トップ
>
何
>
な
ふりがな文庫
“
何
(
な
)” の例文
「これは誠に恐れ入ります。御代官様の御相談ならばどんなことでも御相手になりましょう。どうか
何
(
な
)
んなりと仰せつけください。」
三人の百姓
(新字新仮名)
/
秋田雨雀
(著)
お千代は
何
(
な
)
にしろ芸者をやめて素人になれるという嬉しさが先に立っている時でもあり、また今まで世帯の苦労をした事がないので
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
文庫
(
ぶんこ
)
は
御宅
(
おたく
)
のでせうね。
可
(
い
)
いんでせうね」と
念
(
ねん
)
を
押
(
お
)
して、
何
(
な
)
にも
知
(
し
)
らない
下女
(
げぢよ
)
を
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
がらしてゐる
所
(
ところ
)
へ、
最前
(
さいぜん
)
の
仲働
(
なかばたらき
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
な
)
んといふ立派な考へであらう、どんなにどつさり立木を
描
(
か
)
いた所で、木は有合せ物で、
画家
(
ゑかき
)
の
懐中
(
ふところ
)
一つ痛めずに済む事なのだから。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ほんとうに
何
(
な
)
んにも、私は今あいつの葬式の出る所を見届けて来たんです。念の為に近所で聞いて見ましたがね。やっぱりそうでした。
幽霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
父も食客を置いてゐるから、僕もおいてやれと、置いてゐる内に、
何
(
な
)
んしろ、二十七と、二十一歳の美少年とだから、かなはない。
貧乏一期、二期、三期:わが落魄の記
(新字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
こんな事件に、
何
(
な
)
にも罪のないあたくしみたいなものが引込まれるなんて、あたし一生の不運だと思っていますわ、なんでもいいんです
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「私は決して怪しい者じゃありません、雨に降られたものですから、空家と思って入ったのです、
何
(
な
)
んとも申しわけがありません」
指環
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「お前がやはり、
先
(
さ
)
き
手出
(
てだし
)
をするから、それで喧嘩になるんだ。
何
(
な
)
にもせんで、黙っているものを打ったり突いたりするものはない。」
蝋人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
話し手、倉繁大一郎の調子には、
何
(
な
)
にかしら異常なものがありますが、それだけに聴衆に訴える力には、容易ならぬものがありました。
奇談クラブ〔戦後版〕:01 第四の場合
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
貴方
(
あなた
)
は、
何
(
な
)
んかてえと
家
(
うち
)
が淋しい淋しいツて
有仰
(
おつしや
)
いますけれども、そりや家に病身の人がゐりや、
自然
(
しぜん
)
陰氣
(
いんき
)
になりもしますわ。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
嗅煙草も歯車も
何
(
な
)
にもかもなんだ。今朝眼をさますと同時に解ったんじゃ、そうしてわしは外へ出て来て作男のゴーとも話したんじゃ。
作男・ゴーの名誉
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
何
(
な
)
にしろ
弱
(
よわ
)
つたらしい。……
舞臺
(
ぶたい
)
の
歸途
(
かへり
)
として、
今
(
いま
)
の
隧道
(
トンネル
)
を
越
(
こ
)
すのは、
芝居
(
しばゐ
)
の
奈落
(
ならく
)
を
潛
(
くゞ
)
るやうなものだ、いや、
眞個
(
まつたく
)
の
奈落
(
ならく
)
だつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
何
(
な
)
んぼ
何
(
な
)
んでも、不意に二人でいんだら、
家
(
うち
)
で
喫驚
(
びつくり
)
しますがな。』と、お光は
自家
(
うち
)
へ小池を伴なつて歸るのを
澁
(
しぶ
)
る樣子であつた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
何
(
な
)
ぜなら、いまだかつて何者も制御し得なかった反絵の狂暴を、ただ
一睨
(
いちげい
)
の視線の下に圧伏さし得た者は、
不弥
(
うみ
)
の女であったから。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
鐵材
(
てつざい
)
の
運搬役
(
うんぱんやく
)
でも、
蒸滊機關
(
じようききくわん
)
の
石炭
(
せきたん
)
焚
(
た
)
きでも
何
(
な
)
んでもよいから、
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
竣成
(
しゆんせい
)
するまで、
私
(
わたくし
)
を
然
(
しか
)
るべき
役
(
やく
)
に
遠慮
(
えんりよ
)
なく
使
(
つか
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
あたり前ならば大学生になれた
悦
(
うれ
)
しさに角帽をかぶって歩いてもいい時であるが、私は
何
(
な
)
んだか世の中が面白くなくって困った。
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
其所
(
そこ
)
で、
其
(
その
)
岩窟
(
がんくつ
)
なる
物
(
もの
)
が、
抑
(
そもそ
)
も
何
(
な
)
んであるかを
調
(
しら
)
べる
必用
(
ひつよう
)
を
生
(
しやう
)
じ、
坪井理學博士
(
つぼゐりがくはかせ
)
の
第
(
だい
)
一の
探檢調査
(
たんけんてうさ
)
となつた。それは九
月
(
ぐわつ
)
