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為
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な
ふりがな文庫
“
為
(
な
)” の例文
旧字:
爲
それが豊富に残存しているのを見るにつけても、三つのことが直ちに
為
(
な
)
されねばならぬことを痛感致します。第一は調査であります。
北支の民芸(放送講演)
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
彼らの残りの
生涯
(
しょうがい
)
は、自己
真似
(
まね
)
をすることのうちに過ぎてゆき、昔生存していたころに言い
為
(
な
)
し考えあるいは愛したところのことを
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
種々
(
いろ/\
)
なる感想が自分の胸に
潮
(
うしほ
)
のやうに集つて来て、其山中の村が何だか自分と深い宿縁を
有
(
も
)
つて居るやうな気が
為
(
し
)
て、何うも
為
(
な
)
らぬ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
詩人とか歌人とか俳人とか一身をその専門の業に投じた人のする事で、文明の道に進むべき多忙多事なる青年輩の
為
(
な
)
すべき事でない。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
碑文に「辛未、宣教判官ニ拝ス。既ニシテマタ権大法官、五等判事ニ歴任ス。官廃セラレテ
罷
(
や
)
ム。マタ
起
(
た
)
ツテ司法少書記官ト
為
(
な
)
ル。」
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
昔は孔子のいわく、富にして求むべくんば
執鞭
(
しつべん
)
の士といえども
吾
(
われ
)
またこれを
為
(
な
)
さん、もし求むべからずんばわが好むところに従わんと。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
聖にして熱ある悲慨、我が心頭に入れり。罵者の声耳辺にあるが如し、我が
為
(
な
)
すなきと、我が言ふなきと、我が行くなきとを責む。
一夕観
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
三年前に
久離
(
きゅうり
)
切って勘当され、二十五にもなるいい若い者が、妻恋坂の知り合いの二階に
為
(
な
)
すこともなくゴロゴロ暮しているのでした。
銭形平次捕物控:020 朱塗の筐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
或る年の三、四月頃、江戸では
鰹
(
かつお
)
の大漁で、
到
(
いた
)
る処の
肴屋
(
さかなや
)
では鰹の山を
為
(
な
)
していました。それで何処の台所へもざらに鰹が
這入
(
はい
)
る。
幕末維新懐古談:17 猫と鼠のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
造船職工の仕事の多くは工場外の大空の下で
為
(
な
)
すのであつて、冬は寒風に吹き
晒
(
さら
)
され、夏は炎天に照りつけられるのがならひであつた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
が、俺たちの
為
(
な
)
す処は、退いて見ると、
如法
(
にょほう
)
これ下女下男の
所為
(
しょい
)
だ。
天
(
あめ
)
が下に何と烏ともあろうものが、大分権式を落すわけだな。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「私には信じられない、私は久世侯をかなりよく知っている、侯の人と
為
(
な
)
りからみて、そこまで企むことができるとは思われない」
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
門弟
為
(
な
)
す所を知らずして恐る恐る理由を問うこと再三に及びし時、妾は盲人なれども鼻は
確
(
たしか
)
なり、
匇々
(
そうそう
)
に去って
含嗽
(
がんそう
)
をせよと云いしとぞ
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
張昺部下にして内通せる
李友直
(
りゆうちょく
)
を
布政司
(
ふせいし
)
参議
(
さんぎ
)
と
為
(
な
)
し、
乃
(
すなわ
)
ち令を下して諭して曰く、予は太祖高皇帝の子なり、今
奸臣
(
かんしん
)
の為に謀害せらる。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ここにいる三名の人々も、自分の真底をいえば皆、前のうちのどれか一つの言を
為
(
な
)
すにちがいないと、武蔵にもそれは分っている。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ彼等の
為
(
な
)
すがままにして、彼等と共に遊ぶ心でいると、子供たちは、次第次第に、土地の自然そのものから
和
(
やわ
)
らげてゆきます。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
若しやこの老人の不吉な言葉が
讖
(
しん
)
