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成
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な
ふりがな文庫
“
成
(
な
)” の例文
白刃
(
しらは
)
を
提
(
さ
)
げ、
素槍
(
すやり
)
を
構
(
かま
)
へて
行
(
ゆ
)
くのである。こんなのは、やがて
大叱
(
おほしか
)
られに
叱
(
しか
)
られて、
束
(
たば
)
にしてお
取上
(
とりあ
)
げに
成
(
な
)
つたが……
然
(
さ
)
うであらう。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鍬
(
くは
)
を
擔
(
かつ
)
いで
遺跡
(
ゐせき
)
さぐりに
歩
(
ある
)
き、
貝塚
(
かひづか
)
を
泥
(
どろ
)
だらけに
成
(
な
)
つて
掘
(
ほ
)
り、
其
(
その
)
掘出
(
ほりだ
)
したる
土器
(
どき
)
の
破片
(
はへん
)
を
背負
(
せお
)
ひ、
然
(
さ
)
うして
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
つて
井戸端
(
ゐどばた
)
で
洗
(
あら
)
ふ。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
られる
都合
(
つがふ
)
ならば
又
(
また
)
今
(
いま
)
までのやうにお
世話
(
せわ
)
に
成
(
な
)
りに
來
(
き
)
まする、
成
(
な
)
るべくは
鳥渡
(
ちよつと
)
たち
歸
(
かへ
)
りに
直
(
す
)
ぐも
出京
(
しゆつけう
)
したきものと
輕
(
かる
)
くいへば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
波は岩を、岩は波を噛んで、ここに
囂々
(
ごうごう
)
、
淙々
(
そうそう
)
の音を
成
(
な
)
しつつ、再び変圧し、転廻し、
捲騰
(
けんとう
)
し、
擾乱
(
じょうらん
)
する豪快無比の壮観を現出する。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
彼
(
かれ
)
が
薦
(
こも
)
つくこを
擔
(
かつ
)
いで
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
は
日向
(
ひなた
)
の
霜
(
しも
)
が
少
(
すこ
)
し
解
(
と
)
けて
粘
(
ねば
)
ついて
居
(
ゐ
)
た。お
品
(
しな
)
は
勘次
(
かんじ
)
が
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
ま
)
居
(
ゐ
)
なく
成
(
な
)
つたので
酷
(
ひど
)
く
寂
(
さび
)
しかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
で、
高等
(
かうとう
)
に
成
(
な
)
れば
隨
(
したがつ
)
てより
強
(
つよ
)
き
勢力
(
せいりよく
)
を
以
(
もつ
)
て、
實際
(
じつさい
)
に
反應
(
はんおう
)
するのです。
貴方
(
あなた
)
は
醫者
(
いしや
)
でおゐでて、
如何
(
どう
)
して
那麼譯
(
こんなわけ
)
がお
解
(
わか
)
りにならんです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
不知庵主人
(
フチアンシユジン
)
の
譯
(
やく
)
に
成
(
な
)
りし
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
に
對
(
たい
)
する
批評
(
ひゝやう
)
仲々
(
なか/\
)
に
盛
(
さかん
)
なりとは
聞
(
きゝ
)
けるが、
病氣
(
びやうき
)
其他
(
そのた
)
の
事
(
こと
)
ありて
余
(
よ
)
が
今日
(
こんにち
)
までに
見
(
み
)
たるは
僅
(
わづか
)
に
四五種
(
しごしゆ
)
のみ
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
尤も朝飯は
成
(
な
)
る
可
(
べ
)
く早く済まして、支度は成る可く
緩
(
ゆっく
)
りするという手はありました。先達は紐の付いた木製の椀を腰に下げていました。
登山談義
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
何となく気がつまりましたから、裏口から這入ってお
内儀
(
かみ
)
さんにお目通りを致しましたが、坊ちゃんは大層大きくお
成
(
な
)
んなさいましたな
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此
(
これ
)
を
以
(
もつ
)
て
相持
(
あひぢ
)
する、
此
(
こ
)
れ
説
(
ぜい
)
の
成
(
な
)
る
也
(
なり
)
。
伊尹
(
いゐん
)
は
(九七)
庖
(
はう
)
と
爲
(
な
)
り、百
里奚
(
りけい
)
は
(九八)
虜
(
りよ
)
と
爲
(
な
)
る、
(九九)
皆
(
みな
)
由
(
よ
)
つて
其上
(
そのかみ
)
に
干
(
もと
)
めし
所
(
ところ
)
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
