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狃
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な
ふりがな文庫
“
狃
(
な
)” の例文
いわゆる
趙翼
(
ちょうよく
)
がすなわち人情なお故見に
狃
(
な
)
れ、天意すでに別れて新局に換うるを知る者にして天下の大勢やむべからざるがゆえにあらずや。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
多分白鷹氏は、こうした私の面会ぶりがあまりにも突然で
狃
(
な
)
れ狃れしいのに驚いて、面喰っておられた事と思う。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は自らに問うた、——これは蔑みに
狃
(
な
)
れた心であらうか、それとも美に負けた心であらうか。……
垂水
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
常に
狃
(
な
)
れないだけに、剣といへば、ろまんちっくな、而も潔白な感動の催すことが、屡だつたと思はれる。此外にも既に、とり出して述べた連作にまじつて居るものが相当にある。
橘曙覧評伝
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
しかし実際上多くの場合においては、彼らはその特殊の地位に
狃
(
な
)
れ、以て国家優遇の恩に背くこと甚だ少なくはない。甚だしきは、その特権を濫用して、一般の利福を
蔑
(
ないがしろ
)
にするものすらある。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
▼ もっと見る
彼
自
(
みず
)
から曰く、「格物の天地造化におけるはかえって
易
(
やす
)
く、人情
世故
(
せこ
)
におけるはかえって
難
(
かた
)
し。
吾人
(
ごじん
)
は
須
(
すべか
)
らくその易き所に
狃
(
な
)
れて、その難き所に
倦
(
う
)
むべからず」
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
しかも眼を定めてよく見れば、長崎にて噂にのみ聞きし南蛮新渡来の
燧器械付
(
ひうちぎかいつき
)
、二
聯筒
(
れんづゝ
)
なり。使ひ
狃
(
な
)
れたる和尚の物腰、体の構へ、寸毫の逃るゝ隙も見えざりけり。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
コンナ粋な女に識合いはない筈だがと、吾輩が首をひねっているにも
拘
(
かか
)
わらず、女将は
狃
(
な
)
れ狃れしく近寄って来て、
溢
(
あふ
)
るるばかりの愛嬌を
滴
(
したた
)
らしながら椅子をすすめた。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その鮮やかな、
狃
(
な
)
れ切った手付を見た時に私はゾッとするぐらい感心させられてしまった。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
金や女の幽霊なら、お茶の子サイサイ
狃
(
な
)
れ切っとるが、今度の奴は特別
誂
(
あつら
)
えの日本の水雷艇みたような奴じゃ。
流石
(
さすが
)
のバルチック艦隊も振放しかねて
浦塩
(
うらじお
)
のドックに這入り損のうとる。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
モウ少しで気絶するところで御座いました。直ぐに草の中に身を伏せて、闇に
狃
(
な
)
れた眼でよく見ますと、それはヤッパリ最前、麻酔させたばっかりの白髪頭の小使爺に相違御座いませぬ。
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
暗黒に
狃
(
な
)
れて来た眼でソッと覗いてみますと、運動会用の大きな張子の
達磨
(
だるま
)
様のお尻の間に
平突張
(
へいつくば
)
って、威丈高になっていられる虎間先生の前に両手を突いて、半泣きの声を出しながら
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その遺児の長男、奈良原
牛之介
(
うしのすけ
)
というのが又、親の血を受けていたらしい。天下無敵の快男児で、乱暴者ばかり扱い
狃
(
な
)
れている内田良平、杉山茂丸も持て余した程の喧嘩の専門家であった。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そのソモソモの
狃
(
な
)
れ
初
(
そ
)
めというのは、実につまらないキッカケからだった。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
目下のところ、確定しているのは東作が犯人でないことと、犯人らしい奴が麻酔薬の使用に
狃
(
な
)
れている事と、この二つだけです。しかしソンナ犯人が、この方面へ立廻わった形跡があるのですか
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その冠り方や柄で不良かどうかはわかると、
狃
(
な
)
れた刑事は云う。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
東京の学生生活に
狃
(
な
)
れ過ぎて
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
狃
漢検1級
部首:⽝
7画
“狃”を含む語句
狃染
公山不狃
狃染甲斐
狃聞
狃除