を
為
(
な
)
すのではあるまいかと、いやな予感に、目の先が暗くなって、ゾッと身震いを感じるのであった。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
本当の社会に活用する活発発地の真実仏教の真面目を
顕揚
(
けんよう
)
することに注意せず、こういう悪い風俗習慣を打ち破ることをも
為
(
な
)
さずして
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
人間はその素質と境遇とそれらを改造する努力とに由って
為
(
な
)
し得る限りの道徳生活を建設することが最上の幸福であると信じております。
平塚さんと私の論争
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
結局何を苦しみ、何を楽しんでいるのか、また何を
為
(
な
)
すべきか等と云う事も一つの永遠に解き得ない謎になってしまうのである。
現代語訳 方丈記
(新字新仮名)
/
鴨長明
(著)
僅か五隻のペリー艦隊の前に
為
(
な
)
す
術
(
すべ
)
を知らなかったわれらが、日本海の海戦でトラファルガー以来の勝利を得たのに心を躍らすのである。
マードック先生の『日本歴史』
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しんじつ我々は、我々の愛する者について、その者の永生より以上にその者の
為
(
な
)
したことが永続的であることを願うであろうか。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
私はウラスマル君の
斯
(
こ
)
んな行為が何んな目的から
為
(
な
)
されてゐるのかと云ふ疑問に対して深い興味を持たずにはゐられなくなつた。
アリア人の孤独
(新字旧仮名)
/
松永延造
(著)
しかし自分の政府の
為
(
な
)
したことは、何事にもあれこれであるが如く認め、これに賛同しこれを助けることが果して真の愛国心であろうか。
真の愛国心
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
しかのみならず百姓が
中間
(
ちゅうげん
)
と
為
(
な
)
り、中間が
小頭
(
こがしら
)
となり、小頭の子が小役人と為れば、すなわち下等士族中に
恥
(
はず
)
かしからぬ地位を
占
(
し
)
むべし。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それで古人も終日なして而も
行
(
こう
)
せずといったが、もしこの直覚より見れば動中に静あり、
為
(
な
)
して而も為さずということができる。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
さてうべなひし上にて、その
為
(
な
)
し難きに心づきても、
強
(
しひ
)
て当時の心虚なりしを掩ひ隠し、耐忍してこれを実行すること屡々なり。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
人生の複雑なる経験から来る深い思慮、哲学上の思索、道徳の観念、すべてそれらのものは文学の基調を
為
(
な
)
すべきものであろう。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
常に他の孤児と一所に居らず暗き隅に
竄
(
かく
)
る、衣を着せると細かく裂いて糸と
為
(
な
)
しおわる、数月院にあって熱病に罹り食事を絶って死した。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかし人生を愛重するものは、いかなる代価を払っても信仰の上に立ちての解決を計り、神の
為
(
な
)
し給う所の正しきを証さなくてはならぬ。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
笠原は
何時
(
いつ
)
も私について来ようとしていないところから、
為
(
な
)
すことのすべてが私の犠牲であるという風にしか考えられなかった。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
しかし
今日
(
こんにち
)
の
所
(
ところ
)
では
病院
(
びょういん
)
は、
確
(
たしか
)
に
市
(
し
)
の
資力
(
ちから
)
以上
(
いじょう
)
の
贅沢
(
ぜいたく
)
に
為
(
な
)
っているので、
余計
(
よけい
)
な
建物
(
たてもの
)
、
余計
(
よけい
)
な
役
(
やく
)
などで
随分
(
ずいぶん
)
費用
(
ひよう
)
も
多
(
おお
)
く
費
(
つか
)
っているのです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
実のところ、前川の如き中年の男にとっては、美和子のような年頃の女の子の、いうこと
為
(
な
)
すこと、一々が思案のほかであった。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それをまた仲間のうちに語り伝えて、彼らの執念の深さを人に感ぜしめ、
暗々裡
(
あんあんり
)
に
渡世
(
とせい
)
の地を
為
(
な
)
したらしい形跡もあるのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
