つて
霜
(
しも
)
に
燒
(
や
)
けたやうな
葉
(
は
)
が
滅切
(
めつきり
)
と
青
(
あを
)
みを
加
(
くは
)
へて
來
(
き
)
た
頃
(
ころ
)
は
其
(
その
)
開
(
ひら
)
いた
葉
(
は
)
の
心部
(
しんぶ
)
には
只
(
たゞ
)
僅
(
わづか
)
な
突起
(
とつき
)
を
見出
(
みいだ
)
す。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一軒の小さな
八百屋
(
やおや
)
があって、
明
(
あかる
)
く
瓦斯
(
ガス
)
の燃えた下に、大根、
人参
(
にんじん
)
、
漬
(
つ
)
け
菜
(
な
)
、
葱
(
ねぎ
)
、
小蕪
(
こかぶ
)
、
慈姑
(
くわい
)
、
牛蒡
(
ごぼう
)
、
八
(
や
)
つ
頭
(
がしら
)
、
小松菜
(
こまつな
)
、
独活
(
うど
)
、
蓮根
(
れんこん
)
、里芋、
林檎
(
りんご
)
、蜜柑の類が
堆
(
うずたか
)
く店に積み上げてある。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
まだ
菜
(
な
)
の花も咲かず蝶々も出ないのですが、路傍の
蓬
(
よもぎ
)
や
田芹
(
たぜり
)
が芽ぐんで、森の蔭、
木立
(
こだち
)
の中に、眞珠色の
春霞
(
はるがすみ
)
が棚引いて、まだ
陽炎
(
かげろふ
)
は燃えませんが、早春の
裝
(
よそほ
)
ひは申し分もありません。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤
(
もっと
)
も、六人もの子供の食事を
賄
(
まかな
)
うのだから、お
菜
(
な
)
一つ買うのにも頭を使うと使わないとでは随分な違いになる訳であるが、
賤
(
いや
)
しいことを云えば、お
惣菜
(
そうざい
)
の献立なども大阪時代とは変って来て
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
“菜”の意味
《名詞》
(サイ)おかず。
(な)葉を食べる野菜。
(出典:Wiktionary)
菜
常用漢字
小4
部首:⾋
11画
“菜”を含む語句
前菜
玉菜
惣菜
蓴菜
菜園
菜切庖丁
野菜
青菜
御菜
干菜
白菜
乾菜
蔬菜
菜葉
漬菜
菜漬
小松菜
甜菜
菜葉服
野菜物
...