〔譯〕
漸
(
ぜん
)
は必ず事を
成
(
な
)
し、
惠
(
けい
)
は必ず人を
懷
(
な
)
づく。
歴代
(
れきだい
)
姦雄
(
かんゆう
)
の如き、其
祕
(
ひ
)
を
竊
(
ぬす
)
む者有り、一時亦能く志を
遂
(
と
)
ぐ。畏る可きの至りなり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
そこで
父
(
とう
)
さんはお
墓參
(
はかまゐ
)
りに
行
(
ゆ
)
く
道
(
みち
)
の
方
(
はう
)
から、
成
(
な
)
るべく
知
(
し
)
つた
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
はない
田圃
(
たんぼ
)
の
側
(
わき
)
を
通
(
とほ
)
りまして、こつそりと
出掛
(
でか
)
けて
行
(
ゆ
)
きました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
論據
(
ろんきよ
)
は
斯
(
か
)
うでした、
若
(
も
)
し
何事
(
なにごと
)
にせよ、
全
(
まつた
)
く
時間
(
じかん
)
を
要
(
えう
)
せずして
成
(
な
)
し
了
(
を
)
うせられなかつたなら、
所有
(
あらゆる
)
周圍
(
しうゐ
)
の
誰
(
たれ
)
でもを
死刑
(
しけい
)
に
處
(
しよ
)
する。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
毎々
(
つねづね
)
申され候事に、神道を明白に人々の腹へ入る如く書を著し、 天朝より開板して天下へ御
頒示
(
はんじ
)
成
(
な
)
されたしと
頻
(
しきり
)
に
祈念
(
きねん
)
仕り居られ候。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
グレ さうよなァ、
頸根
(
くびね
)
ッ
子
(
こ
)
は、
成
(
な
)
ろうなら、
頸輪
(
コラー
)
(
首枷
(
くびかせ
)
)から
引
(
ひ
)
ッこ
拔
(
ぬ
)
いてゐるがよいてや。(罪人にはならぬがよいてや)。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
不思議なもので一度、良心の力を失なうと今度は反対に積極的に、不正なこと、思いがけぬ
大罪
(
たいざい
)
を
成
(
な
)
るべく為し
遂
(
とげ
)
んと務めるものらしい。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
螢草
(
ほたるぐさ
)
、
鴨跖草
(
おうせきそう
)
なぞ云って、
草姿
(
そうし
)
は見るに足らず、唯二弁より
成
(
な
)
る花は、全き花と云うよりも、いたずら子に
挘
(
むし
)
られたあまりの花の断片か
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「あの友人の細君があなたの娘さんのチーちゃんに
合
(
あ
)
いたい、
成
(
な
)
るたけ早く来て呉れと言って居りましたよ」と言ったんです。
あの世から便りをする話:――座談会から――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それを
石橋
(
いしばし
)
と
私
(
わたし
)
とで
頻
(
しきり
)
に
掘出
(
ほりだ
)
しに
掛
(
かゝ
)
つた、すると
群雄
(
ぐんいう
)
四方
(
しはう
)
より
起
(
おこ
)
つて、
響
(
ひゞき
)
の声に
応
(
おう
)
ずるが
如
(
ごと
)
しです、
是
(
これ
)
が
硯友社
(
けんいうしや
)
創立
(
さうりつ
)
の
導火線
(
だうくわせん
)
と
成
(
な
)
つたので
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
あたらずとも六分
利付
(
りつき
)
で
損
(
そん
)
なしといふやうな
事
(
こと
)
が、可
成
(
な
)
り空
頼
(
たの
)
めな
事
(
こと
)
ながら、一
面
(
めん
)
空
想
(
さう
)
家
(
か
)
の青木さんの
氕持
(
きもち
)
を
強
(
つよ
)
く
刺
(
し
)
げきした。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そう
言
(
い
)
いながら、
私
(
わたくし
)
は
成
(
な
)
るべく
先方
(
むこう
)
を
驚
(
おどろ
)
かさないように、
徐
(
しず
)
かに
徐
(
しず
)
かに
腰
(
こし
)
を
降
(
おろ
)
して、この
可愛
(
かわい
)
い
少女
(
しょうじょ
)
とさし
向
(
むか
)
いになりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
皇祖天皇が始めて
中
(
なか
)
つ
国
(
くに
)
に
御遷
(
おうつ
)
りなされた時には、すでにそれ以前からの来住者の、
邑里
(
ゆうり
)
を
成
(
な
)
し各々首長を戴いている者が少なくなかった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この時期は
成
(
な
)
る
丈
(
た
)
け早く通過すべきである。日本探偵小説の如何に長くこの時期にウロツイていることか。笑う
可
(
べ
)
きである。
思ったままを!
