)” の例文
「そら、どらねこがきた。」といって、かおすとみずをかけたり、いたずらっは、そばをとおると、小石こいしひろってげたりしました。
ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
いながら、まさかりをほうりして、いきなりくまみつきました。そしてあしがらをかけて、どしんとびたにげつけました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
音楽の波が下がって行く時に戦もゆるむように思われた。やりおのをふるう勇士が、皆音楽に拍子を合わせているように思われた。
春寒 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
そこで金太郎は體をかたく小さくして、道の白いながれの上へ、飛びこむやうな合に轉んでいつた。自轉車は三四米先へげ出された。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
頬邊ほつぺたは、鹽梅あんばいかすつたばかりなんですけれども、ぴしり/\ひどいのがましたよ。またうまいんだ、貴女あなたいしげる手際てぎはが。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しゅっこが、大威張おおいばりで、あの青いたんぱんを、淵の中にんだ。それから、みんなしぃんとして、水をみつめて立っていた。
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
おそろしさもわすれて、いきなり、さけをひろい上げると、それをくまの方にげつけておいて、そのひまに戸をあけようとあせった。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
王子は石を一つひろって、それを力まかせにげてみました。石ははるか下の方のくもきこまれたまま、なんのひびきもかえしませんでした。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ぢいやは御飯ごはんときでも、なんでも、草鞋わらぢばきの土足どそくのまゝで片隅かたすみあしれましたが、夕方ゆふがた仕事しごところから草鞋わらぢをぬぎました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
斯く爲しつつ空中の鳥を目掛けてげる時は、あみを以て之をおほふと同樣、翼をおさへ体をけ鳥をして飛揚ひやうする事を得ざらしむ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
つづいて同じようにおどりかかっていったホールも、ものの見事みごとげとばされ、こしほねをしたたかうって起きあがれなくなった。
しかかれ重量ぢうりやうある唐鍬たうぐはかざして一くはごとにぶつりとつちをとつてはうしろへそつとげつゝすゝむ。かれその開墾かいこん仕事しごと上手じやうずきである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あらたまつてのはなしとは何事なにごとだらうと、わたくしにわかにかたちあらためると、大佐たいさ吸殘すひのこりの葉卷はまきをば、まど彼方かなたげやりて、しづかにくちひらいた。
うへになつたが、平岡に都合がわるからうと、ちゝの気に入らなからうと、賽をげる以上は、天の法則通りになるよりほか仕方しかたはなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
みごとなともえげの大業おおわざぽん。モンクスのからだは空中でぐるッと一回転すると、だーんとあおむけにたたきつけられた。かたい板の間だ。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
ふねのはげしき動揺どうようにつれて、幾度いくたびとなくさるるわたくしからだ——それでもわたくしはその都度つどあがりて、あわせて、熱心ねっしんいのりつづけました。
戲談じようだんつてはこまります。だから新聞記者しんぶんきしやひとわるい。ひと眞面目まじめくのに。』と高商紳士かうしやうしんしみじかくなつたシガーをストーブにんだ。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そして、ひとりの男に、うしろからあぶないやりをくわされたが、からくもかわして、すべり落ちるように、砦のおく、二の丸のうらへりた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老人ろうじんは彼を引寄ひきよせた。クリストフはそのひざ身体からだげかけ、そのむねに顔をかくした。彼はうれしくて真赤まっかになっていた。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
口々くちぐちにそんなことさけんで。それからみんなもっとたくさんのパンやお菓子かしもらってて、みずれました。そして
かかる議論ぎろんにまるでこころあっしられたアンドレイ、エヒミチはついさじげて、病院びょういんにも毎日まいにちかよわなくなるにいたった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さうたづねかけながら、おくさんは女学生がくせいらしさのまだ十分にぬけきらない若々わか/\しいひとみを青木さんにげかけた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
陸上競技のやりなどを買いもとめてバルヂンという彼の作中人物の愛吟を高らかにしょうしつつアテナイの市民、アテナイの選手を気どって我が家に帰る。
オモチャ箱 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
小刀さすがのどたててたり、やますそいけげたり、いろいろなこともしてましたが、れずにかうしてゐるかぎり、これも自慢じまんにはなりますまい。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
