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並
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な
ふりがな文庫
“
並
(
な
)” の例文
旧字:
竝
多くはこけら
葺
(
ぶき
)
の古い貧しい家
並
(
な
)
みである。馬車屋の前に、乗合馬車が一台あって、もう出るとみえて、客が二三人乗り込んでいた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
とりわけ
左
(
ひだり
)
の手が
右
(
みぎ
)
の手より四
寸
(
すん
)
も
長
(
なが
)
かったものですから、
並
(
な
)
みの二
倍
(
ばい
)
もある
強
(
つよ
)
い
弓
(
ゆみ
)
に、二
倍
(
ばい
)
もある
長
(
なが
)
い
矢
(
や
)
をつがえては
引
(
ひ
)
いたのです。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
向こうの
並
(
な
)
み
木
(
き
)
は朝日に照らされてその影をぞくぞくと畑道の上に
映
(
うつ
)
していると、そこにはにわとりやすずめなどが嬉しそうに飛びまわる。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
尚お都合の
好
(
い
)
いことに同窓が
押
(
お
)
し
並
(
な
)
べて凡人だ。成金の赤羽君にしても、欧州戦争という間違が
因
(
もと
)
で成功したのである。自分はもう仕方がない。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しばらくうろついた果てに、とうとう笹村の入って行った家は、そこらにある
並
(
な
)
みの料理店と大した違いはなかった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
なお吉田増蔵氏は、「雪に馬
並
(
な
)
めまゐり来らくも」と訓んだ。また、「乱」をマガフ、サワグ等とも訓んでいる。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
西多摩や
造酒屋
(
つくりざかや
)
は
門櫓
(
かどやぐら
)
いかしく高く、棟さはに倉建て
並
(
な
)
め、殿づくり、朝日夕日の押し照るや、八隅かがやく。
篁
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
木箱よりひとつひとつとりいだし塵ふきて
並
(
な
)
ぶ赤き柿の実(原氏より信州の柿一箱送り来たる)十一月十日
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
件
(
くだん
)
の木柱を、祭壇の前の程よきところへ寝かして、道庵はしきりに、文句の吟味と、字配りの寸法に、思案を凝らしているようでありましたが、
並
(
な
)
みいる連中は
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
僕は又この
河岸
(
かし
)
にも昔に変らないものを発見した。それは——
生憎
(
あいにく
)
何
(
なん
)
の木かはちよつと僕には
見当
(
けんたう
)
もつかない。が、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
新芽を吹いた昔の
並
(
な
)
み木の一本である。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
駿河臺
(
するがだい
)
の
紅梅町
(
こうばいちやう
)
にその
名
(
な
)
も
薫
(
か
)
ほる
明治
(
めいぢ
)
の
功臣
(
こうしん
)
、
竹村子爵
(
たけむらししやく
)
との
尊稱
(
そんしよう
)
は
千軍万馬
(
せんぐんまんば
)
のうちに
含
(
ふく
)
みし、つぼみの
花
(
はな
)
の
開
(
ひら
)
けるにや、
夫
(
それ
)
が
次男
(
じなん
)
に
緑
(
みどり
)
とて
才識
(
さいしき
)
並
(
な
)
らび
備
(
そな
)
はる
美少年
(
びせうねん
)
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
並
(
な
)
みいる医師や、二、三の高弟は、じっとあたまをたれたまま、一言も発する者はない。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
従って選挙というが如き新しき制度の運用に当っては、とかく我々に道徳が立派に守られない嫌いがある。予輩は日本人一般の道徳的思想というものを押し
並
(
な
)
べて非常に低いものとは思わない。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
すると聯隊長が突然下士官の健康を祝すと云いながら、やはりフㇶンガー・ボールの水を一息に飲み干したそうだ。そこで
並
(
な
)
みいる士官も我劣らじと
水盃
(
みずさかずき
)
を挙げて下士官の健康を祝したと云うぜ
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
寛
(
くわん
)
左千夫
(
さちを
)
信綱茂吉と膝
並
(
な
)
めて歌つくりしも明治の末か
斎藤茂吉の死を悲しむ
(旧字旧仮名)
/
吉井勇
(著)
くらき炭素の
燈
(
ひ
)