半生を通して
繞
(
めぐ
)
りに繞った
憂鬱
(
ゆううつ
)
——言うことも
為
(
な
)
すことも考えることも皆そこから起って来ているかのような、あの名のつけようの無い
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ほとほと感に堪えまして直ちに主従の誓いを
為
(
な
)
し、共に山中を立ち出でて人界に戻りましてござりますが、わずかの間に岩石ヶ城を築き
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
日本詩壇に於ける象徴詩の伝来、日なほ浅く、作未だ多からざるに当て、
既
(
すで
)
に早く評壇の一隅に
囁々
(
しようしよう
)
の語を
為
(
な
)
す者ありと聞く。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
されども彼の聴水は、金眸が
股肱
(
ここう
)
の臣なれば、
他
(
かれ
)
を責めなば
自
(
おのず
)
から、金眸が
洞
(
ほら
)
の様子も知れなんに、暫くわが
為
(
な
)
さんやうを見よ
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
しかし、依然として襲う淵のような空虚さが、ますます明瞭に彼の心を沈めていった。彼はもはや、
為
(
な
)
すべき自身の何事もないのを感じた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
(「法隆寺」より)——この卓抜な着想は、上宮太子の
為
(
な
)
されしところで、ここからあの無比の威厳があふれ出たのであろう。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
宮は
毫
(
いささ
)
かもこれも
咎
(
とが
)
めず、出づるも
入
(
い
)
るも唯彼の
為
(
な
)
すに任せて、あだかも旅館の
主
(
あるじ
)
の
為
(
す
)
らんやうに、
形
(
かた
)
ばかりの送迎を怠らざると
謂
(
い
)
ふのみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
彼女自身にとつては全く性的衝動なしに
為
(
な
)
し
遂
(
と
)
げられたこの偶発事件は、彼女を肉体的にではなしに、精神的にのみ
刺戟
(
しげき
)
したかの様であつた。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
いざといふ場合に
為
(
な
)
ると、基督の精神も何も有つたもので無い、
婦人
(
をんな
)
の愚痴に
復
(
かへ
)
つて、昨今世間に
流行
(
はや
)
つてゐる煩悶に陥る。
未亡人と人道問題
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
『神戸の
夷人
(
ゐじん
)
さん
処
(
とこ
)
。委しい事は阿母さんなんかに
被仰
(
おつしや
)
らないけれど、日本で初めて博覧会と云ふものを
為
(
な
)
さるんだつて。』
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
「そんな
目算
(
あて
)
も無いことばかり考えていないで、もっと手近なことを、さっ/\と
為
(
な
)
さいな!」と、たしなめたしなめした。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
人を害することがあります「心ひく
方
(
かた
)
ばかりにてなべて世の人に
情
(
なさけ
)
のある人ぞなき」と云う歌の通り「
情
(
なさけ
)
を
介
(
さしはさ
)
んで害を
為
(
な
)
す」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
文士筆を
揮
(
ふる
)
ふ猶英雄剣を揮ふが如し。共に空を撃つが為めに非ず
為
(
な
)
す所あるが為也。万の弾丸、千の剣芒、
若
(
も
)
し世を益せずんば空の空なるのみ。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
とはいえ、ともかく新鮮な読物の極めて
稀
(
まれ
)
な一つが八十を過ぎた老人によって
為
(
な
)
されたことは日本文化の貧困を物語ることでもあるかも知れぬ。
咢堂小論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
外国人も貿易の一点に
注意
(
ちゅうい
)
することと
為
(
な
)
りたれども、彼等の
見
(
み
)
るところはただこれ一個の
貿易国
(
ぼうえきこく
)
として単にその
利益
(
りえき
)
を利せんとしたるに
過
(
す
)
ぎず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
が、警部は最初から苦り切っていて、ろくに口もきかず、
胡散臭
(
うさんくさ
)
げに
支配人
(
バー・テン
)
のすること
為
(
な
)
すことを、ジロジロ
覗
(
うかが
)
っていた。
銀座幽霊
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
為
常用漢字
中学
部首:⽕
9画
“為”を含む語句
所為
行為
何為
為合
無為
御為
徒為
為替
為様
有為
作為
以為
人為
為出
為立
為掛
為難
当為
為事
為方
...