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
二寸も
突込
(
つきこも
)
うと云うには非常の力を入れて握るから二ツの脚が一ツに
成
(
な
)
るのサ(大)一ツに
成
(
なっ
)
ても穴は横に
扁
(
ひら
)
たく開く筈だ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
光陰
(
くわういん
)
は矢よりも早く流るゝ水に
宛
(
さも
)
似
(
に
)
たり正徳元年
辛卯年
(
かのとうどし
)
と
成
(
な
)
れり玉之助も今年七歳になり嘉傳次が病死の後は感應院方へ
引取
(
ひきとら
)
れ弟子となり名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
なにも、
学校
(
がっこう
)
へいったら、みんなが
偉
(
えら
)
くなるというのでない。りっぱな
商人
(
しょうにん
)
には、
小僧
(
こぞう
)
から
成
(
な
)
り
上
(
あ
)
がるものが
多
(
おお
)
いのだよ。
子供はばかでなかった
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
熱烈な恋愛から
成
(
な
)
った様に
噂
(
うわさ
)
される氏の結婚の内容なども、実は、氏の妻が女性としてよりは、
寧
(
むし
)
ろ「人」として氏のその時代の
観賞
(
かんしょう
)
にかない
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
徳川家が将軍に
成
(
な
)
った末で余り勢いは強くなかったけれども、とにかく将軍というものが政権を持っておってその上に
天子様
(
てんしさま
)
がおられるという。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうして
見
(
み
)
ると、
唐書
(
たうしよ
)
の
列傳
(
れつでん
)
に
出
(
で
)
てゐる
筈
(
はず
)
だと
云
(
い
)
ふのである。しかし
閭
(
りよ
)
がゐなくては
話
(
はなし
)
が
成
(
な
)
り
立
(
た
)
たぬから、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
もゐたことにして
置
(
お
)
くのである。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
成
(
な
)
ればその
栄誉
(
えいよ
)
を
専
(
もっぱ
)
らにし敗すればその
苦難
(
くなん
)
に当るとの主義を
明
(
あきらか
)
にするは、士流社会の
風教上
(
ふうきょうじょう
)
に
大切
(
たいせつ
)
なることなるべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「
左様
(
さう
)
さナ」と主人は頬
撫
(
な
)
でつゝ「
先
(
ま
)
づ不敬罪あたりへ持つて行くのだ、吹つ掛けは
成
(
な
)
るべく大きくないと
不可
(
いかん
)
からナ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
これを一読するに
惜
(
おし
)
むべし論者は
幕末
(
ばくまつ
)
外交の
真相
(
しんそう
)
を
詳
(
つまびらか
)
にせざるがために、
折角
(
せつかく
)
の評論も全く事実に
適
(
てき
)
せずして
徒
(
いたずら
)
に一篇の
空文字
(
くうもんじ
)
を
成
(
な
)
したるに過ぎず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
凡
(
およ
)
そ
眞
(
しん
)
の
化物
(
ばけもの
)
といふものは、
何處
(
どこ
)
の
部分
(
ぶぶん
)
を
切
(
き
)
り
離
(
はな
)
しても、一
種
(
しゆ
)
異樣
(
いやう
)
な
形相
(
げうさう
)
で、
全體
(
ぜんたい
)
としては
渾然
(
こんぜん
)
一
種
(
しゆ
)
の
纏
(
まと
)
まつた
形
(
かたち
)
を
成
(
な
)
したものでなければならない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
左樣
(
さやう
)
でござります。
愚老
(
ぐらう
)
の
頭
(
あたま
)
を
草紙
(
さうし
)
にして、
御城代樣
(
ごじやうだいさま
)
のお
月代
(
さかやき
)
をする
稽古
(
けいこ
)
をなさいますので、
成
(
な
)
るたけ
頭
(
あたま
)
を
動
(
うご
)
かしてくれといふことでござりまして。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
此処
(
ここ
)
で木曜日には特別に舞踏の
巧
(
うま
)
い
連中
(
れんぢゆう
)
許
(
ばかり
)
が踊る。其れで平生の入場料は三フラン(一円二十銭)だが、
其
(
その
)
晩に限つて六フラン取る事に
成
(
な
)
つて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
すると、
先
(
ま
)
づ
裁縫
(
さいほう
)
の
本
(
ほん
)
とか、
料理
(
れうり
)
の
本
(
ほん
)
とか、
或
(
あるひ
)
は
又
(
また
)
育兒
(
いくじ
)
に
關
(
くわん
)
する
本
(
ほん
)
とかいふものがある。
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
これは、
大抵
(
たいてい
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
婦人
(
ふじん
)
のみに
用
(
よう
)
のある
書物
(
しよもつ
)