に照りて、
飢饉
(
けかつ
)
供養の
巨石
(
おほいし
)
並
(
な
)
めり。
文語詩稿 一百篇
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
城壁の上
並
(
な
)
み立たむ、其時彼ら水陣の
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
小地頭
(
こじとう
)
の前に
並
(
な
)
み
居
(
い
)
る
萩
(
はぎ
)
芒
(
すすき
)
扇車
(
せんしゃ
)
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いちばの
河岸
(
かし
)
の
並
(
な
)
み
藏
(
ぐら
)
の——
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
仲
(
な
)
アカア良オくウ
並
(
な
)
アらんで
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
棟
並
(
な
)
めて早稲田大学秋の空
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
なお山部赤人の歌に、「朝猟に
鹿猪
(
しし
)
履
(
ふ
)
み起し、夕狩に鳥ふみ立て、馬
並
(
な
)
めて御猟ぞ立たす、春の
茂野
(
しげぬ
)
に」(巻六・九二六)がある。赤人のには此歌の影響があるらしい。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ですから
為朝
(
ためとも
)
の
射
(
い
)
る
矢
(
や
)
は、
並
(
な
)
みの人の
矢
(
や
)
がやっと一
町
(
ちょう
)
か二
町
(
ちょう
)
走
(
はし
)
るところを五
町
(
ちょう
)
も六
町
(
ちょう
)
の
先
(
さき
)
まで
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
き、ただ一
矢
(
や
)
で
敵
(
てき
)
の三
人
(
にん
)
や四
人
(
にん
)
手負
(
てお
)
わせないことはないくらいでした。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
君
(
きみ
)
よりも十
通
(
つう
)
に一
度
(
ど
)
の
返事
(
へんじ
)
を
與
(
あた
)
へ給へ、
睡
(
ねふ
)
りがたき
秋
(
あき
)
の
夜
(
よ
)
は
胸
(
むね
)
に
抱
(
いだ
)
いてまぼろしの
面影
(
おもかげ
)
をも
見
(
み
)
んと、このやうの
數〻
(
かず/\
)
を
並
(
な
)
らべて
男
(
をとこ
)
なきに
涙
(
なみだ
)
のこぼれるに、ふり
仰向
(
あほの
)
てはんけちに
顏
(
かほ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ふさま
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
並
(
な
)
み立てる谿の鉾杉白雪つもり見のかうかうと
幾秀
(
いくほ
)
こもれり
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あたいも一緒に
並
(
な
)
アラんでエ
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
初乗や
由井
(
ゆい
)
の
渚
(
なぎさ
)
を
駒
(
こま
)
並
(
な
)
めて
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
市ばの
河岸
(
かし
)
の
並
(
な
)
みぐらの
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
たまきはる
宇智
(
うち
)
の
大野
(
おほぬ
)
に
馬
(
うま
)
並
(
な
)
めて
朝
(
あさ
)
踏
(
ふ
)
ますらむその
草
(
くさ
)
深野
(
ふかぬ
)
〔巻一・四〕 中皇命
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
伊藤
(
いとう
)
五がおどろいて、その
矢
(
や
)
をぬいて
清盛
(
きよもり
)
の
所
(
ところ
)
へもって行って
見
(
み
)
せますと、
並
(
な
)
みの二
倍
(
ばい
)
もある
太
(
ふと
)
い
箆
(
の
)
の
先
(
さき
)
に
大
(
おお
)
のみのようなやじりがついていました。
清盛
(
きよもり
)
はそれを
見
(
み
)
たばかりでふるえ
上
(
あ
)
がって
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
銃
(
つつ
)
向けて
壕
(
がう
)
に押し
並
(
な
)
む鉄兜眼には堪ふるか待つある時を
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
並
(
な
)
みたち
樹蔭路
(
こかげみち
)
。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
並
常用漢字
小6
部首:⼀
8画
“並”を含む語句
並木道
家並
並木路
人並
門並
月並
軒並
歯並
並居
押並
並立
日並
並等
相並
並木
世間並
居並
並行
並々
世並
...