“世故”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せこ89.7%
せいこ10.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……権門へ頭をさげて通うくらい気のわるい思いはない。やれやれ、さむらいにも、世辞せじやら世故せこやら、世渡りのる世になったの
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世故せこに長けた先生はそれにはわざと答えずに、運動帽をぎながら、五分刈ごぶがりの頭のほこりを勢よく払い落すと、急に自分たち一同を見渡して
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
人情世故せいこにあくまで通じていた忠利は病苦の中にも、つくづく自分の死と十八人の侍の死とについて考えた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ひるがえって思うに、太祖の遺詔に、果して諸王の入臨をとどむるの語ありしや否や。あるいは疑う、太祖の人情に通じ、世故せいこに熟せる、まさにかくの如きの詔をのこさゞるべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)