“相重”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいかさ50.0%
あいかさな50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
右、鱗茎りんけいは白色、あるいは黄色の鱗片りんぺん相重あいかさなってっているが、この鱗片りんぺんは実は葉の変形したものである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
戦争は偶然にも巴里のような大きな都会の響からしばらくのがれ去る機会を彼に与えた。あの石造の街路をきしる電車と自動車と荷馬車との恐ろしげな響から。あの層々相重あいかさなる窮屈な石造の建築物たてものから。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
中巻第一図と第二図とは本所御船蔵ほんじょおふなぐらを望む両国広小路りょうごくひろこうじ雑沓ざっとうなり。日傘菅笠すげがさ相重あいかさなりて葭簀よしずを張りし見世物小屋みせものごやの間に動きどよめきたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かくして地球がいくらかいびつになること、人工竜巻の生ずるモーメント、それと月世界の質量の増加することとが、相重あいかさなり合って、ついに地軸がかくも廻ったのであった。