大富おおとみからのびとと聞いたおまさは手のものをげだしてきた。懇切こんせつに使いの人のろう感謝かんしゃしたうえに、こまごまと死者のうえについての話を聞こうとする。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
うきかざりのべにをしろいこそらぬものあらがみ島田しまだ元結もとゆひすぢきつてはなせし姿すがたいろこのむものにはまただんとたヽえてむこにゆかんよめにとらん
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
時々よい越しの金を残そうとするのを、自分がぐりつけてまで使わせてしまうところを見てもらっても、分ってるが、——百姓の労働生活に比べてみると
猫八 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
けつして、なつたことはない』とつて女王樣ぢよわうさま亂暴らんぼうにも、蜥蜴とかげがけてインキつぼげつけられました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「もっとくれ! のこすのはしい、おれが一でいただいちまおうよ。」といいながら、とうとう一人ひとりで、みんなべてしまって、ほね食卓テーブルしたげました。
客席きゃくせきからは浜村屋はまむらやッというこえが、いしげるようにこえてるかとおもうと、御贔屓ごひいきこえわめこえ、そいつがたちま渦巻うずまきになって、わッわッといってるうちに
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
野郎やらうおれいまげたお賽錢さいせんめアがツて、ふてやつだ。ぶンなぐるからおもへツ』とよばはる。
やりといふようなものは、あるひはありましたかもれませんが、弓矢ゆみやのような道具どうぐは、舊石器時代きゆうせつきじだいにはられないもので、じつ新石器時代しんせつきじだい新式武器しんしきぶきであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
揚物あげものあぶらなべなかにて發火はつかした場合ばあひは、手近てぢかにあるうどん菜葉なつぱなどをなべむこと。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
君達きみたち娯樂ごらくともならばしたまへとうつくしきたましひぐ」といふあなたの歌をS誌上しじやうに見たその時の、なんともいふことの出來ないその心持こゝろもちを、私はまだまざ/\とおぼえてゐます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
永谷寺へ入院じゆゐん住職じゆうしよくあれば此ふち血脉けちみやくげ入るゝ事先例せんれいなり。さて此永谷寺の住職遷化せんげ前年ぜんねん、此ふちよりはかの石になるべきまる自然石じねんせきを一ツきしいだす、これ無縫塔ふほうたふと名づけつたふ。
もう一つ砲丸をげることは、どの若い女にも出来るという絶対の芸当ではないのだ。それとも君は、脆弱かよわい女性にあの砲丸を相手の肩へげつけることが出来る場合を想像できるかネ
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あのことのあったその夜、何者か道庵先生の宿元へぶみをした者がありました。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
夫婦ふうふこまつてしまひました。そして、鳥屋とりやへもつてつてりました、けれどそれがうんきでした。そのくちからの言葉ことばで、とうとう二人ふたりつかまつて、くらくら牢獄ろうごくのなかへげこまれました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
あいするおまへちゝ、おまへはゝ、おまへつま、おまへ、そしておほくのおまへ兄妹きやうだいたちが、土地とちはれ職場しょくばこばまれ、えにやつれ、しばり、こぶしにぎって、とほきたそらげるにくしみの
「信州に居る時は、ちよく/\そのわなで獸を捕つたんだらう」
清造はさびしくなると立ちよって、沼に石をげこみました。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
ふらふらとげてかかれば、その咽喉のどが……
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ほら、あゝして下からげるのですよ
ぎんよりしろげて
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
ここは、まちちかくにあった、はらっぱです。子供こどもたちが、なつ午後ごごたのしくボールをげたり相撲すもうをとったりしてあそんでいました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
赤シャツの農夫はのそばの土間に燕麦えんばくわら一束ひとたばいて、その上に足をげ出してすわり、小さな手帳てちょうに何か書きんでいました。
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と、あはれや夕飯ゆふめし兼帶けんたいだいざるはしげた。ものだと、あるひはおとなしくだまつてたらう。が、對手あひてがばらがきだからたまらない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をどつてうたうてかつしたのど其處そこうりつくつてあるのをればひそかうり西瓜すゐくわぬすんで路傍みちばたくさなかつたかはてゝくのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そしてしたにいる瓜子姫子うりこひめこには、たねや、へたばかりげつけて、一つもとしてはくれません。瓜子姫子うりこひめこはうらやましくなって
瓜子姫子 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
我々われ/\は、そんなこと豫期よきする權利けんりのない人間にんげんぢやないか」とおもつてして仕舞しまふ。細君さいくんやうやいてくちつぐんで仕舞しまふ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)