相重あいかさ)” の例文
右、鱗茎りんけいは白色、あるいは黄色の鱗片りんぺん相重あいかさなってっているが、この鱗片りんぺんは実は葉の変形したものである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
戦争は偶然にも巴里のような大きな都会の響からしばらくのがれ去る機会を彼に与えた。あの石造の街路をきしる電車と自動車と荷馬車との恐ろしげな響から。あの層々相重あいかさなる窮屈な石造の建築物たてものから。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かく花の時は葉がなく、葉の時は花がないので、それでハミズハナミズ(葉見ず花見ず)の名がある。鱗茎りんけい球形きゅうけい黒皮こくひこれを包み、中は白色で層々そうそう相重あいかさなっている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)