十二
日
(
にち
)
であつた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其間
(
そのあひだ
)
に
顏
(
かほ
)
を
合
(
あは
)
せる
事
(
こと
)
があつても、
口
(
くち
)
では
其事
(
そのこと
)
は
何
(
な
)
んにも
云
(
い
)
はない。そして
内
(
うち
)
に
歸
(
かへ
)
つてから
葉書
(
はがき
)
を
出
(
だ
)
す。チヨイト
面白
(
おもしろ
)
いものだよ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
百両なんてえ金を持ってる
気遣
(
きづけ
)
えはねえ、彼様な奴が
盗賊
(
どろぼう
)
だか
何
(
な
)
んだか知れやアしない、
此様
(
こん
)
な大きな石を入れて置きやアがって
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何
(
な
)
んでも料理法を研究すればそれぞれ利用法があるから非常の経済になる。食品を不経済に使うのは料理法を知らない人に限るね
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「貴様※みたいな、よそから来たものに
馬鹿
(
ばか
)
にされて
堪
(
たま
)
っか。早く銭を払え、銭を。ないのか、この野郎。ないなら
何
(
な
)
して物食った。こら」
祭の晩
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「あなたはしゃりこうべですもの——そんなことは言ったって言わなくたって、この世には
何
(
な
)
んにもならないことだとそう思いませんか。」
しゃりこうべ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
どうだの、これは
別
(
べつ
)
に、おいらが
堺屋
(
さかいや
)
から
頼
(
たの
)
まれた
訳
(
わけ
)
ではないが、
何
(
な
)
んといっても
中村松江
(
なかむらしょうこう
)
なら、
当時
(
とうじ
)
押
(
お
)
しも
押
(
お
)
されもしない、
立派
(
りっぱ
)
な
太夫
(
たゆう
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
何
(
な
)
んでえ
汝
(
われ
)
がまた、
牡馬
(
をんま
)
と
牝馬
(
めんま
)
だけの
血統證
(
けつとうしよう
)
だんべ、そんなもの
何
(
なん
)
に
成
(
な
)
るもんぢやねえ、
俺
(
お
)
れ
知
(
し
)
らねえと
思
(
おも
)
つて、
俺
(
お
)
ら
白河
(
しらかは
)
の
市
(
いち
)
で
聞
(
き
)
いてらあ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
又
(
また
)
一
面
(
めん
)
には
彼
(
かれ
)
は
立派
(
りつぱ
)
な
教育
(
けういく
)
を
受
(
う
)
け、
博學
(
はくがく
)
多識
(
たしき
)
で、
何
(
な
)
んでも
知
(
し
)
つてゐると
町
(
まち
)
の
人
(
ひと
)
は
言
(
い
)
ふてゐる
位
(
くらゐ
)
。で、
彼
(
かれ
)
は
此
(
こ
)
の
町
(
まち
)
の
活
(
い
)
きた
字引
(
じびき
)
とせられてゐた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
わたしの
骨折
(
ほねおり
)
なんかは、なんでもございませんわ。(画家は
何
(
な
)
んの事か、分らぬらしく、娘の顔を見る。娘は
間
(
ま
)
の
悪気
(
わるげ
)
に。)
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
そなたも
若
(
わか
)
いのに
歿
(
なく
)
なって、まことに
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なことであるが、
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
はすべて
老少不定
(
ろうしょうふじょう
)
、
寿命
(
じゅみょう
)
ばかりは
何
(
な
)
んとも
致方
(
いたしかた
)
がない。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
何
(
な
)
に
訳
(
わ
)
けはない、
自
(
おのず
)
から方便ありなんてヅウ/″\しく
遣
(
やっ
)
て居たが、とう/\
捕
(
つか
)
まったのが
可笑
(
おか
)
しい
所
(
どころ
)
か一時
大
(
おお
)
心配をした。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
さて
記
(
き
)
すべき事とは
何
(
な
)
にぞ、そは妾の身体の普通ならずして、牢獄にありし二十二歳の当時まで、女にはあるべき月のものを知らざりし事なり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
良
(
りやう
)
さんお
約束
(
やくそく
)
のもの
忘
(
わす
)
れては
否
(
いや
)
よ。アヽ
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
忘
(
わ
)
すれやアしなひ
併
(
しか
)
しコーツと
何
(
な
)
んだツけねへ。あれだものを
出
(
で
)
かけにもあの
位
(
くらゐ
)
願
(
ねが
)
つておいたのに。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「おん
者
(
しゃ
)
ら、一ちょう浪花節掛けエ! 虎造の森の石松やぜ。虎造はよう読みよる。
何
(
な
)
んしょ、
彼
(
てき
)
は声が良えさかいな」
俗臭
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
その
押
(
おさ
)
へて居ると云ふのは喜びに伴ふ悲哀でも
何
(
な
)
んでもない、
良人
(
をつと
)
と二人で子の傍へ帰つて来る事の出来なかつたのが
明
(
あか
)
らままに悲しいのである。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