である。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
或
(
あ
)
る一
學生
(
がくせい
)
は
横濱
(
よこはま
)
まで
行
(
ゆ
)
きましたが、
晩
(
ばん
)
に
成
(
な
)
つても
歸
(
かへ
)
りませんから、
心配
(
しんぱい
)
して
電報
(
でんぱう
)
もて
其
(
そ
)
の
消息
(
せうそく
)
を
問
(
と
)
ひ
合
(
あは
)
せました。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
そう云われて見ると、己は
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
尤
(
もっと
)
もだと云うような気にもなった。そうして己が考えて居た「藝術」と云うものは、いよ/\間違って居るのだった。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
綱吉の“
柳沢
(
やなぎさわ
)
お
成
(
な
)
り”といって、町でも評判な柳沢
吉保
(
よしやす
)
のやしきへ出かけた回数も、五十数回という
頻繁
(
ひんぱん
)
さだった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
蔭
(
かげ
)
で繪は一日々々に繪になツて來る、繪に
成
(
な
)
るに從ツて其れが平凡となる、時には殆んど調子さへ出て
居
(
を
)
らぬ
劣惡
(
れつあく
)
な作のやうに思はれることもあツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
きまりの悪そうなのも道理、この屋台店の主婦というのが、本郷の山岡屋の
内儀
(
ないぎ
)
のお滝が
成
(
な
)
れの
果
(
はて
)
でありました。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その
万人
(
まんにん
)
が
万人
(
まんにん
)
、
好
(
す
)
きで
好
(
す
)
きでたまらねえ
女
(
おんな
)
の、これが
本当
(
ほんとう
)
の
匂
(
におい
)
だろうじゃねえか。
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
、
肌
(
はだ
)
の
匂
(
におい
)
もある。
髪
(
かみ
)
の
匂
(
におい
)
もある。
乳
(
ちち
)
の
匂
(
におい
)
もあるにァ
違
(
ちげ
)
えねえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
、これは私が悪う御座いました。こんな物は今まで御覧になった事がないと見えます。それではもっと直ぐにお役に立つものを差し上げましょう」
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
初学の士は最初
成
(
な
)
るべく学識経験の積んだ指導者に
就
(
つ
)
きて、這間の消息に通ずべく心懸けるのが安全であろう。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
ンヤ
好
(
エ
)
デヤなア、
雪
(
ユギ
)
ア
解
(
と
)
ゲデセエ、
鯡
(
ニシ
)
ゴト
日當
(
ひあダ
)
りの
屋根
(
ヤネ
)
サ干すエネ
成
(
な
)
れば
田
(
タコ
)
ア
忙
(
エそ
)
がしグ
成
(
な
)
テ、
夫
(
オド
)
と
晝間
(
シルマ
)
まで
田
(
タコ
)
掻廻
(
カマ
)
して、それガラ
田畔
(
タノクロ
)
サあがテせ、
飯
(
ママ
)
も
喰
(
ク
)
ば
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
右、
鱗茎
(
りんけい
)
は白色、あるいは黄色の
鱗片
(
りんぺん
)
が
相重
(
あいかさ
)
なって
成
(
な
)
っているが、この
鱗片
(
りんぺん
)
は実は葉の変形したものである。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
円
(
まる
)
いなだらかな小山のような所を
下
(
おり
)
ると、幾万とも数知れぬ
蓮華草
(
れんげそう
)
が
紅
(
あこ
)
う燃えて
咲揃
(
さきそろ
)
う、これにまた目覚めながら
畷
(
なわて
)
を拾うと、そこは
稍
(
やや
)
広い街道に
成
(
な
)
っていた。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
日月
(
じつげつ
)
は地におち、
須彌山
(
すみせん
)
はくづるとも、
彼
(
かの
)
女人
(
によにん
)
、
佛
(
ほとけ
)
に
成
(
な
)
らせ
給
(
たまは
)
ん事疑なし。あらたのもしや、たのもしや
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ついと横からそれを千之介ならで林田門七が奪い乍らさえ切ると、すべてのその秘密を知りつくしているがためにか、君前を
執
(
と
)
り
成
(
な
)
そうとするかのように言った。
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
而
(
しか
)
も
其時期
(
そのじき
)
は
成
(
な
)
るべく
速
(
すみやか
)
に
之
(
これ
)
を
決行
(
けつかう
)
せざるを
得
(
え
)
ぬと
決心
(
けつしん
)
したのは
右
(
みぎ
)
の
事情
(
じじやう
)
によるからであつたのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
成
常用漢字
小4
部首:⼽
6画
“成”を含む語句
成長
相成
形成
成立
完成
可成
成就
成程
構成
成熟
成人
成功
御成
成道
老成
成丈
行成
編成
大願成就
相成候
...