“せこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セコ
語句割合
世故40.0%
勢子35.4%
背子4.6%
夫子4.6%
3.1%
世估1.5%
世古1.5%
兄子1.5%
列卒1.5%
列子1.5%
情郎1.5%
脊子1.5%
1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世故せこに長けた先生はそれにはわざと答えずに、運動帽をぎながら、五分刈ごぶがりの頭のほこりを勢よく払い落すと、急に自分たち一同を見渡して
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
畔道に三十間ばかりずつ間隔を置いて、勢子せこの四人は立ったのである。そこで、また帰ってきた親蜂に斜酣は真綿をくわえさせた。
採峰徘菌愚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
わが背子せこをこちこせ山と人は言へど君も来まさ山の名ならしにあらし (巻七、雑)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
夫子せこ假廬かりほつくらす。かやなくば、小松こまつしたのかやをらさね
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
海のせこ颶風はやて
佐藤春夫詩集 (旧字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
当時の蔵前の札差ふださしや、浜方などとの取引関係から、数算にたけ、世估せこに長じていなければならない、いわゆる世渡り上手の人物でなければならないのに
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ところへ仙夢さんがこの家の主人世古せこ太夫だゆうさんを案内して来て、少時しばらくの間沼津物語に花が咲いた。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
あれ、彼処あしこに我が兄子せこの、狩の扮装いでたちをして野原にせて行きやる。あれ、馬から落ちられた。
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
となぜか弱いを吹いた……差向いをずりさがって、割膝でかしこまった半纏着の欣八刑事、風受かざうけのいきおいに乗じて、土蜘蛛つちぐもの穴へ深入ふかいりに及んだ列卒せこの形で、肩ばかりそびやかして弱身を見せじと
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
裏へ廻わると、ほころびた処があるので。……姉さんはしなよく消えたが、こっちは自雷也じらいやの妖術にアリャアリャだね。列子せこという身で這込はいこみました。が、それどころじゃあねえ。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
情郎せここそ呼べと駈けいでて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
わが脊子せこよ君も物憂しかること言放いひはなつまで狂ほしきかな
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
何百丈か何千丈か、乾反ひそり返つて聳え立つた岩壁の頂上に坐つて恐る/\眼下を見てゐると、多くはせこになつた森の茂みに籠つて實に數知れぬ鳥の聲が起つてゐる。
鳳来寺紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)