『あんな物が、よしや、誰の手にわたろうと、
何
(
な
)
にほどの役に立つか。大工の引いた間取で、しかも、その後
幾度
(
いくたび
)
も、御邸内の普請は変っている』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その男というのはその時分
丁度
(
ちょうど
)
四十一二ぐらいで、
中々
(
なかなか
)
元気な人だったし、
且
(
か
)
つ職務柄、幽霊の話などは
初
(
てん
)
から「
何
(
な
)
んの
無稽
(
ばか
)
な」と
貶
(
けな
)
した方だった
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
「これも
今
(
いま
)
となつてみれば、
何
(
な
)
んでもない。
船
(
ふね
)
から
海
(
うみ
)
へ
棄
(
す
)
てようかと
思
(
おも
)
つたけれど、
到頭
(
たうとう
)
また
日本
(
にほん
)
へ
持
(
も
)
つて
帰
(
かへ
)
つた。」
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「吾は恆に思ほすことあり。
何
(
な
)
ぞといへば、
汝
(
いまし
)
の子目弱の王、人となりたらむ時、吾がその父王を殺せしことを知らば、還りて
邪
(
きたな
)
き心
一二
あらむか」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「おばあさまが喜んで下さることだったら、
何
(
な
)
んでもいたしますわ。あさってあたり、お
懐石
(
かいせき
)
でもしようかと、わたし、こっそり計画してますのよ。」
万年青
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
何
(
な
)
んでも
蚊
(
か
)
でも十数年の後には徒手にて出来る
工風
(
くふう
)
なれども、政府にてはまだ農業は
鄙事
(
ひじ
)
なりとでも思わるるにや
禾花媒助法之説
(新字新仮名)
/
津田仙
(著)
主人と衝突して、さっきから
無暗
(
むやみ
)
にむしゃくしゃして……。そら、
何
(
な
)
んとか云うでしょう。ああ、憂欝、憂欝……。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは、
獨
(
ひと
)
り
讀書
(
どくしよ
)
の
上
(
うへ
)
ばかりではない。
何
(
な
)
んでも、
自己
(
じこ
)
に
腰
(
こし
)
を
据
(
す
)
ゑて
掛
(
かゝ
)
らなければ、
男
(
をとこ
)
でも
女
(
をんな
)
でも、一
生
(
しやう
)
、
精神上
(
せいしんじやう
)
の
奴隷
(
どれい
)
となつて
死
(
し
)
んで
行
(
ゆ
)
く
他
(
ほか
)
は
無
(
な
)
いのだ。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ハハハ。友川の兄御も、お役を
退
(
ひ
)
かれた久世殿もその名前を御存じではあったろうが、
何
(
な
)
にせい相手が霞が関の黒田藩となると事が容易でないからのう」
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
付け狙っていた事はわかっておりますが、何分証拠がない事には致し方がございません。ドーブレクが女優の処へ来たと云う証拠もなく、
何
(
な
)
に一ツ手懸りを
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
「
何
(
な
)
に毒じゃない」そう云って彼は老翁の方を向いた。南京豆に
初
(
はじま
)
った私との会話は南京豆で終いになった。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「
何
(
な
)
にお寺なものか、お寺ならお師匠さまがゐて可愛がつて下さるだらうが、山の小僧は木の
股
(
また
)
から生れたから、お父さんもお母さんもなしの一人ぽつちよ。」
大寒小寒
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
貴様が
何
(
な
)
にを
為
(
し
)
ようと僕が何を
為
(
し
)
ようと、それが
他人
(
ひと
)
に害を及ぼさぬ限りはお互の自由です。
若
(
も
)
し
貴様
(
あなた
)
に秘密があるなら
自
(
みず
)
から
先
(
ま
)
ず秘密に
為
(
し
)
たら
可
(
よ
)
いでしょう。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
何
(
な
)
にがそんなに遊んではいけないのだろう? 遊んでいけないのより、
許可
(
おゆるし
)
をうけず外へ出るから、それがいけない、では許可をうければゆるしたか? なんの
旧聞日本橋:02 町の構成
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「おら、きのう須田から帰って来たばかりだごんだ。——あすこでもはあ、これから
何
(
な
)
じょにして行くか困ったもんだなあ、考えておら昨夜睡れなかったごんだ」
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ルーテルの幼きや、胡弓を人の
門口
(
かどぐち
)
に弾じて以て
自
(
みずか
)
ら給す、弾じ終りて家人の物を与えんとするや、彼れ
乍
(
たちま
)
ち赤面して
遁
(
のが
)
れ去れり。彼
何
(
な
)
んぞかくの如く小心なる。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
久振
(
ひさしぶり
)
で東京へ帰ッて参りまして、安心して休むつもりであッたところが、突然お呼出しになりまして、定めし
何
(
な
)
にか御馳走でもあるじゃろうと思ッて来たところが
人格の養成
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
“何”の解説
何(か)は、漢姓のひとつ。『百家姓』の21番目。
(出典:Wikipedia)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“何”を含む語句
何処
如何
何方
何故
何人
何時
何所
幾何
奈何
何樣
何程
何様
何日
何處
何事
如何様
何家
何分
何等
何者
...